69 出発
「こんな感じかのぅ。コレの特徴としては、無属性の所だのぅ」
「他の属性と何が変わるんだ?」
「わかりやすく言うと防げ無いのだよ。まず属性軽減ができない。そして魔法無効に対しても効果がある。」
「属性軽減はわかるとして魔法無効も貫通するのはなぜだ?」
「…魔法じゃないからだのぅ。コレは魔力だから」
「……なんか屁理屈っぽく聞こえるぞ?」
例えば火無効の敵に炎は効くみたいな。
元は同じなのに違う言い方、状態だから違う。って感じ?
「ホッホッホ。詳しく説明してあげても良いが、多分理解するのに数日かかるぞい?」
「OK。そういうものだと理解した」
まぁ結果がそうなるならいいだろう。
「マリクさん、それどうやればできるの?」
「ハルちゃんや。契約したからもう難しいこと考えずに出来るはずじゃぞ。こないだジュリアちゃんから教わったやり方で間違ってないからの」
「こないだの……こうかな?えい!」
ハルが空に向けた手から魔力を放つ。
マリクさんに比べれば少ない光だったが上空へ飛んでいった。
「あ。できたー!」
「上手じゃの。しかしワシと契約せずにコレを発動できるようにしたジュリアちゃんは改めて凄いのぅ」
「だが、大した威力にならんぞ?」
「発動出来てるのが凄いのだよ。修練を続ければその内モノになるさ」
「さて、じゃあ次はエルバだな。……ちなみに4大属性全て契約しとくと良いことあるのか?」
「ん?まぁ純粋にハルちゃんが最強になる。って言うより、あのミナトと戦うなら必要になるが正しいかのぅ」
「どういうことだ?」
「ルーナから聞いたが、真偽はわからぬが魔王の魂を錬成したとか。もしもそれが本当なら、再度封印するしかない。そうなると四属性の精霊の力が必要になる。と言うことだのぅ」
「なるほど……。ハル責任重大だな…って理解したか?」
「んー。とりあえず何となく」
「何となくって……大丈夫か?」
「んーユウキが理解してるなら大丈夫じゃない?」
笑顔で丸投げしてきましたね。
「マリクさん。契約したのはハルだけど色々俺が詳しく聞いてもいいか?」
「知らん仲ではないからのぅ。ではユウキ殿に説明しておくかの」
その後マリクさんから封印について詳しく説明してもらった。
四属性の精霊の力を合わせると云々。
正直よくわからなかったが、とりあえず四属性の精霊と契約すればなんとかなるとの事。
そんな適当でいいのか?
〜〜〜
「じゃあルーナさんとゼノンは1度別行動ってことだな?」
「あぁ。ギルド長としての業務が溜まってきているからな。1度戻って終わらせるついでに、副ギルド長に全て引き継いでくるつもりだ」
この人ギルド長辞めるつもりだな?
「ゼノンは何かあるのか?」
「俺はミナトを探ってみようと思う。放っておいてもちょっかい出して来るんだろうが、居場所がわかればこっちから先手も打てるしな」
「気をつけてくれな?」
「まぁ、マリクが俺を狙う理由も無いだろうしな。情報集めをメインにやるさ。……んじゃ、またな!」
そう言ってジュリアさんとゼノンが去っていった。
また合流する事になるとは思うが。ちょっと寂しいかな。
「ユウキー?」
ハルに呼ばれる。
「ん?どうした?」
「久しぶり……って程でもないけど、久しぶりに2人きりで旅だね!」
そーか。そうなるんだな。
確かに…ラキアから帰ってくる時以来か?
「そうだな。」
「皆で旅するのも良いんだけど、やっぱりユウキと2人だと安心するよ!」
「安心?ジュリアさん達いる方が戦力的には上だろ?」
俺の返答にハルがむくれる。
「むー。私だって強くなってるよ!それに……最近ユウキ私以外とばっかり話してるから…」
「そんなつもりは無かったけど…。いやごめんな。1番特別だって言ったのにな」
「だから2人きりなのもいいなって。ユウキは違うの?」
ハルが寂しそうな顔をしてる。
あー。もうこの子は。
「俺も2人でいる時間……幸せだよ」
「ふへへへ。……ごめんね。めんどくさい事言ったね」
「良いよ。大丈夫。じゃあエルバまで久しぶりのデート旅といこうか!」
「うん!じゃあ抱っ…」
「歩こうな?」
ハルを寂しがらせてしまったのは反省だが、プリキャリの噂はこれ以上広がるのは勘弁だ。
「むー。次はいつしてくれるの?」
「そのうちなー」
そんな他愛ない会話をしながらエルバへ向かう2人だった。
〜〜神殿にて〜〜
「まさかマリクさんがそこまで力をお貸しになるとは意外でした」
「そうだな。最初はそんなつもり無かったのだが、シルフを通してユウキ殿が抱えてるものがわかってしまったからな」
「見えてしまいましたか。ユウキ様の役割が」
「あれは普通の役割ではない。恐らくだが、ユウキ殿は本来召喚される対象では無かった。なので本来は役割を持ってなかったはずだ。そして何が作用したのかわからぬが、ハルちゃんと一緒に召喚され、アレが取り憑いたと言うのが正しいのではないかな」
「なるほど。だから私の水晶で判別した時も違和感があったのですかね?」
「うむ。後は魔王の因子か。そんなものまで拾ってしまうのは……流石に可哀想というかなんというか…」
「不幸体質ってやつですかね?まぁそれにしてはあんなに可愛い女の子連れてるんですから不幸とも言えませんけどね」
「それとこれとは別だろう?」
「一緒ですよ。それはそれとしてマリクさん?」
「ん?なんだ?」
「語尾が普通になってますよ。キャラ作りはいいんですか?」
「…………さて部屋へ戻るかのぅ」




