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9ー3

 目が覚めたら、お腹痛くてびっくりした。


「ミカリン、目が覚めたか?」

「ジョシュア。側に居てくれたの?」

「まったく。無茶しやがって。どうしておまえはそう無鉄砲なんだ!?」

「だって。あれしか薬を飲ませる方法を思いつかなかったんだもの」


 そこで、ジョシュアはいつもよりずっとむすっとした顔で。


「おまえはジェインを過大評価しすぎだ。うっかり死んじまうところだったんだぞ?」

「あはははは。でも生きてるし。ちゃんと……、痛っ」


 上半身を起こすことすらできない。


「今度はおまえがしばらく城で静養する必要がある。学校の授業に関してはユイニャンがノートを持ってきてくれることになったから心配すんな」

「あらま。みんな親切だわ」

「ユイニャンの時だって親切にしてたさ」

「でも、うれしい」


 ふふふと笑うと、ジョシュアが顔をそむけた。その横顔が赤いような気がする。


「見事なレンチさばきだったぞ」

「ほう? 褒めてもらえるなんて光栄です」

「いいか? 今回は特別に運が良かっただけだからな。ああ、それと王室御用達栄養ドリンクも飲んでおけ」

「わぁ、さんきゅ」


 あたしはドリンクをゴクリと飲んだ。ら。傷にしみて痛かった。


「もうあんな無茶するなよ? おまえになにかあったらと思うと、心臓が持たんたかな」

「ひょっとして、あたしのこと好きだったりする?」

「ああ。好きだよ。あんな無茶する奴に恋をして悪いか」

「あっははっ。あたしもジョシュアが好きだよ」


 ………………。


 沈黙が恥ずかしい。


 なんだ、いつの間にか両想いになっていたんだ。


「エリオット様はユイニャンにプロポーズしたんだって」

「知ってる。俺も今、さらっとプロポーズしたからな?」

「……? どのくだりのこと?」

「だから。この俺に好きだと言わせたんだから、それはもうプロポーズなんだ。ほら、手を出せ」


 ジョシュアはあたしの左手に綺麗な銀製の腕輪をつけてくれた。


「守護魔法がかかっている。指輪はこれから作るから、サイズを教えろ」

「そういうのはそれこそさらっと調べるもんじゃない?」


 本当に、不器用でかわいいんだから。


「いいんだよ。俺はエリオットと違うからな。キザなこと言えないしできないからな。そこいら辺、比べたりするなよ?」

「うん。いいよ。じゃあ、ロザリア様のことは?」

「あこがれだよ。それがわかったんだ。もういいだろう? もう少し寝てろ」

「うん。わかった」


 言われなくても深い眠りに落ちてゆく。


 目が覚めたら、なにかが変わっていたりするのかな?


     つづく

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