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俺がラスボス?  作者: いぬちく


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87 二人言

翌朝目が覚めるとハルが目の前にいた。

いや一緒に寝たからないるのはわかってるんだけども。本当に目の前だったんですよ。


「ハルさん?顔近くないですか?」

「んー?んふふ。ユウキの寝顔近くで見たくて。ちょうどこっち側向いてたから」


ほんとに目と鼻の先にハルの顔がある。

これキスできちゃうぞ。…できないけど。


「人の寝顔見るのやめましょうね?」

「ユウキだって私の見てたりするんでしょ?お互い様だよー」

「まぁ一緒に寝てるからなぁ。…ほら起きるぞ」


そう言ってベッドから降りる。

支度をして船室から出る。

外にはゼノンが既にいた。


「おーおはようさん。ゆっくり寝れたか?」

「あぁ。アクアのお陰かな。これだけ揺れなきゃ船酔いもないし。快適だったよ」

「はい!ユウキ様にそう言って頂けるなんて…これはもはやプロポーズ!そうですよね!?」


おー。暴走し始めたなぁ。

これはまたハルの奴が…あれ?大人しいな。


「ハル…?」

「んー?なーにー?」

「あ、いやヤケに大人しいなって」


アクアの煽りに毎回怒っていたのだが、

今日はニコニコしてるだけ…。

え?何かあった??


「そんなのがプロポーズなんてね。私はもう指輪貰ってるし?なんなら昨日も一緒に寝て寝顔眺めてたし?」


あ。マウント取れるってわかってただけのようですね。


「く!ズルいですよ!私はまだ数日なんですからね!?」


あー。結局始まるのね…。


「はいはい。2人ともそこまでにしような。…ゼノン、昼ぐらいには到着する予定だったか?」

「あぁ。この感じなら昼になる前に着きそうだな。着いたらまずは施設を目指そう。世界樹の森に行く途中にあるはずだ。」


世界樹の森…通称エルフの森。

ちょうどジュリアさんが向かっているエルフの里もある。

「ジュリアさんもう到着してると思うか?」

「別行動し始めたタイミングを考えればもう着いてておかしくないな。入れ違いになるほどの時間も経ってはいないと思うぞ」


うまく合流出来るといいんだが…

アクアは精霊に好かれてる俺達は問題無いだろうと言ってはいたが…。


「そう言えば竜人族はエルフと交流は無いのか?」

「んー。正直これと言って無いな。俺達は闘気、エルフは魔力ってな。生活の環境も違いすぎるしなぁ。まぁ、ジュリアのように交流があるエルフは居るけどな」


「種族として敵対とかは無いんだよな?」

「あぁそれはない。というよりお互い興味がない種族って感じかな?」


「敵では無いが味方でも無いって感じか?」

「それがしっくり来るな。まぁ例えば魔物が襲ってくるとかあれば協力することはあるかもしれないけどな」


「さぁ。後数時間で到着する予定だ。着いてからはしばらく魔物倒しながら進むからな。休めるうちに休んでおけ」

「向こうの魔物は強いのか?」

「まぁ未開の地だからな。これまでよりは強いと思っておいてくれ。まぁ俺もいるし、そもそもお前らがその辺の魔物に遅れを取るとも思えないけどな」


ゼノンに促されハルと船室へ戻る。

アクアは外で船のコントロールをしてくれるようだ。

何だかんだハルの事を煽ったりするけど協力的なんだよな。


「ユウキと2人きりの旅も暫くないかなぁ」

「どうした急に?」

ハルが船室のベッドに腰掛ける。


「んー。皆でワイワイってのも好きなんだけどね。でもやっぱりユウキと二人でいる時間が幸せだなって」

「…いきなりどうした?いやそう言ってくれるのは嬉しいけど……な。」

「フフッ。……ごめんね。こういうの約束と違うよね。でもね…ユウキが…ううん。何でもない」


おっと。どうした?

その言い方は気になるぞ。


「…どうした?何か言いたいことあるんじゃないのか?」

「…うん。でもきっと聞いちゃいけないんだと思うの」

「ハル…。」


ハルがボフンッとベッドに横になる。


「大丈夫!ユウキが何かを私に隠していたとしても、私はユウキのこと信じるから!何があっても傍にいるから!…例えユウキが…私の事嫌いになったと…しても」


声を詰まらせながら涙声でハルが話す。


「ハル…。隠していることが無いとは…言えない。けどな。俺がハルを嫌いになることだけは無い。何があってもだ」

「…うん。私もだよ。」

「この世界から帰れる日が来たらきっと全てを話せる…と思う。それまで待っててくれ。もちろん最後まで一緒にいるからな」


そう。ハルが帰る日俺は全てを話してラスボスになるだろう。

アクアはの他の方法を…と言っていたが。

俺の役割、魔王の因子。それらを考えれば…な。どちらにせよ元の世界に一緒に戻れることは無いだろう…。


「うん…。泣いちゃってごめんね。ユウキの前では笑っていたいんだけど…」

「俺も笑ってるハルがす…一番だよ」

「あ!今言おうとしたでしょ!」


ハルが起き上がり指摘してくる。

危ねぇ。思わず言っちゃうところだった。


「なんの事だ?」

「今!す!って!」

「ハルの笑顔が素敵だなってな」

「むー!ならなんで言うの止めたのさー!」


ハルが元気になってくれた。

うん。ハルは元気に笑ってくれてるのが一番だな。

出来れば泣かせたくはない。


…アクアが言うように他の手段も…見つかるといいな。

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