35. 何度でも。
ちょっと遅れてしまいました!本当にすみません!!
レーラは手を強く握りしめる。
「私は…レーラ先生だ!!」
「これからもっと、生徒に魔法の良さを教えなければいけないんだ!!」
「ふっ、そうだな。魔法の良さねぇ…。」
レーラは再びグランドリフトに立ち向かい拳を振りかざす。
「おっとっ!」
しかし、その拳はグランドリフトに簡単に止められてしまう。
そして、拳を掴まれたまま、振り回され投げられる。
「もう、体力もないのに。よく頑張った!」
グランドリフトはその場を去ろうとする。
「…まだ…これからだ!」
レーラは何度でも立ち上がる。
その頃、フローラルたちは。
「はぁ!はぁ!」
マヨーナは今にも倒れそうだった。
「もう警察や救急には連絡行ってるみたいだねっ!」
フローラルも『魔導解析』を使った影響もあり、体力限界。
「うん。もうここまで来たら大丈夫でしょ。休もう。」
「…うんっ。」
「はあぁぁぁ!」
2人は壁にもたれて休憩する。
「…いきなり、色々起こったから、博物館楽しめなかったな…。」
フローラルはがっかりする。
「まぁね。でも、なんか良かった。」
マヨーナは微笑んでる。
フローラルは不思議に思う。
「なんで?」
「なんかだよ。なんか。」
(ほっとした。)
マヨーナはフローラルにガツンと言おうと思っていた気持ちは消え、なぜか安心した気持ちがあった。
「なんだそれ。」
「あ、でも、あの怖い男になんも対抗できなかったのが悔しかったなー!」
マヨーナは話を逸らす。
「ん?まぁ確かにね。公共の場だし。許可が降りないとこっちは無力だ。」
「あの男…、ただの悪者じゃなさそうだね。」
マヨーナは不安げにいう。
「うん。あいつを捕まえるのは結構きついと思うよ。」
「レーラ先生…。」
「大丈夫かな…?」
2人は気づかなかったが、マヨーナの首にかけている必勝の証、エルドルは、なぜか緑色に綺麗に発光していた。
「しつこいなっ!」
レーラは顔に一発、殴られてしまう。
「ぐっ!!」
レーラはそれでも動き続けた。
(警察が来るまで、援軍が来るまでは…!)と。
しかし、体力も筋肉も、もうすでにない彼には無理があった。
レーラはグランドリフトの足を掴む。
「やめとけ!死ぬぞっ!」
グランドリフトは足を振り回す。
レーラはそれでもしがみつく。
ボロボロになった姿でレーラは掠れた声で言う。
「ここで…諦め…てどうす…る…!!」
「ちっ!」
(順風耳の魔法!!)
魔法を発動した瞬間、彼の耳に、より繊細な音や遠くの音が聞こえてくる。
『ウゥゥゥゥゥ──!!!』
警察のサイレンだ。
(もう警察が近いか…!早く逃げないと。)
「ふんっ!!!」
グランドリフトは足を思いっきり振ってレーラを振り払った。
レーラはグランドリフトに向かって手を伸ばし続ける。
「グランド…リフトォォ……!!」
「またいつか、会おう。レーラっ。」
そう言って、グランドリフトはその場を去った。
「ま、待てぇええぇ…!!」
レーラは寝そべりながらそう叫んだ。
すると、警察や救急車のサイレンの音が近づいてくる。
「遅いよ…!」
レーラは仰向けになって目を瞑った。
「レーラ先生!大丈夫ですか!?」
レーラは救急車まで運ばれて行くのをフローラルやマヨーナ、ジークやゼクトが気づく。
レーラ、意識が曖昧ななか、返事する。
「ぁ…ああ。」
「逃げられた…。」
フローラルたちは汗を垂れ流す。
「……。」
「あいつの…名前は…グランドリフト…。」
「大悪党魔法使いを目指してるらしい…。」
レーラは声を振り絞ってそう言った。
そして、無理にでも笑顔でいた。
おそらく、生徒に心配してほしくないからだろう。
「「「先生…!」」」
みんな、泣きそうになっていた。
が、フローラルは考え込んでいた。
(グランドリフトか…。多分あいつ、私と同じ自作魔法を使ってたな。)
(大悪党魔法使い…あんまり、ほっといてはいけないやつな。)
そうフローラルは心配そうに救急車を見つめながらも、頭の中では別のことを考えていた。
そんなフローラルの姿を見て、レーラはまた微笑んだ。
「ま…先生のことは気にせず、残りの校外学習も…楽しんでネ……!」
と、また目を瞑って黙ってしまった。
そして、救急車の中に運ばれていった。
「「「……!」」」
「「「いや、楽しめるかぁ!!!」」」
マヨーナは少し涙を流しながらツッコむ。
「あんな風に言われたら、なんか楽しみにくいよっ!」
「それなぁ!」
ジークも泣きながら言う。
「レーラ先生、生きて帰れると良いなぁ…!」
ゼクトも涙を袖で拭く。
「よぉし!グッズ売り場行くぞ〜!」
フローラルは少し無理やり笑顔を作る。
マヨーナはまたツッコむ。
「フローラはフローラでどうなの、それ!」




