3ー2
結局この日はたいした収穫もなく、宿に泊まることになった。
あたしとユイニャンが同じ部屋で、ジョシュアたちが隣の部屋。
まずは腹ごしらえと、ばかりに、一階の食堂に集まった。
「それで、最強の魔女探しだが、どうやって見つけ出す? ジェインはなにか知らないか?」
ジョシュアがジェインさんに聞くと、焼き鳥を頬張っていたジェインさんが真顔になった。
「そうですねぇ。占い師に聞くとか?」
なるほど、とジョシュアが頷いた。マジ?
「占い師なんてうさんくさくない?」
あたしが言うと、でも、とエリオット様が口を開く。
「元々最強の魔女がくらげ島を滅ぼすと言ったのは一人の占い師だし。本物の占い師なら、なにか知ってるのではないだろうか?」
はぁ。そうだったんだ。
あたし、一般人庶民だから、占い師って聞くとジェインさんのご近所さんくらいの存在かと思っていたよ。
そんなこんなで宿の主人に最強の魔女か占い師を知らないか聞いてみたけど、まったくわからなかった。
そのうち、外がやたら騒がしくなった。
なんだろう、と思っていたら、真っ赤なドレスに身を包んだすごく綺麗な女の子が場違いなくらいに入店してきた。
「久しぶりね、エリオット」
「そうだな、ロザリア。どうしたんだ? こんなむさ苦しい場所で」
するとこの顔が以上に小さい美少女がローズヒップティ国のお姫様であるロザリア様か。
「どうしたもこうしたもないわよ。あなた、両親に好きな女性ができたと言ったそうじゃない」
そしてロザリア様はあたしとユイニャンの顔を交互に見る。
「どっちが好きなの?」
「ユイニャンには手出しさせないぞ」
「そう、こっちの地味な女。へぇ?」
ロザリア様は執拗にユイニャンを眺め回した。
「こんな子のどこが好きなの?」
「全部だよ」
「全部!? いやらしい。汚らわしいわっ」
「そうじゃない。誤解するな、ロザリア」
ふん、とロザリア様はそっぽを向いてしまった。
「わたくし、こんな女に負けませんわよ。エリオットはわたくしの将来の夫なんだから」
堂々と宣言までしてしまった。
それに対してエリオット様は。
「無茶苦茶なことを言うなよ、ロザリア。僕は僕の信念でユイニャンが好きなんだ。だから、ロザリアとはどうこうならないし、将来もない」
なによっ、とロザリア様が叫んだ。
「わたくしと結婚すれば、ローズヒップティ国とレモンティ国が合併して、領土が拡大するチャンスなのよ!? あなた、それをわかって言ってるの?」
おっと、そうきたか。
とにかく、ロザリア様は言うだけ言うと、また帰って行くのだった。
つづく




