05. 相性なんか、関係ない。
フローラルとマヨーナは、さっきより大きな、2つ目の空間に出てきた。
そこは、最初の他2つの道と繋がっていたようだ。
「なにか、見たことあるような姿が…あっ。」
そう、さっきの金髪でイカつい奴がいたのだ。さすが、ここまで来れたとは…弱くはないということは分かる。
金髪の男は彼女らに気づく。
「おっ、さっき、なんか突っかかってきた奴じゃなぁか。」
「よぉーし、マヨーナ。先を急ぐよ。」
おい、今度こそ何されるか分からないぞ。
「ちょ、おい!待ちやがれ!!」
ほら言わんこっちゃない。
「はぁ…要件だけ言って。こっちは急いでるのだから。」
「ちょっ、フローラっ」
もうマヨーナを困らすなよ。
「あん、もう良い、俺と勝負しろ。まずお前だ青髪。」
「え、わ、私!?そ、そんな…。」マヨーナが…なんてことだ。
「は?マヨーナは関係ないでしょ。」そうだ。すべておまえが悪い。
「あん、魔法じゃなく、拳でやっても良いのかぁ?」完全に舐められている。
どうする。フローラル。
「はぁ…分かった、マヨーナ行っておいで。」なっ…。
「はっはーん!そうこなくっちゃなぁ!」金髪は本当にやる気だ。
「え!?そ、そんなぁ!」可哀想だ。マヨーナ。
「一応、私筋肉痛なんだよぉ…?」
(ここで、私がやってしまうと、どうなるか分からないから…ごめんっ。)
「大丈夫。マヨーナなら行ける…!」
「まぁ、まともにやり合ったら、絶対俺が勝つからー」
金髪の男は首にかけていた、エメラルドのような宝石の着いたネックレスを指す。
「3分以内に、この必勝の証、『エルドル』を奪えばおまえの勝ちでいい。」
「もちろん、奪えなかったら、次は桃髪、おまえだ。」そう言ってフローラルを指差す。
「ぅーん。」フローラルは珍しく困った顔をしている。
金髪の男とマヨーナは位置につく。
「言い忘れていたがぁ、俺の名前はゲヴァルト。」
「よ、よろしく。私はマヨーナ。」
フローラルが合図を出す。
「よーい、はじめ。」
2人は地面を蹴り跳ね、魔法を繰り出す。
マヨーナ
「『零度氷霧』!!」
ゲヴァルト
「『爆炎蓮乱』!!!」
『ドオオォォォオンッ!』
あたり一体を凍らすような霧がゲヴァルトを襲う。
それと同時に、ゲヴァルトの燃え盛る炎の塊がマヨーナを包む。
「っ、空気よ、固まれ!」マヨーナは防御する。
煙で視界が妨げられる。
「駄目だ!炎と氷は相性が悪い…!」
(さらには、筋肉痛で魔力に制限が出ているのに…。)
マヨーナは焦っている。
「ぁあ?なんか手が悴んだぐらいだけど?」
煽っているゲヴァルト。
フローラルは冷や汗をかく。
「最悪のコンディションだ。」
1分経過。残り2分。
「くっ…。『冷塊瞬突』!」
尖った氷が次々とゲヴァルトを狙う。
ゲヴァルトは、避けながら炎魔法で破壊していく。
「ははっ、そんなもんか!?」
「こんなん、技一つで持ち堪えられる!!」
「『爆炎蓮乱』!」
調子に乗って、油断している。
『ボォォォォァア!!』
「うわぁ、!」
マヨーナは直撃してしまった…!
耐えようとしたが、その場で倒れ込んでしまう。
「くっ…。」
「あらら、もう終わりかぁ?」
ゲヴァルトはその場であぐらをかく。
フローラルもどうすればいいか分からない。
2分経過。残り1分。
「…『封束爆寒』。」
「んぁ?」
すると、ゲヴァルトの周りに氷の大きな魔法陣ができる。
マヨーナはカウントダウンをする。
「3!」
フローラルは呟く。
「いくら相性が悪かろうと。」
「2!!」
「いくら、状況が悪化しようと。」
「1!!!」
「関係ない。」
その瞬間、空気が凍り、ゲヴァルトは氷の壁に閉じ込められる。
「な、なんだっ!?」
座っていたゲヴァルトは焦って体勢をとる。
「残念。もう遅いよ!」
すると、ゲヴァルトを囲む氷は大爆発した。
『ドシャァォォオンッ』
「なぁぁぁぁ!!!」
フローラルは全てを見切っていたかのように話す。
「ゲヴァルト。油断するということは、相手に隙を与えるということだっ。」
ゲヴァルトは倒れ込む。
「く、くそぉ。」バタン。
「はぁ、はぁ、はぁ…。」
マヨーナはやり切った顔をしている。
「残り10秒だよっ。早く奪っちゃいな!」
安堵したフローラル。
「そ、そうだったっ。」
必勝の証のエルドルを手に取る。
「勝者、マヨーナァァァ!!!」
フローラルは嬉しそうに言う。
「よ、良かったぁ。」
「よく頑張った。それでこそ私の親友だね。」
「えへへ、まぁ、途中危なかったけどね。」
なんとか、ゲヴァルトから仕掛けられた戦いに勝つことができたマヨーナ。
ダンジョン攻略、忘れてないといいが。




