70 二人旅
「ユウキ!そっち行ったよ!」
「OKだ!……セイッ!」
ハルと2人になりエルバへ、
道中の魔物を倒しながら進んでいる。
そういえば、どちらか1人だけで戦わない。というルールを2人で決めた。というよりハルが決めた。
「ふぅ。やはり神殿やタリス周りとはちょっと魔物が変わってきたな」
「そーだねー。サソリとか蛇とか増えてきたね」
「この山を越えるまではその辺ばかりかもな」
エルバへ向かう途中の山、通称レイクマウンテンを進んでいた。
湖の山とはなんでしょうね?
「この先にギルド運営の施設あるはずだよね?」
「あぁ。頂上近辺って言ってたからあの辺だと思うぞ」
見ればもう少しで頂上へ到達しそうだ。
なんで頂上なのかって?
まぁその先に続いてる道が見えないからな。
「後ちょっと油断しないで行こうな。……ハル?疲れは大丈夫か?」
「うん!大丈夫!……あ。やっぱ疲れたかもー。抱っ……」
「元気があってよろしい!」
最近ことある事に抱っこをせがんでくるんだよな。
まぁやり方が下手すぎて失敗してるけども。
「むー。いいもん。……部屋でくっつこうっと」
「何か言ったか?」
「なーにーもー」
そんな話をしていると頂上に着いた。
「わー。凄ーい!」
「なるほど。レイクマウンテンってのはそういう事か」
頂上は広い台地になっていてその半分以上の面積が見ずうになっていた。
「しかし頂上に湖ってどうなってるんだ?普通は山に降った雨が山を伝って麓に湖ができるって感じだろ?」
「そーなの?流石ユウキ物知りだね!」
大学生よ。勉強しような。
「まぁ深く考えても仕方ないか。精霊とかいる世界だもんな。きっと何かそういう事なんだろう」
「そういう事ー!あ、あそこ施設かな?」
湖の麓にギルドの施設と思わしき物をハルが見つけた。
二人でそこまで進んでいく。
施設に辿りつくと…
「はい。ギルドの登録ある方ですかねー?」
「どうも。…ギルドカードです」
「私のもー!」
二人でギルドカードを出す。……ここまで変な噂届いて無いだろうな?
「……はい。確認取れました。タリスのジュリア様から、お部屋の指定がございますね。」
「え?指定?」
「はい。お渡しする物資もあるからと部屋ごと予約されてますね。お二人が来たらそちらにお通しするようにと」
「……なんだそれ?渡すもの?神殿経由にすればいつでも引き出せるんだけどな」
「ユウキー。部屋行こうよー!」
ハルが腕を引っ張ってくる。
「あ、あぁ。まぁいいか。とりあえず休憩だな」
鍵を受け取り指定された部屋へ行く。
鍵を開けて部屋の中に入ると……。
「わぁ!可愛いー!」
「……デジャブか。……やってくれたなあのエルフ」
そこにはいつぞやの施設と同じで、
ベッドが一つだけの部屋だった。
違うのはそのベッド。
……ハート型のベッドってなんなんだよ。チクショウ。
〜〜
物資があると言うのも嘘では無かった。
置いてあったのは剣とロッド。
それと手紙。内容はこうだ。
ユウキ、ハル
その施設を過ぎた先は魔物の生態がガラッと変わる。
具体的には魔法しか効かない、物理しか効かないという魔物が増える。
2人の実力なら特別問題ないと思うが、効率の良い武器を使ってくれ。
コレは私からのプレゼントだ。ベッドも含めてな。
追伸・ハート型のベッド高かったんだぞ。
だと。
まぁ武器はありがたく使わせてもらおう。
ベッド高いとか知るか!
「へへへー。ハート型のベッドでユウキと一緒!」
なんかめちゃくちゃご機嫌だな。
ん?
「ハル?お前……さては知ってたな?」
「…ソンナコトナイヨー」
「こっちを見ような?」
「…ゼンゼンシラナイヨー」
絶対知ってんじゃん。何その棒読み。
あれ?前にもこんなことあったような…。いつだっけ?
「だってー。最近ユウキと一緒に寝ること無いなぁってジュリアさんに話したの…。まぁ、まさかハート型が来るとは思わなかったけど」
「あのエルフこの為だけにこのベッド買うとか何考えてんだ?」
「あ、手紙もう1枚あるよ!……なになに?……ユウキー。このベッドは収納入れて神殿に置いておいてだって。ルーナさんの許可も取ってあって部屋にスペースも作ってあるって」
……あの大神官もグルか。
「ふぅ。まぁ安いもんじゃなさそうだしな。今後使うかは知らんが」
「えー?使わないの?」
なぜそこでそんな涙目でそんな顔をする。
そんなんされたら……
「……検討しておきます」
「はーい!」
〜〜夕飯の後
「さて、そろそろ寝ようか」
「うん。明日も早いもんね」
2人でベッドに入る。
しかしハート型のベッドって無駄なスペース多くない?そもそも頭の場所2つに別れてるじゃん?
「明日はエルバに着けるかなぁ?」
「魔物の感じ変わるらしいからなぁ。それに時間取られなきゃ山降ればすぐのはずだな」
「んー。まぁ二人なら大丈夫だよね!」
そう言いながらハルがこちらに転がってくる。
ハート型の半分に2人がいる状態だ。
「ハルさーん?近くないですかー?狭いですよー?」
「近くがいいのー。ユウキの背中大っきいねぇ。落ち着くー」
そう言ってハルが背中にくっついてくる。
あー。もうこの子は。
「ユウキ……。ユウキが何者であっても……私は一緒にいるからね?……何があっても離れたりしない……からね」
落ち着いたと言うか安心したというか、もう眠いのだろう。途切れ途切れでハルが言う。
「……ハル」
「私……はユウキじゃないと……ダメなの。……ユウキィ……大……」
そのままハルが寝息を立て始める。
ハルが最後言おうとしてたのは……。
全く、それは言わないって決めたのにな。
覚悟が鈍っちゃうじゃないか。
俺はラスボス。最後ハルに倒される存在。
それでも……それでも……
「ハル……大好きだよ」
70話到達しました。
そして次話で15万文字達成となります。
ここまで読んで頂きありがとうございます!
今後とも「俺がラスボス?」をよろしくお願いいたします!




