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俺がラスボス?  作者: いぬちく


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72 北の森へ向けて

冒険者ギルドでマチスさんと話をし、ギルドを出る。


「じゃあとりあえず宿を取らないとな。」

「うん!どんな宿かなぁ?」


ギルドから近いマンボウ亭にはすぐついた。

しかし、この世界にもマンボウっているのかな?

魔物もいる海でマンボウとか絶対生きていけないだろうに。


「ここだね!…お邪魔しまーす」

ハルと二人で中に入る。


「いらっしゃいませー。お泊まりでよろしいですか?」

「はい。二人で…数日間連泊するかもです」

「かしこまりました。1部屋でよろしいでしょうか?」

「大丈夫でーす!」


もう1部屋に対して何も思わなくなったな。

…いや一緒に寝るのも慣れただけで未だにドキドキしますけどね?


受付で鍵を受け取り部屋へ入る。


「しかし、いつも思うんだけど、この腕輪のお陰で部屋へ、とりあえず入ってもやることないんだよな」

本来であれば部屋に入って荷物置いたりするんだろうけど、腕輪のお陰で基本手ぶらの俺達は特に何もない。


「そーだねー。でも、部屋入る時いつも楽しみだよ?どんな部屋かなぁ。って」

「それはそうなんだけどな」


今回の部屋は普通の部屋だった。

ベッドは2つあり、その他にテーブルと椅子、鏡等。


いやそれが普通なのよ?

ベッドが1つしかないとか、そのベッドがハート型とか。それが普通じゃないのよ?

「そーかー。今度からベッド要りませんって言うのもアリかなぁ?ねえ?ユウキ?」

「毎回あのベッド出すの?そもそも宿屋で何も無い部屋でお願いしますっておかしいでしょ?」

「アハハ。確かに。そーだねぇ。…二人で寝るにはベッドが狭い…いやコレはコレで…」

…なんかハルさんブツブツ言ってるけど聞こえないふりしておくか。


「さてとりあえず街を散策しようか」

「うん!街ブラデートだね!」


2人で宿を出て街に繰り出す。

マチスさんの言う通り港町だけあって、賑やかな街だった。

「ハル…。人が多いからはぐれないようにな?」

そう言って手を差し出す。

「うん!離さないでね?」

ハルが手を握ってくる。

そのセリフはちょっと威力が高いですね。


それからいくつか店を周り買物をして飲食店へ入った。


「珍しい物も色々あったね!」

「あぁそうだな。異世界っぽいのもあったな。この石とかな」

「ね!元の世界で言えばGPS?」

「だな。これで何かあっても安心かな?」

二人で買ったのは2個で1つの石。共鳴石と言われてたものだ。

離れてしまった際に石に魔力を込めると、もう片方の石がどこにあるか、感知できるというもの。

…これって例えばどちらかが元の世界戻ったとしたらどうなるんだろう?


食事をしに店に入る。

夜は酒場になる感じの店だな。

冒険者っぽい人、海の男っぽい人など、それなりに騒がしい繁盛店。

注文した料理が届き腹ごしらえをする。


「さて。午後は北の森までちょっと行ってみようか」

「水の精霊に会いにいくの?」

「いや一旦は湖までは行かなくてもいいかなと思ってるよ」

色々聞いたところ北の森は通称迷いの森とも言われているようだ。森が生きているのか道がその都度変わり目的地に辿り着けないことが多いとか。


「魔物も現れる種類が違うみたいだからな。いきなり無理をせずに少し慣れておくぐらいでいいんじゃないかなと。今は俺達2人しかいないしな」

「そっか。…迷いの森かぁ。渡し方向音痴だからなぁ。…ユウキよろしくね!」


うちの姫様は相も変わらず俺に丸投げ。いやそれだけ信頼してくれてるんだろうけどな。


「期待に添えるよう頑張りますよ。姫様」

「何その姫様ってー?なんかむず痒いよー」

「そうか?プリンセスキャリーとか言われてるし、ハルがお姫様だろ?…さて、行くか」

「はーい!……まぁユウキが王子様なのは否定しないけどね」


なんか聞こえたな。王子?いやキャリーだし、どちらかと言えば従者じゃないかな?そんなことを、言ったら機嫌を損ねそうなのでグッとこらえるが。


2人で街の北門まで来た。

こっち側はあまり人がいないんだな。


「こちらの門から出ても北の森しかないが大丈夫か?」

門番をしていた兵士に声をかけられる。

「あぁ。北の森に用があってな。まぁ今日はちょっと見に行ってくるだけの予定だが」

「そうか。知ってるかもしれんがあそこは迷いの森だからな?本格的探索するならそれ相応の用意はするようにな」


やけに親切な兵士だな。

「ありがとう。気をつけるよ」

「あぁ。毎月行方不明者が出ててな。その度もっとキツく言うべきだったと後悔するんだよ…」


あー。ここから見送って戻ってこないって気持ちのいいものじゃないよな。


「わかった。忠告は心に留めておく。でも今日は森の入口辺りまで見に行くだけの予定だから安心してくれ。必ず戻ってくるよ」

「無事を祈っている」


基本この世界の人達って良い人多いんだよなぁ。

冒険者ギルドでも、よくある初心者に絡むような輩もいないし。犯罪とかも全然聞かないし。

まぁまだこの世界来てそんな日にちも経ってないからたまたまなのかもしれないけどな。


そうして2人で門を出て北の森を目指す。


「さぁ行こうかハル」

「はーい!…これは何デートになるのかな…」

「無理矢理デートにする必要もないと思うが…まぁあえて言うならデートの下見じゃないか?」

「なるほど!じゃあ……下見デートだね!」


……なんじゃそりゃ。

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