壱〜参
紫乃の横には私の友人、久保田真…にそっくりな男がいた。
「すいません真様」
とりあえず様付けで謝り、頭を下げる。
紫乃に続き真までいるなんて…一体どうなっているんだ。
「いーじゃん真。明はいつも早起きだし、たまにはこういう日もあるよ」
「まぁ、紫乃がそう言うなら」
紫乃の一言で真は渋々ながら静かになる。
二人は恋人同士か何かか?
「ほら、明も立ってないで座りなよ」
紫乃は自分の横の座布団をぱんぱんと叩く。
食事の席ではしたない。
だからと言って下手に発言もできないので静かに紫乃の横に座る。
すると、紫乃の前にいた男が口を開く。
「皆も知っているが、我が友、久保田直の息子。真君と紫乃の婚約が正式に決まり、昨夜は真君に家に泊まってもらった。まぁこれは私達親が決めた事だが、二人は幼馴染みという事もあるし、明るい家庭を作って欲しい。さて、話しはここまでにして朝食にしよう」
みんなで
「いただきます」
と言い朝食を食べ始める。
やはり二人は婚約関係か。それも幼馴染み。
親が仲がいいからなんてよくある話しだ。
にしても…なんだこの朝食の量は。
裕福な家だな。貴族かなんかか?
朝食をあまり食べない私にとってはかなり無理な量だ。
仕方ない。
目が覚めてから妥協ばかりしてる気がするが、とにかく私は無理矢理朝食を食べる。
が、やはり半分程は限界のために残してしまう結果となった。
「ごちそうさまでした」
食器を片付けようと立ち上がろうとすると、それを紫乃の手が征す。
「片付けなくていいよ。そんなの侍女がやるから。それより休んだほうがいいよ?具合悪そうだし」
「すいません。お言葉に甘えさせていただきます。失礼します」
私は具合が悪そうに立ち上がり、部屋を出た。




