04 次の約束
『先日はレンタルスペースで醜態を晒して申し訳ありませんでした、あと、馴れ馴れしく触ってしまい、誠に……土下座案件』
などというメッセージが後日ミユさんから届いたけれど、醜態なんてなかったし、あの時、かわいいとか嬉しいしかなかった。
『大丈夫だ、何も問題ない (笑)』
と、某ゲームのセリフっぽく返したら、
『ありがとうございます〜(T_T)』
と、泣いてる絵文字で返って来た。
『ほんとに迷惑なんて1個もなかったので、大丈夫ですよ!』
『海のように広い心……(´。✪ω✪。 ` )』
『あはは!それは褒めすぎですよ!』
ここでポメラニアンのデフォルメイラストのスタンプを、ポチッと押して送った。
このスタンプ、男が使うには可愛すぎたか?と、送った後でヒヤヒヤしたけど、
『このスタンプかわいいですよね! 私も持ってます!』 と、同じ作家のポメラニアンスタンプが返って来た。
小さな共通点が嬉しくて、自然と口元が緩んだ。
◆ ◆ ◆
土曜日。
今日は幼なじみと近所の焼き鳥屋で飲み会。
店内は楽しげに賑わっていて香ばしく美味しそうな香りに満ちている。
ひとまず枝豆から串ものは豚バラと鳥皮の塩とタレを20本に団子は4本。それからキャベツとビールを二人で注文した。
そしていわゆる最強どうだ? からの好きな人が出来たという流れからの、最近のレンタルスペースでの事を話した。つまり恋愛相談的な流れになってしまったのだ。
「え? 友次、お前、抱きつかれて肩も抱かないのか? ヘタレでは?」
「そんな早期にがっついてる風にしたら怖がらせて仕舞うだろ! ホラーとは別の意味で!」
ただ、ホラー映画でビビってるだけの人にさぁ。
「距離を詰めるチャンスだったのに」
「だから急いては事を仕損じるだろ!」
俺はそう言ってビールで喉を潤しつつ、大好きな焼き鳥を食べる。
「石橋を叩き過ぎてぶち壊すタイプでは?」
「俺はそこまでではないと信じたい」
「お盆休みは? キャンプに誘ったりとか」
「同人誌即売会とかそっち系のイベント行くかもしれないし、夏ののキャンプは暑いだろうし、虫も嫌いだと思う」
「あー! そっち系の趣味の人か」
「せめて花火くらいは一緒に見に行きたいけど」
「あー祭りはいいよな! 人は多すぎだが」
「祭りの人混みはもうしょうがないとは思う」
しかしなんだかんだで、一応さり気なく、お盆の予定はミユさんに訊いてみることした。
通話とメッセージ系のSNSで。
『絵名木さんはお盆は帰省とかされるんですか?』
『帰省すると親が早く結婚しないと孤独死するだのなんだのうるさいので実家帰省はスルーします。なにもせずともご飯出てくるのはいいんですけどねー』
『あー、なるほど』
そしたらこれはワンチャン花火大会とか誘えるか?と、思ったら、
『それより、三国竜戦記の水族館限定のコラボガチャが出るんですよ! リアルガチャの方です!おもちゃの!』
!!
『あ、推しのカプセルトイが出るんですね! いーですねー夏の水族館は涼しげで、俺も水族館好きですよ!』
俺は水族館と聞いてたたみかけるように水族館好きをアピールした。
『あ、じゃあ水族館一緒に行きますか?』
『行きます! 車出します!』
『ありがとうございます。じゃあガソリン代半分出しますね』
『いいですよ、そんなの』
『じゃあえっと、お昼ご飯を奢るとかしますね』
『男がお店で女性に奢られるのかっこ悪いので』
『えー、じゃああなたのポケットに三千円くらい突っ込みます、ずぼっと』
『セクシーダンサーじゃないんですから(笑)』
『そういえば一度はムキムキのお兄さんにねじ込んでみたいので、嫌じゃなければまた解禁シャツでも着て来て下さい(笑)エッチベルトがあると挟みやすいんですが、流石に持ってないですよね?』
『Hベルト?がボディハーネスのことなら実は持ってますよ! そしてねじ込みたいならおもちゃのお札でいいですよ(笑)』
『なんと! なんという僥倖!でもおもちゃの札は持ってないから現ナマをツッコミます! ただ、全部千円札になりますけど(笑)』
『俺が子供銀行券的なやつを買っておきます』
『そこまでしなくても(笑)』
『でも水族館にボディハーネスはおかしいですよね』
『Hベルトは水族館以外の時に!またレンタルスペースに行く時でも、あそこコスプレ撮影にも使えるので』
Hベルトは諦めないらしい。身体を鍛えて胸筋を育てていて良かった。
こうしてお盆休みに水族館デートが決定した。
花火大会じゃないけど、十分嬉しい!




