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東京陥落  作者: シロップ漬け
三章 京都死闘・覚醒の始まり編

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三章 7話 隊の長として

俺はこの組織の戦闘部隊に配属されて以来ずっと思っていたことがあった。

本当に俺がこの隊の隊長でいいのか、本当に隊員は着いてきてくれるのか、本当に隊長として、強くなれるのだろうか。

最近になってその感情はどんどん強くなってきた。隊に入ったばかりの新人。アイツはかなり強くて、優しさも持ち合わせてる素晴らしい人間だった。童顔だが、いざとなったらかっこよさも見せる男。

普段はおちゃらけてるものの、剣術は間違いなく世界一の女。

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あの二人は確かに感情がある。戦いに大事な感情があった。

強くなりたい。

もっと強くなりたい。


どうして?


どうしてだろう?


戦う中で気づいた感情。


怒りも怨嗟も憎悪も嫉妬も無い。


何故だろうか。そして、俺が到達し感情。


虚無。


それが俺が到達した感情だろう。そして、あの兄と同じ覚醒を果たす。アイツの覚醒は2つ。

一つは激怒。

もう一つが虚無。

アイツが強いのは激怒だけじゃない。アイツは普段から虚無だったのだ。多分普段は何も感じてない。と言うより、激怒の前後に何も感じてない。だから強すぎる。

そして、俺も同じ覚醒を果たす。俺も何も感じていない。と言うより、他の物事に対して何も感じたくない、他の誰かに対して特別な感情を抱きたくない、その精神性の表れだろう。


覚醒を果たす。

四肢が黒っぽく染まって行く。


(これが覚醒状態……というやつか……)


感情の覚醒は力、肉体、運動能力の向上などを上昇させる。


「張間、貴様覚醒したのか。」


「さぁ?何が俺をそうさせたんだろうな。」


「覚醒した貴様の力、見せて貰うぞ。」


「そうゆうのいいって」


「いや、貴様達はいずれ俺らの仲間になるんだ。関係無くは無いさ。」


張間墨と夕闇夜宵の戦いが始まる。覚醒者同士の戦い。

違うのは、覚醒したタイミング。

それゆえの力への理解の差。

そこをどのように埋めるのか。


戦闘が始まる。

覚醒した虚無の先にあった力。


戦闘が始まって3分。

覚醒した張間墨は右ストレートを繰り出す。

夜宵は難なくかわす。

しかし、虚無の力はそこから先があった。

目覚めた力。それは人間が手にしていいものでは無かった。

繰り出した右手。それはブラックホールのように夜宵の体を引きつける。

バックステップで躱したハズだったのにそれは引き寄せ、自ら殴られるように右手に突っ込む。


「ぐっ、ぐぇっ……」


次に墨は左足で上段蹴りを放つ。

顔を後ろに引いて蹴りを避ける。


「今のは何だったんだ?」


「知らねぇよ。」


(あいつを引き寄せた力……俺のこの力は……引力か?反発力もあるか?)


墨はもう一度右手で正拳突きを放つ。

隅に殴られた空気は風圧の塊となり夜宵の胴体に飛んでいく。



(これが紺青隊長が使ってた技か!つまりこれを使える人間は……何かしらの虚無を抱えているのか……)


「張間……貴様強いな……」


「俺が強い……?いや、正直言うがうちの隊員達の方が強いぞ。」


「いやいや、その力を覚醒させたのはお前含めて2人だけだからな……」


(2人だと?つまりコイツは紺青隊長もこの力に目覚めてる事に気づいてるのか?)


「まぁいい。今回は撤退させてもらう。だが、次やる時は本気で戦わせてもらうぞ。」


「いや、もう戦いたくないから来ないで。」


こうして、張間墨と夕闇夜宵の短い戦いは終わりを告げた。

京都で発生した人獣被害は収まりつつあった。

そして……


「俺は五本指だ。」


「ちっ、ウワサの最強の管理者か……」


「紺青晴璃……貴様の力は危険だ……封印させてもらうぞ。」


京都嵐山にて新たな戦いが始まろうとしていた。

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