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2ー4

 あたしたちが廊下に出ると、ぱたぱたとかわいらしい足音が近づいてきた。


「おにいちゃまぁ〜!!」


 金色の髪に翡翠色の瞳の小さな女の子は、ジョシュア様にジャンプして飛びついた。


「シャノン、おにいちゃまだぁ〜い好きっ!!」

「よしよし。ちゃんとリリーの言う事聞いてるか?」

「うんっ!! でもね、ジェイクがお熱があるの。げんいんがわからないんだって」


 シャノン様とお話しているジョシュア様は、ちゃんとお兄さんの顔をしていた。


「本当か? リリー」

「はい。わたくしたちの治癒魔法でも熱を下げることができないのです。今はケリーさんが側についておりますが、時おりうなされたりしていてとても不憫なのです」

「それは心配だな」

「熱の原因も含めて、ただいま調査中です」

「そうか……」


 ジョシュア様は顎に手を当て、なにかを考えているみたいだった。


「ともかく、俺たちはこれから最強の魔女を探す旅に出る。旅先でよく効く解熱剤があったら送るよ」

「ありがとうございます、ジョシュア様」


 リリーと呼ばれた美しい女性は、一瞬ジェインさんと目があうと、急に目を背けた。


 おやおや。この二人、もしかして?


「最強の魔女探し、がんばってくださいましね」

「ああ」

「おにいちゃま、もうお仕事?」


 シャノン様はかわいらしく小首を傾げてジョシュア様に聞いた。


「ああ。リリーの言う事聞いて、魔法で遊ぶなよ。それから、できるだけジェイクに優しくしてやれよな」

「うん、そうする。ジェイク、ゼリーが好きだから、これからリリーと作りに行くの」


 ジョシュア様はそうか、と答えると、シャノン様の頭を愛おしそうになでてあげた。


 年は離れているけど、仲のいい兄妹なんだな。


「おまえが作ったゼリーを食べたら、きっとジェイクも元気になるだろうよ」

「うん。そうなるといいな。ジェイク、ずっと寝ていてかわいそうだもん」


 それと聞くと、ジョシュア様が弾かれたようにリリーさんを見る。


「魔力が暴走しているのではないか?」

「可能性はあります。元々ジェイク様はイレギュラーな存在ですので……」

「そうだな。なにが起こるか、まだわからんな」


 イレギュラー? どういうことだろう?


 「じゃあ、行ってくる」


 だけど話はそこで終わって、ジョシュア様は歩き始めてしまった。


 あたしたちは門に向かって歩くのだった。


     つづく


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