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俺がラスボス?  作者: いぬちく


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93 ノーム

「つまりこちらの女の子の役割を果たすことだけどが、貴方の望みだと。魔王の因子を持ったのも偶然で、この世界に災いをもたらすつもりはないと」


こちらの話を聞いたノームが答えてくれる。


「そうだ。もちろん魔王の因子を持っていることは事実だから、それを災いと言われるなら否定はできないが…」


実際は【世界を滅ぼすモノ】なわけで。

確実に災いをもたらすものなんだけどな。

魔王の因子だけで話をすれば嘘は…ついてないと思う。


「魔王の魂はユウキ様はお持ちではないです。話をした通りミナトと言う男が持っています。その者は世界を滅ぼすつもりでしょう。ユウキ様は因子を持ってはいますが、魔王になる意思はありませんよ」


俺の役割も知っているアクアがフォローをしてくれる。

しかし魔王ってのはなろうと思ってなれるものなのか?アクアの言い方だとそうとも捉えられるんだよな。


「うーん。確かに魔力は禍々しいけど、話をしてて悪い印象はないね」

アクアの話を聞きノームが少し悩む感じになる。


「ノームよ。ハルちゃんについては女神の力を持つ可能性がある子だ。そしてお主と契約すれば精霊王へ会うことになる。仮にユウキ殿が魔王だったとしても…」

「すぐ側に封印できる者がいるってことですね。確かにそれなら何かあってもすぐに対応する事ができるか」

「うむ。そうであろう?」


続けたマリクさんの言葉にノームが更に悩む素振りを見せる。


「…わかりました。ではハルさん?契約しようか」

「うん。…ユウキは本当に悪い人じゃないからね?」


うーん。ノームもハルも納得してない感じがするな。

なんかそれでいいのかな?って思っちゃうな。


「ノーム。上手く言えないんだが、何か信頼をしてもらえるものはないか?契約してもらうにも今のお互いモヤモヤしてる状態ってのは…良くない感じがする」


「…それはそうだね。見たところハルさんはイフリート、シルフそしてマリク様から精霊石を受け取ってるんだよね?…今のままでは僕は渡せない。契約をしても形式上になってしまうね」


やはり納得できてないようだな。


「何をしたら信頼して貰えるかわからないが、何かあるか?」

「そうだね…。さっきの話では君達は魔王の魂を持っているミナトと言う男と戦うつもりなんだよね?」

「あぁ。あいつが俺達を狙ってくるだろうし、ハルの役割的にも放置することはないだろうな」


俺の言葉にノームはしばし考える素振りを見せ…


「わかった。じゃあ君…ユウキだっけ?ユウキがエルフの信頼を得ることができれば僕も君のことを信じよう」

「エルフの信頼?」

「うん。彼等は基本的に外部の人間を信じることがない。それは善悪関係なくだ。そんな彼らの信頼を得ることができるのならば、君は善悪関係なく信頼できる人間だということかなって」


なるほどな。例え魔王の因子を持っていようと信頼できるなら信頼すると。


「わかった。何をどうすれば良いのかわからないが、それでノームが信頼してくれるのであればそれが1番だ」

「理解してくれてありがとう。まぁ全て丸投げするのも申し訳ないからね…そうだな…エルフにはノームからエルフの困り事を解決するように言わられたと言っても構わないよ」


ノームが助け舟を出してくれる。

でもそれだと…


「気持ちは嬉しいがそれだとエルフの信頼を得れない可能性があると思うんだ。ノームの頼みだから…って。何とか俺自身の力で頑張ってみるよ」


「そう?…確かにそうかもね。うん。君は悪い人では無さそうだね。とは言え約束は約束だよ」


「あぁ。じゃあエルフの里へ戻ろう」


ノームに一旦の別れを告げエルフの里へと引き返す。

しかしエルフの信頼か。長は敵対するつもりは無いと言っていたが、あれは協力的と言うより関わらないってのがしっくりくるんだよなぁ。


「ユウキどうするの?」


エルフの里へ向かいながらハルが聞いてくる。


「んー。どうするかな。とりあえずお困りの事はありませんか?かな?まぁいきなりなんだお前ってなるよなぁ」


急にそんなことを言っても胡散臭いよな。詐欺師っぽい。


「ユウキは既に人の街は2つ救っているからな。私としては信頼とか最早そんな話でも無いんだがな。だが恥ずかしながらエルフは頭が硬い。私からも話はさせてもらうが…」


ジュリアさんが申し訳なさそうな表情をしている。


「ジュリアさんは悪くないからな。エルフが頭硬いのもエルフが悪い訳じゃないだろ?そういう歴史が何かあるって事じゃないのか?」


「かなり昔にな、人がエルフの魔力に目をつけて実験台にしたって過去があるんだ。今ほど来訪者も居なかったから魔法を使えるのはエルフの特権みたいな時代だったのさ」


なるほどなぁ。よくあるストーリーだな。

しかしそうなるとなぁ。


どうしたものかと頭を悩ませながら気づけばエルフの里に到着した。


「まずは長に話をしてみるところかな。門前払いされないといいんだが」

「そこは私が上手く間に入ろう」

「ありがとう。助かるよ」


そのままエルフの長の元へ向かう。

長の住まいへ到着した後、ジュリアさんが話をしてくれて中へ通される。


「お早いお戻りですね。ノーム様とは契約できたのですか?」

素っ気ない対応で長からノームの事を聞かれる。


「いえ、実はですね…」


そこからノームと会ってからの話を長にする。

…さてどうなるか。

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