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レモンティ国のはずれにある占いの館は、それはそれは古めかしくて、いかにも占いの館という外観をしていた。
あたしたちからしたら、たった数日でここまで来てしまったことに驚きを隠せない。
もっと時間がかかると思っていた。
もっとも、占い師さんが最強の魔女の居場所を知っているかどうかは保証がないのだけれども。
ジェインさんがドアベルを鳴らすと、自動でドアが開いた。
『いらっしゃい。待っていたわ』
スピーカーからねっとりしたなまめかしい女性の声が聞こえて、あたしたちは玄関に入った。すでにスリッパが五足そろっていて、冷や汗が出る。
「どうぞ。あがってきて」
あたしたちは用心しながらスリッパを履いた。
廊下の突き当たりに広間はあった。
あたしたちが広間に入ると、黒装束の痩せ型の綺麗な女性が立っていた。
「あらためていらっしゃい。この時をずっと待っていたわ。わたしはダリア。そう呼んでちょうだい」
「それではダリア。待っていたということは、俺たちがなにを聞きにきたのかわかっているのか?」
「ええ。最強の魔女探し、のことでしょう? まぁ、そんなにあせらないでリラックスしたらどう?」
あたしたちはダリアが淹れてくれた紅茶に手を付けられなかった。
これからなにか重大なことが起ころうとしている。そんな予感がある。
「目的を知っているのなら、俺たちの正体もわかっているということだな?」
「ええ。あなたがロイヤルミルクティ国の第一王子のジョシュア様で、そちらがレモンティ国の第一王子のエリオット様。その他の人たち」
その他って、雑だな、おいっ。
「だったら話は早い。最強の魔女はどこにいる?」
「だから、あせらないでよ。いい? 候補が三人もいるの」
「三人だと!?」
ダリアは薄ら笑いを浮かべながら、そうなのよ、と答えた。
「一人はあなた。ユイニャン・セイロン。もう一人はわたしの友人であるアイシア・ブラック。残る一人は……まだ変化していない誰か。」
「ユイニャンはともかく、アイシアとはどこに居るんだ?」
「一緒に住んでるわ。彼女は今、レモンティの滝に行っているの」
「俺たちが来るとわかっていながら、なぜとめなかった」
「そんな権力わたしにはないもの」
「まぁいい。滝に行けば会えるんだからな。それで最後の一人は誰なんだ? 変化とはどういう意味だ?」
「だから、あせらないでよ」
ダリアはおいしそうにアイスティーを飲み干す。あたしの喉がぐっと鳴った。
「ジョシュア様がよく知っている者よ。不浄な存在。本来ありえない人間」
「俺が知っているだと?」
ジョシュアは怖い顔をしてダリアを睨んでいた。
それって一体誰のこと!?
つづく
※明日より一日二話更新予定ですっ!!引き続きよろしくお願いします。




