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オタ嫁が大好きすぎる夫!☆  作者:


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22 冬祭りの準備

 夢を見た。昔の夢を。


 ミユちゃんに以前、居酒屋で酒に酔った勢いで訊いたことがある。


「なんでそんなにも深く二次元にハマったんですか?」


 と、完全に酒の勢いで。



「落ち込んだ時に私を救ってくれたの。何度も。だから、私はフィクショナルの力を信じてるの」

「落ち込んだ時に……」


「私が以前、クラスメイトと本屋にいて、このマンガ、とても良かった、感動した。元気もらったって表紙を見ながら語ったことがあるんだけどー」

「うん」


「私の側にいたクラスメイトはあんたの感動、随分安いね。って言ったの。私、その時凄く腹がたったのよ。それは私はともかく漫画家さんに失礼って。でもよく考えたら私が彼女に嫌われてたから、私を傷つけたくでそんな言い方しただけかも、って、反論は飲み込んだけど……今でも思い出す度に新鮮に怒りが込み上げる」


「優しいミユちゃんをそんなに嫌う人がいるなんて……」


 信じられない。



「彼女の好きな男が私を好きだったらしいの」


 あ。それならあるかもな。ミユちゃんは美人だしスタイルもいいから妬まれるのか。



「なるほど……」



「馬鹿野郎! ちょっと綺麗な絵が描けるくらいでちょーしこきやがってこの女! 感動できる話を描ける人は凄いんだぞ! 間のとり方、構成、魅せ方、色々工夫されてんだよ! と、脳内では何回もキレてる! 心を揺さぶられたり、温かい毛布で包まれたような慰めを、この凄さをよくも安いなどと!ってさー」



 クラスメイトが綺麗な絵が描ける人なのはわかった。



「でも、その怒りを口にはしなかったんだ」

「そう、私は基本的には平和主義者なので無駄に波風立てたくはなくて」


「基本的に優しいんだね」



 ムカついても面と向かっては怒れないとこ。



「違う、基本的には事なかれ主義、多分」

「そうかなー」

「そうだよ」



 そんな会話を……した事がある。

 フィクショナルの力を信じてると言った時の、彼女の瞳の輝きは、とても綺麗だった。


 それこそ、惚れ直すくらいに。

 俺もいつか、彼女の推し漫画くらい愛されたら、もっと幸せになれるのかな? なんて、贅沢な望みが脳内でチラつく。


 ああ止めろ、今のまま、側にいられるだけでいいじゃないか。

 高望みをするな。


 ──そして、クリスマス明けの朝を迎えた。



「え? 衣装が変更に? 大丈夫なの? 間に合う? へー、あー! そうなんだねー、わかった」


 朝からミユちゃんがリビングで誰かと電話をしてた。衣装と聞こえたので、俺のコスプレと関係あるのかと思って訊いてみた。



「どうかした?」

「ユウジ君に着て貰う予定のコスプレ衣装ねー肌色多くてチクビ見えてたら男性でもダメだったの忘れてたらしくって、違う衣装にするって」



 そんな大事な事を忘れてたのか。



「大丈夫なん? 今からそんなで間に合う?」

「ふつーの白のYシャツにハーネス付けた警備員風の衣装に変更するから大丈夫だって」

「あー、サイズさえあれば似た市販のでいけるやつか」


「そーまぁシャツ着れる分、寒くないよね、多分、そこは良かったよね」

「ハーネスってことはベルトはつくんだね」

「そう、Hベルトは外せないんだよ」



 ミユちゃんはキャハハと笑った。



「あ、レイドお疲れ様、沢山素材は狩れた?」

「うん、あと、課金カードありがとね! 今度御礼するから」

「いいよ、そんなの」



 君が側にいてくれるだけで俺は満足。



「ダメだよ、私ばかりいい思いしてちゃ」

「俺もいい思いしてるよ。美人とクリスマス過ごせたし」

「もーー。またそんな。とにかく、何か考えるからねー」


 律義だなぁ。


 数日後、「みかんとおせち注文しといた! 私のお金で!」


 と、言われた。なるほど、課金カードの御礼に正月料理を頼んでくれたのか。


「ありがとう」

「さて、私は冬祭りの荷物の準備だわ、差し入れも……」



 差し入れはお菓子などを用意してるんだろうか?

 手にしてるのは薄いブックのようだが。いわゆる同人誌。


「問題は帰りだな、どのくらい買うの?」

「デカめのトートバッグに入るくらいで、肩が抜けない程度に」

「重そうだ、コスプレ売り子が終わったら俺が持つよ」

「いいのよ! どうせ宅配で送るし、大丈夫!」


「ところで、薄い本を差し入れにするの?」


 話しを戻して手にした同人誌を見ながら俺がそんな疑問をぶつけると、


「これは大好きな同人作家さんの本に感想つき付箋を付けたもので、これが渡すやつ」


 と、返ってきた。それ、作家さんが凄く喜ぶヤツらしいな! 好きなコマにここの表情好き!とか、このシーンエモい!とか、付箋に書き込んでくっつけておくやつ。


「喜ばれると思うけど、それを渡すと自分の本が無くならない?」

「2冊あるから大丈夫!」


 ミユちゃんは当然だと言わんばかりに胸を張った。でかい。


「流石だ、宝の地図も万全か?」


 この場合の宝の地図とは目当てのサークルがどこに配置されているか記したリストの事だ。



「もちろん! 楽しみー!!」


 ミユちゃんが楽しそうなので、俺も嬉しい。





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― 新着の感想 ―
オタクの世界を垣間見ています。コスプレも大変なんですね。結構、手作りしているんですよね。こうしたイベント、、日本もそうですが、海外も盛り上がっているそうです!まぁある意味、日本の文化ですからね!
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