17. 魔法やってると、
「ほんとにあいつ何者なんだ?」
フローラルとマヨーナは昼食をとりに食堂に来ていた。
ジークはと言うと、学校の魔法練習場で練習している。
「それ、何読んでるの?」
「魔導書だよ。今なんの魔法が載ってあるか、確かめてるんだ。」
フローラルは魔導書を読みながら、親子丼を食べていた。
マヨーナは醤油ラーメンを食べていた。
「ていうか、放課後にレーラ先生と勝負って…。なんかこう…。」
マヨーナは腕を組み顔を下にする。
「なんか、怖いとか?、そういうのはないよ。」
マヨーナは目を光らせて言う。
「いや、なんか、青春って感じだなぁって!」
「どこが!?」
「ただただ、めんどくさぁい。って思ってるだけだよ?」
「そっかぁ〜。」
「ま、それもまた青春だねぇ。」
「いや、だから青春の要素どこにあるの!?」
「ここの醤油ラーメン、まぁまぁだな…。」
「…。」
一旦お箸を置く。
「あっ!この魔導書の魔法分かった!」
「え!なになに?」
フローラルは目を光らせ誇らしげに言う。
「テレポートの魔法!!」
「え!強くない!?めっちゃ便利じゃん!」
マヨーナも目を光らせる。
「ふふっ!良いでしょう。まぁでも、」
「ん?どうしたの?これから移動がずっと楽になるんだよ!」
「これ、移動できる範囲、10メートルなんだよね…。」
「ガクッ!!」
「いやぁ、まぁでも、それでも戦闘とかで役立ちそうじゃない?」
「あと、一回使うと、次使えるの明日なんだよね。」
「クールタイム24時間!?」
「ま、まぁ、マホーで買ったやつだしな。しょうがないや。」
「って!もしかして、あの時夜遅くに買ったやつ?!」
「うん、そうだよ!6冊買ったから。まだ読み切れてなかったんだ。」
「まぁ、でもこれで最後の魔導書。全部読み切ったよ。」
「の、残りの5冊はどんな魔法だったの?」
「ん?確か、一時的に物に自我を持たせる魔法と、」
「透明になれる魔法。」
「触れたもの、全てを食べれる魔法。」
「どんな動物を飼い慣らす魔法。」
「一時的に頭が良くなる魔法だね。」
「まぁ、どれも発動条件が厳しかったり、性能が弱いやつばっかりなんだけどね。」
「唯一、実用性があって、安全に使えるのは──」
マヨーナは目を瞑り考える。
「ん〜、どんな動物を飼い慣らす魔法?他のやつ、なんか危なそうだし。」
「っていうか、なんかどれも考えると危なそうだな…。」
フローラルは「おそらくだけど…。」と呟く。
「触れたもの、全てを食べれる魔法かなぁ〜。」
「え!?一番予想外かも!?」
「まぁ私も頭が良くなる魔法でテスト無双したかったけど、私の頭じゃパンクしちゃうみたい。」
「使えたとしても、ダメだよ!?使っちゃ!」
「っていう感じかなぁ。あんまり役立たなさそうなんだよな…。」
「まぁ良いんじゃない?」
「ん、なんで?」
「なんか、そうやってフローラが楽しそうに魔法やってると、」
「こっちも楽しくなってくるんだよねっ。」
「だから!」マヨーナは笑顔でそう答えた。
「はぁっ。」となにか気付かされたようなフローラル。
フローラルは微笑んだ。
「それは良かったっ。」
放課後…。
「それじゃ、今日は俺ら予定あるから!」
「フローラ、頑張ってきて!!」
「うん。頑張ってくる。」
ジークとマヨーナは予定があって下校するとのこと。
まぁ、フローラルにとっては都合が良い。
フローラルはグラウンドへ向かう。
『ザザザザザァーッ』
フローラルが下足ロッカーから出ると、突然雨が降り出した。
それも大雨だ。
「こりゃ結構な雨だなぁ、どうするんだろう。今日は中止かな。」
背後からレーラがやってくる。
「いいや、体育館でする。」
「あっ、」フローラルはレーラに気づき、振り返る。
「ははっ、まぁ、緊張するなってっ。ついてこい。」
「!」(授業のときとは様子が違う!)
フローラルは警戒する。
フローラルが後ろについてくるなか、
レーラはとても険しい顔ながら微笑んでいる。
(おまえ、フローラは俺がここで潰してみせるっ。)
(この第七監視官がっ。)




