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お城に戻ると、ユイニャンがだいぶ回復していた。
シャノン様付きの侍女長であり、ジェインさんの彼女? なリリーさんが、必死に治癒魔法をかけてくれていたのだ。
「ユイニャン、大丈夫?」
「ミカリン。それにみなさん。この度は、ご迷惑をおかけしてすみませんでした」
「ユイニャンのせいじゃないじゃない」
あたしはそう言って、みんなの反応を見たけれど、やっぱりそんな感じで。
「今回悪さをした魔王は消滅させたからな。まだしばらく大地が揺らぐやもしれんが、リンレイが祈りを捧げてくれている。案ずるでない、ユイニャン」
国王陛下にそうまで言われて、ユイニャンはぽろぽろと涙を流した。
「ごめんなさい。本当に、ごめんなさい」
「あやまるなって」
ジョシュアが真新しいハンカチをユイニャンへ差し出す。
リリーさんへの花とか、ハンカチとか。こういう時に王子様なんだなって感じる。
「完全に治癒するまでまだ時間がかかりそうだから、もうしばらく城で預かることにする」
ジョゼフ国王陛下にそう言われて、今度はありがとうございますを繰り返すユイニャン。
本当におくゆかしい子だな。
「ミカリン、今後のためにも素振りはつづけた方がいいぞ」
ジョシュアはあたしのレンチを見て茶化した。今回買ってもらった防具と魔剣はくれることになった。すごい太っ腹。
「そうね。今後もユイニャンをクルマに乗せることがあるだろうから、素振りはやることにするわ」
なにしろ太刀筋がいいと褒められたんだから、つづけることにした。
ダイエットにもなるかもしれないしね。
そしてあたしはありえないことを考えたりなんかしていた。
もし魔女狩りが廃止されたら、ユイニャンやアイシアのような女の子が減るんじゃないかなってこと。
それから、始まりの魔女リンレイのような悲しい生贄制度のことも考えた。
あたしが考えたってしかたないけど。
でも、もしかしたらそういうことのない世界を作れるかもしれない。
くらげ島は磁場の影響で島の外に出ることも、外から人が来ることもない穏やかな島だ。
だけどその磁場の影響で魔法が備わることがある。
あたしたちは毎日いろんなことを考えたり、勉強したり、身体を鍛えたりしながら生きてゆく。
生きた島、このくらげ島で。
第一章 完




