2ー5
王室御用達の防具屋に着くと、ジェインさんがあたしとユイニャンのための防具を見繕ってくれた。
特にユイニャンは攻撃する道具も魔法もなかったから、重点的に軽くて身を守る防具が役に立つらしい。
あたしはあたしで、なんだかずっと前から冒険者でした、みたいな防具をつけてもらって、恥ずかしいやら、なんやら。
あたしだって魔法で攻撃することくらいはできるから、普段は柄しかない魔剣も買ってもらった。
「あたし、お金持ってませんけど?」
基本的なことに気づいたあたしに、ジェインさんがブラックカードをちらつかせた。
「心配には及びません。きちんとカードを預かってきましたから」
おお、太っ腹。
二人の王子様はこなれた防具がいいと、今使っているものとおなじものをチョイスした。
ジェインさんは極力動きやすさだけを重視して、ほとんど防具をつけてなかった。しいてあげるなら、胸当てくらいかな?
そんな感じで防具屋さんを出ると、さっそくエリオット様がカードを使いたいと言い出した。
「ダメだ。どうせユイニャンの指輪を買いたいとか言うつもりだろう?」
「さっすがジョシュア。僕のことよくわかっているじゃない。ちぇ。せめておしゃれなお店でお昼ご飯食べてからにしようよ」
「防具つけたまましゃれた店に入れるかっ。欲ボケもほどほどにしてくれ」
ジョシュア様はすぐにエリオット様に答えると、庶民的な食堂に入って行く。
あたしたちも後を追って店に入る。
なるほど、冒険前の腹ごしらえか。
それぞれが注文を終えると、すぐにジョシュア様が干し肉やパンやミルクなんかも注文した。
いずれも旅に必要な最低限の食料で、それらはジェインさんの空間魔法バッグにしまい込まれた。
しっかし空間魔法いいなぁ。あたしもその便利なカバン欲しいなって思っていたら。
「空間魔法は僕一人で充分ですよ」
と、ジェインさんに言われてしまった。
それはともかく。女の子には必要なものもあるのよ、と言ったら、バッグの中からポシェットを出してあたしに渡してくれた。
「では、女性陣の必要なものはこちらにおさめてください」
よし、これで大丈夫!!
たぶん、ね。あはっ。あははははっ。
つづく




