王様の場合 3
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ありがとうございます!!!
バチン!!
青白い光が放たれ、奇怪な音が響く。
「「な、に…?」」
俺の魔力のこもった殺気が相殺されて、いる…?
このような小娘ごときに…?
かつてないことに、呆然としていると、何時もの飄々とした声が響く。
「王よ、ハナコ殿はわしの最愛の妻であり、そなたの良き理解者であったユキコと同郷なんじゃよ。」
その瞬間、情けないことに心が小波立つ。
言われて初めて気付く。
この娘の美しい黒髪と、俺を真っ直ぐに睨み付けてくるその瞳は、彼女と同じ種のものだった。
今度は心がゆっくりと凪いでいくのが分かる。
怒りなど、忘れていた。
「…余は、ダニエル.ウラン.レイニールだ。…色々と、すまなかった。」
自然と口をついて出ていた。
彼女と同郷、ただ、それだけであるのに、もうこの世にいない者との微かな繋がりのように感じたのだ。
「…?………?………王!」
「あ、ああ。なんだ、グレース。」
「…貴方が呆とするなど珍しいですね。まあ、いいでしょう。私は本日はこれくらいで御前失礼してもよろしいでしょうか?」
執務室にて何時ものように政務をこなしていると、俺の友の一人息子であり、かつての俺の教育係が尋ねる。
「ああ、おまえもたまには邸に帰さないとな。グレンリードに何を言われるか…。俺も今日はこの辺にしておくか。」
グレンリードは言うまでもなく、息子であるグレースも俺が生まれた時からの付き合いなだけに気心も知れているが、容赦もない。
「ありがとうございます。では、これで失礼致します。」
「ああ…っ!ま、待て!」
思わず呼び止めていた。
「何でしょう?」
「いや…その、なんだ。滞りなく渡り人の手続きが済んだか、報告するよう、グレンリードに、だな…」
「ほお…。」
端正な宰相の口角が上がる。
「御意に。では、これにて。」
…本当に、容赦がないのだ。




