08. 杖にこだわりを。
2人は無事ダンジョン実習を終え、次の授業準備をしていた。
「そういや、ゲヴァルトの弟がいるんだっけ。」
「うん、ジークっていう──」
2人は、ゲヴァルトに似てる、兄弟らしき人を見つける。
「「あれだな。」」
2人はジークらしき人物に近づく。
フローラルは尋ねる。
「ねえ、君かなジーク。」
ジークは戸惑う。
「ぇ。」
「ぇ、あ!ち違った?かな。ごごめん!じゃあネ。」
実はフローラルは初対面に弱い。
ジークは戸惑った顔をする。
「い、いや、俺はジークだよ。でも、急にどうした?お前らは確か、フローラ、マヨーナか?」
代わりにマヨーナが話す。
「ぁ、そうだよ。」
フローラルはまた話始める。
「君の兄、ゲヴァルトに頼まれてね。」
「ぁあ、兄貴に…。」
「ん、どうしたの。私たちといれば、まず心配することはないよ。」
「ぃ、いや、確かフローラ、おまえ数学の時気絶してただろ。」
「あははは…、まぁよろしく。」
マヨーナはそう言って教材を持って、準備する。
フローラルも教材を持つ。
「次、移動教室でしょ、ジークも一緒に行こ。」
「ああぁ。行こう。」
3人で教室を出て、次の教室に向かった。
「えぇと、次は技術科だよな?」
ジークは会話に慣れないような口調だった。
「そうだね。確か、魔法の杖作り?だっけ。」
フローラルは見るからにワクワクそうだった。
2人は違った。
「ぇえ、でも今の杖気に入ってるけどな…。」
「俺も。昔から使ってるから愛着あるんだけど。」
フローラルは分かってないな…っていう顔をする。
「あのね、魔法の杖ってものは、どのような仕組みになっているのかを理解するだけでも、十分身のためになるんだよ。」
「まぁ、そうだね。」
「やる甲斐はあるな。」
『3時間目 技術科』
年老いた先生が説明する。
「今日は魔法の杖を1人一本作ってもらう。」
「魔法の杖は、持ち主との相性によって繰り出せる魔法の強さが変わる。」
「なので、今日はしっかりと素材を厳選して魔力を込めて作って欲しい。」
ジークはあくびをする。
「さっきのダンジョン実習の疲れがくるぜ…。」
マヨーナも眠そうだ。
「たしかにぃ…。」
フローラルが2人を起こそうとする。
「ちょっと、2人とも、今寝てしまうと勿体ないよ。」
「「はぁい。」」
フローラルは張り切りながら2人に説明する。
「さて、まずは軸となる形からだね。」
机に並べられているのは、さまざまな型。
「ここに溶かした素材を入れて固めるんだ。素材が木材の場合はまた別に用意されてる。」
「へぇ。じゃあ、俺はこの型にしようかな。」
ジークは等身大に近い、魔法の杖でいう大きい方の型にした。
「私は素材を木材にしたいから、こっちのこれにしようかな。」
マヨーナは手のひらサイズより少し大きい杖を選んだ。
「いいじゃん。じゃあ、私はいつも小さいやつ使ってるから──。」
フローラルはジークと同じ大きい方の上の方を選んだ。
3人は次のゾーンに移る。
「次は素材だね。私とジークは型だから選ばなくちゃ。」
「じゃあ、俺はこの頑丈そうな金属、アイロンにするわ。」
「ぉ、いいね。私は黒曜石の類の魔鋼石にしよ。」
「なんか強そうだな。」
「そうだね。人々が魔法が使えるようになってから出現した素材は一層、頑丈だったりするんだ。ジークが選んだアイロンもその一種。」
「さ、マヨーナが待ってるよ。次は装飾だ。」
つづく…




