壱〜弐
……。
とりあえず着替えてたほうがいいか。
着替えは…あった。
枕のすぐ近くにきれいに畳まれておいてある。
剣道の胴着と同じ感じなので楽に着れるな。
ところが、私は着替えている途中で絶句した。
何か違和感があるとはずっと思っていた。
しかしこんな…こんな…男になっているなんて!!!
私は悪い夢でも見ているのだろうか。もし夢なら覚めてくれ。
ぎゅっと頬をつねるとじーんと痛い。
夢じゃない。
落ち着け、落ち着くんだ。
まず整理をしてみよう。
1 私は事故にあった。
2 何故か見慣れないところにいる。
3 紫乃がいる。
4 私は紫乃に敬語で様付けしているらしい
5 私は男である
…もしかしてトリップをして、誰かと入れ替わってしまったのかもしれない。
でもそんな事小説や漫画じゃあるまいし…
でも、それなら有り得ない話だが、私が男になっているのも紫乃への敬語も説明が付く。
情報が少ないからまだなんとも言えないが。
そうだ着替えて行かなければならないんだった。
ふと思い出して急いで着替える。
布団と着ていた寝間着を畳んで押し入れにしまうと私は部屋を出た。
…来いと言われてたもののどこに行けばいいんだ?
「明遅いね」
少し遠いが、確かに紫乃の声がした。
私は声のした部屋へと向かう。
ここか?
部屋の前に立つと何人かの話し声がする。
多分ここだな。
「失礼します」
一声かけて襖を開ける。
「遅いぞ、明」
これもどこかで聞いた事のある声。
……真?




