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大魔法使いフローラルの遅刻記録。  作者: 炭酸水。
神代市校外学習編
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33/35

32. 助けて

そして、神池かみのいけ神社を出て、次のところへバスで向かって行った。


マヨーナはフローラルに聞く。

「次ってなんだっけ?」


「えぇと。たしか博物館だったはずだよ。」


「ぇえ!どんな博物館なんだろぉ?」


「さぁね。行ってからのお楽しみだね。」


(博物館には、なにも魔法記伝はなかったはず。)

(でも、グッズのところに、私の好きなものがあるとだけ聞いた!)


フローラルは笑顔で楽しみにしていた。


「ここからは歩きになるからねっ。」

レーラはそう言って、クラスのみんなはバスを降りていく。


(そういや、ジーク。あれなんだったんだろ。私を観察してる…?)


「ぃや、気持ち悪っ!」


マヨーナはまた食いついてくる。

「なにが?なにが?今度は何?」


「な…何もない…。」

フローラルは隠し通そうとする。


「も、もしかして…。」

マヨーナは分かった様子で話す。


フローラルは汗を流し息を呑む。


「バスで酔っちゃった?」


そしてフローラルは安堵し少し微笑む。

(さすが、マヨーナ!バレずに済んだ…!)


そのフローラルの表情を見てマヨーナは不思議に思う。

「あれ?しんどくないの?じゃあ、ほんとになんなの…?」


「なんでもなぁい!なんでもないから!」

少し、怒った口調でそう言って、フローラルは先へ進む。


「ちょ、ちょっと!!」

マヨーナはフローラルを追いかける。

(私、別に心配しただけなのに!!なんで!?)



「さぁ着いた着いた!さぁ今から1時間。自由行動ねっ。」

レーラは笑顔でそう生徒に合図を出す。


「さぁ!マヨーナ!行こう!!!」


マヨーナはフローラルの圧を少し感じながらも、一緒に進んでいく。



そんななか、黒い服を着た人が、入っていく生徒たちをこっそり見ていた。

そして、マスクの下は満面の笑みで少し、恐ろしかった。

「ふふっ!!」



マヨーナは下を見て考えながら、フローラルと共に歩いていく。


(はぁ。そもそもなんで、私がフローラに振り回されないといけないの!?)

(フローラルがきっぱり私に言ったように、私もガツンと言ってやらなきゃっ!)


そう思い、マヨーナは顔を上げてフローラルに向かって言おうとする。


「フローラァ!!……。」


「…ってあれ。」


「おかしいな。フローラと一緒にいたはずなのに。」

「まさか、逸れちゃった!?」


(はぁ。せっかく勇気出して言おうとしたのに。)


マヨーナは暗い顔をしてまた先へ進んでいく。


(まず、これって私が探さなきゃいけないの?)

(これってまた、フローラルに振り回されてない?)


(いや、ここは親友として探すべきだよね…?)


マヨーナはあたりの様子に違和感を抱く。


(あれ……?そういや、なんで誰もいないの?)


マヨーナはそう少しゆっくり歩いていると。

後ろから誰かの気配を感じる。


「フローラ?」


「!?」


後ろから誰か分からない、男の大人がマヨーナを一瞬で捕まえ、マヨーナの口を押さえる。

さっきマヨーナが言っていた通り、あたりは他の生徒や一般の人、スタッフは見渡す限り全くいない。


「…たっ…すけ…て…!」

掠れた小声でマヨーナは助けを求める。


(魔法は使えない…!)

(使えたとしても、ここは公共の場だし。戦闘系の魔法は使えない!)


「ははっ。抗っても無駄だ。残念ながらお前は、」


「俺に魔力を奪われる運命になった。」


マヨーナは冷や汗をかく。

恐怖を感じる。


(この無力感。そしてこの圧倒される圧力。)

(私は、この人に勝てる気が全くしない…!)


(誰か…助けて…!!)


この謎の男はマヨーナの頭を掴む。

そして呟く。

「『魔導奪取』。」


「や…め…でぇ……!」


マヨーナは泣きながらそう呟く。


頭が光り、魔素のようなものが飛び散ろうとしたその瞬間。


「とりゃぁ!!」


すると、男は何者かに殴られる。

それと同時にマヨーナを掴んでいた力が緩む。


「さぁ。今だ、マヨーナ!!逃げろ!」


「そ、その声はフローラ!!どこにいるの!」


「とにかく!距離を取るんだ!!」


マヨーナは無理やり男から離れる。


男は戸惑う。


「どこだ?どこだ?今俺を殴ったやつは!?」


「マヨーナは早く逃げるんだ!さぁ早く!」

フローラルはそうマヨーナに向かって叫ぶ。


マヨーナは逃げずにその場で立ちすくんでいる。

(い、いやここで逃げちゃフローラが…!)


男はその声で居場所がバレる。


「そこかぁ!!!」


「グハァ!!!」

フローラルはうっすらと姿を現す。


「まさか、透明化の魔法を使っていたとはな!!」


フローラルは怒っている。

「こいつぅ!!」

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