31. おみくじ
フローラルとマヨーナ。そしてゼクトと一緒にいるジークは、3人ともバスでの移動中、ずっと寝ていた。
「グゥ…グゥ…。」
「むにゃむにゃ……。」
レーラの声が前の方から聞こえてくる。
「皆さんっ。まずは、一つ目の場所。神池神社、着いたよっー。」
ジークはレーラの声で目が覚める。
「もう神代市に入ってたのか。あっという間だな。」
ゼクトは「おはよ!」微笑む。
「確か、この神社、1000年以上前に建てられたらしいで。」
「へぇ…。」
バスから次々に下車していく。
フローラルはあたりを見渡す。
(まず、最初はここ、神池神社。)
(ここは、ほぼ魔法に関係がない。)
(関係がないからこそ、この魔法が当たり前の時代に訪れるべき場所なんだろうな…。)
「それにしても、ここ思ったより広いね…!」
マヨーナは目を麗しい景色に輝かしていた。
「そうだね。ここは山奥にあるからね。景色も綺麗だよね。」
レーラは案内していく。
「ここでは、クラスで固まって見ていくからねー。」
「迷子にならないように。」
鳥居を潜って、奥へと進んでいく。
「ここ、結構有名だよね。」
「うん。魔法が生まれる前からある建物だからね。」
「すごいなぁ。魔法がない世界。想像できないや。」
「それは私もすごく思う。そんな時代に生まれてたら、」
フローラルは嫌そうな顔をする。
「私死んじゃうかも。」
「そんなに!?」
「まぁ、でも確かにね。今って魔法に頼ってることも多いしね…。」
クラスの先頭にいるレーラが説明をする。
「改めて説明するよ。ここは神池神社。かつてあの大魔法使いリヒトも訪れたことがあるらしい、素晴らしい場所だよっ。」
「また大魔法使いリヒトの話…。」
「まぁでも、そうなると結構興味湧いてきたな。」
フローラルは口角を少し上げてそう言った。
そうして、フローラルたちは本殿やお守りを見て周ったあと。
少しの時間、休憩を兼ねた自由行動となった。
「そういや、ジークってゼクトと一緒に周ってたのかな?」
「うん。多分そうだよ。2人は馬が合ってるように見えたし!」
「ふぅーん。」
(さっきから、なにか視線を感じるな…。)
(なんだ?ぁ、もしかして第六監視官か…!?)
フローラルはとっさにあたりを見渡す。
マヨーナは首を傾げて言う。
「ど、どうしたの?なにか探してるの?」
「いぃや。」
「ぁ。」
フローラルは少し離れた場所にジークがいた。
それでフローラルと目が合ったジークは慌てて目を逸らす。
フローラルはジークを少し怪しげに思う。
(って。なんだジークか。なんで私たちを見てるんだ?)
(もしかして、実はこっちと居たいとか?)
(いや、違う。私を見てたな…。)
(今は神社だしな。)
「ま、いっか。」
と思わず声に出してしまうフローラル。
「なにがなにが??」
そして、それに食いついてくるマヨーナ。
「な、なんでもないよっ。さ、おみくじ引こうや!」
フローラルは小走りでおみくじのところへ行く。
「もお!フローラルってよくそういうとこあるよねっ!」
フローラルはワクワクしながら手を箱に入れる。
「さ、何が出るかな、何が出るかな??」
「あんまり、おみくじでそんなこと言わないよ?」
「はっ!」とフローラルは一枚くじを取る。
「さ、マヨーナも早くっ。」
「ぁ、うん。」
マヨーナもおみくじを引く。
まるで、年老いた声で言う。
「よっこらせっと。」
フローラルはツッコむ。
「おばあちゃん?」
「じゃ、同時に見るよ?」
フローラルは自分のおみくじを見つめる。
(これは最後の図書館の作戦成功にも関わってくる…!!)
(いでよ、特大吉!!)
「せーの!!?」
「私、中吉だぁ。」
マヨーナは中吉。
フローラルは…。
「だ、だ…だ…ダダダッ!」
「もしかして!大吉!?」
「大凶だあぁぁぁぁあ!!!?!!?!」
フローラルは瞳から大量の涙を流す。
マヨーナはそれを慰めようとする。
「あぁあ。まぁでもしょうがないよ。あくまでもおみくじだから…。」
「だまれぇえぇ!!」
「ぇええぇ?!?」
なぜかマヨーナはマヨーナで、なんか可哀想になってしまったのであった。




