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あたしたちが廊下に出ると、ぱたぱたとかわいらしい足音が近づいてきた。
「おにいちゃまぁ〜!!」
金色の髪に翡翠色の瞳の小さな女の子は、ジョシュア様にジャンプして飛びついた。
「シャノン、おにいちゃまだぁ〜い好きっ!!」
「よしよし。ちゃんとリリーの言う事聞いてるか?」
「うんっ!! でもね、ジェイクがお熱があるの。げんいんがわからないんだって」
シャノン様とお話しているジョシュア様は、ちゃんとお兄さんの顔をしていた。
「本当か? リリー」
「はい。わたくしたちの治癒魔法でも熱を下げることができないのです。今はケリーさんが側についておりますが、時おりうなされたりしていてとても不憫なのです」
「それは心配だな」
「熱の原因も含めて、ただいま調査中です」
「そうか……」
ジョシュア様は顎に手を当て、なにかを考えているみたいだった。
「ともかく、俺たちはこれから最強の魔女を探す旅に出る。旅先でよく効く解熱剤があったら送るよ」
「ありがとうございます、ジョシュア様」
リリーと呼ばれた美しい女性は、一瞬ジェインさんと目があうと、急に目を背けた。
おやおや。この二人、もしかして?
「最強の魔女探し、がんばってくださいましね」
「ああ」
「おにいちゃま、もうお仕事?」
シャノン様はかわいらしく小首を傾げてジョシュア様に聞いた。
「ああ。リリーの言う事聞いて、魔法で遊ぶなよ。それから、できるだけジェイクに優しくしてやれよな」
「うん、そうする。ジェイク、ゼリーが好きだから、これからリリーと作りに行くの」
ジョシュア様はそうか、と答えると、シャノン様の頭を愛おしそうになでてあげた。
年は離れているけど、仲のいい兄妹なんだな。
「おまえが作ったゼリーを食べたら、きっとジェイクも元気になるだろうよ」
「うん。そうなるといいな。ジェイク、ずっと寝ていてかわいそうだもん」
それと聞くと、ジョシュア様が弾かれたようにリリーさんを見る。
「魔力が暴走しているのではないか?」
「可能性はあります。元々ジェイク様はイレギュラーな存在ですので……」
「そうだな。なにが起こるか、まだわからんな」
イレギュラー? どういうことだろう?
「じゃあ、行ってくる」
だけど話はそこで終わって、ジョシュア様は歩き始めてしまった。
あたしたちは門に向かって歩くのだった。
つづく




