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俺がラスボス?  作者: いぬちく


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91 アメリアさん

「ジュリアさん、もう着いていたんだな」

「あぁ、と言っても私が着いたのも一昨日だがな。アクアとは無事に契約出来たのだな。」


「あぁ。そしてここに土の精霊がいることを聞いてな」

「ふむ。色々気になることがあるんだが…」


ジュリアさんにアクアと契約してからエルフの里に着くまでの話をした。

アクアが理から外れた為、普通の精霊だと話せない事も話してくれる事。船で精霊の力を使って最速で来たこと等。


「なるほどな。アクアはユウキと契約してるのだな。それにしてもエルバからここまで来るのに、3日程とは…。通常の半分ぐらいじゃないか」


「アクアちゃんとシルフちゃんのおかげだね!」

「魔法を使って早めるってことは普通ないのか?」


「精霊と契約してる2人にしかできんよ。普通にやるなら魔力が足りなくなるし、何人もその為に人を雇えば金がいくらかかるか…」


あー。そうか。魔法を使い続けることが出来る精霊だからこそか。そりゃそーだな。考えて見れば2日間休み無しだもんな。


「さて着いたぞ、一旦こちらで長老に会ってくれ。その後土の精霊がいる所へ案内しよう」


そう言ってジュリアさんが建物の扉を開ける。

長老か…。どんな人なんだろうな。

部屋に案内されしばらくすると部屋に訪れる気配を感じる。

…なんだろうこの感じ。


「ユウキ…。なんだろうこれ。魔力かな?凄い強い力を感じるよ」

ハルも感じていたようだ。やはり魔力か。

「あぁ。でも嫌な感じはしないな」


扉が開きその魔力を感じる存在が入ってきた。

金髪の見た目20歳ぐらいの女性だった。


「ようこそエルフの里へ。と言っても人を招き入れるのは、いつ以来でしょうか」

「…っ!」

声を出した瞬間全身から魔力が放たれる感じがした。

思わずハルの前に立ち庇う形になる。


「長老。威圧するのは止めてくれ。この者たちは悪しき者ではない」

ジュリアさんが長老に向けて文句を言ってくれる。


「フフフ。わかっていますよ。これだけ精霊様から認められてるのですから。ただこの方の魔力だけは…魔王の因子をお持ちと聞きましたが、それだけではありませんね?」


…この人どこまで気づいてる?


「ユウキすまない。2人の事を説明するのに魔王の因子の部分は話をさせてもらった」

「あぁ。それは構わないよ。ジュリアさんが必要と思ったんだろ?」


「おや。ジュリアは信頼されているのですね。それで私の問に答えられますか?」

長老から放たれるプレッシャーが強くなる。


んー。どうするかな。ハルもいるから全てを話せないしなぁ。

どうするか考えていると。


「アメリアさん?そこまでにしてもらえますか?ユウキ様が悪しきものでは無いことは私達が保証しているのです。ちょっと禍々しい魔力を持っていてるだけです」


アクアが俺を庇ってくれる。

長老はアメリアさんと言うのか。


ってその禍々しい魔力が問題なんじゃないのか?


「アクア様…。里の長として聞かない訳にもいかないのですが…。まぁ本当に悪しきものであればアクア様とも契約できていませんね」


そのアクアが1度闇堕ちしてるんだけどなぁ。


「アクアは私情も入っているがのぅ。ワシも保証するよ。アメリア殿それではダメかの?」


マリクさんも庇ってくれる。

しかし本当に精霊と共に来て良かったな。

顔こそ笑顔で魔力に嫌な感じはしないけど、

あのプレッシャーはかなりのものだ。


「わかりました。お二人がそこまで言うのでしたら。…それでこの地にいらしたのは?」

「土の精霊に会いに来たんだよ!」

アメリアさんの問にハルが答える。


「お2人は見たところ火、風、水、そして大精霊様と既に契約をされていますね?土の精霊様と契約するという事は…」


「あぁ。魔王を封印できる力を求めている」

「魔王の因子を持つ貴方自身がですか?」


そうなんだよな。そりゃ矛盾してるんだよな。


「違うよ!封印するのはユウキじゃないよ!悪い魔王がいるんだよ!ユウキは良い魔王なんだよ!」


うん。ハル。良い魔王ってなんだろうね?

そもそもその言い方だと俺が既に魔王なんだよ?


「…良い魔王と言うのが私には分かりませんが…」

「あぁそれについては説明しよう。とりあえず俺は魔王ではない」


それからアメリアさんにミナトの事を説明した。

話の流れでハルが女神の光らしき力を使ったこと、それらを調べるためにジュリアさんがエルフの里へ来ていたことも。


「なるほど。…ジュリアが里に戻ってくるなんて何事かと思っていました。200年以上前に飛び出してから一度も戻らなかったのに。余程この方たちの事を気に入ってるのですね?」


「まぁ。そうですね。本人達の前で言われるのは恥ずかしいですが」

ジュリアさんの敬語とか変な感じだな。

しかし、そうか。里から飛び出したのに、俺達の為に戻ってくれたのか。


「ジュリアさんありがとう」

「止めてくれ。私はタリスの借りを返したいだけだ」

ジュリアさんが耳を赤くしながら答える。

エルフのツンデレとか…アリだな。元々めちゃくちゃ美人だからな。絵になるというか。


「ユウキィ…?何か変なこと考えてない?」

おっと。なぜバレた?

「…何も考えてないよ?ジュリアさんに感謝してただけだよ?」

「ふーん?まぁ別にいいけどさー」

「ユウキ様、私はユウキ様が何人に手を出しても構いませんよ?」

アクアがよくわからないアピールをしてくる。

いや出さないから。


「…それで土の精霊に会いに行くことは許可してもらえるんでしょうか?」

話が脱線しそうなので無理矢理戻してみる。


「そうですね…。許可しなかったとしても、居場所がわかる以上会いに行かれるのでしょう?それであれば無駄に揉める必要もないでしょう。ただ一つだけ約束をして頂きたいのです」


「約束?」


「はい。土の精霊様がいらっしゃるのは世界樹の麓です。行くことを止めることはできません。ですが世界樹に害をなす事だけはしないで頂きたいのです」


「わかった。元々こちらもエルフと揉めるつもりもないですから。世界樹をどうこうするつもりももちろんありません」


「それではよろしくお願いいたします。ジュリア。皆様をご案内して差し上げて」


「はい。かしこまりました。皆疲れてないか?世界樹もすぐそこだ。問題なければこのまま向かおう」


「わかった。疲れは問題ないからよろしく頼むよ」


そうして世界樹の元へ出発する。

これで4精霊が揃うことになるのか…。


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