61 漆黒〜後編〜
漆黒のスケルトンがゆっくり近づいてくる。
ジュリアさんが魔力を高め…
「フレアストーム!!」
力ある言葉と共に火柱がスケルトンを包み込む。
「い、いきなり上級ですか!ジュリアさん!」
ルーナさんがこちらへ来る熱を結界で防ぎながら声をかける。
「ルーナなら防げるだろう?それにあのスケルトンは異常だ。最初から全開でいかないと…まずい。」
火柱が消えるとそこには…
全く無傷のスケルトンがいた。
「な、なんだと!?今のが効かないだと?そんなスケルトン聞いた事ないぞ!」
スケルトンはそのままゆっくりと近づいて来る。
「ならば!俺が!」
全身に闘気を纏切りつける。
「ハァッ!!」
前回から闘気の扱いは練習し続けてきた!
これでどうだ!
ガッキィィン!
しかし、漆黒のスケルトンに弾かれる。
だが前回と違いほんの少しだけだが骨が欠けていた。
「やはり硬いか!だけど前回みたく全く効かないわけじゃない!!」
前回失敗した間合いに気をつけてその場から離れる。
ジュリアさんが牽制の魔法を放ちながら声を掛けてくる。
「ユウキ!アイツの間合いには気をつけろ!…しかしやはり物理が効かず、火属性にも耐性があるようだな…。ならば…ストーンバレット!」
ジュリアさんの言葉と共に周囲の岩がスケルトンに迫る。
けたたましい音と共に、
飛んできた岩に弾かれるスケルトンが数歩下がる。
「くっ!足止めにしかならんか。」
「ジュリアさんこれは…なかなか。」
「あぁ。あまりよろしくないかもしれんな。私が全力を出せば…あるいは。だがこのダンジョン内ではちょっとな…。」
ジュリアさんは、どうやらこのダンジョン内では全力が出せないようだ。
「とはいえ外に出るにはあのスケルトンを躱さないといかんか。…位置が悪いな。ユウキアイツの攻撃のスピードはそれなりだったって言ってたよな?」
「あぁ。剣を振るうスピードは歩きからは比べ物にならん!」
そうこうしてるうちにも少しずつ近づいてくる。
その都度ジュリアさんの土魔法で押し返す。
「ジリ貧だな…。さてどうするか。」
ジュリアさんが土魔法を使いながら頭を悩ませる。
「闘気も効かず、魔法も効かず。…ならこれはどうだ?」
そう言ってジュリアさんが手のひらに光を集める。
あれは…?
「魔力そのものなら…どうだ!」
そう言いながら魔力の光を投げつける。
パァァァッン!
スケルトンの左肩に命中し、
甲高い音ともにスケルトンの左肩辺りが少し削れる。
「お!魔力そのものなら多少は効くようだな!だがこれは…。」
「厳しいのか?」
「今の魔力そのものは私が最上級魔法を使う時に込める量の魔力だ!連発はできん!それであの程度のダメージでは…。」
なるほど。
だが待てよ。
闘気は効果は薄いが前回よりは効く。魔法は効かない。
だけど魔力は効く…か。
「…やってみたい事がある。」
俺の呟きに反応するジュリアさん、
「何か策があるんだな?よし!やれ!サポートはする!」
「いいのか?何も聞かないで?」
「構わん!戦場では一瞬の迷いが命を落とす!」
そう言いながらも土魔法でスケルトンを足止めしてくれる。
「わかった!」
「ユウキ!?危ないことするつもりじゃ!?」
後ろからハルの声がする。
「大丈夫だ!ハルはルーナさんから離れるな!」
…多分大丈夫。いや全く根拠は無いし、できる保証も無いんだけど…。
なぜか。
なぜか…できると直感がある。
(ククク)
…アイツの声が聞こえた気がした。
俺は剣を両手で握り、
右手から闘気を、左手から魔力を込める。
「ユウキ様!?それは何を!?」
ルーナさんの声が聞こえる。
俺の両手から剣へ注ぎ込まれた魔力と闘気は絡み合い剣へ伝っていく。
そして…俺の剣が…
漆黒に染まった。
「ユウキ様!その力は!」
「大丈夫だ!アレとは違う!」
ルーナさんの声にそう答え、俺はスケルトン目掛けて走り出す!
「ユウキ!?ユウキーー!!」
後ろで俺を呼ぶハルの声がする。
「うぉぉぉぉ!喰らえ!」
スケルトンに肉薄し両手で持った漆黒の剣を振るう。
ヒュンッ!
俺の漆黒の剣はスケルトンに当たっても弾かれることなく振り抜くことが出来た。
初めて魔物を切った時のように何の手応えもなく。
「…どうだ?」
次の瞬間音もなくスケルトンは真っ二つになり、崩れ落ちる。
「やった…のか?」
「ユウキ今のは?」
ジュリアさんが俺に近づき声をかける。
「あぁ、闘気と魔…力…を…あ…れ?」
ジュリアさんの問いかけに答えようとした俺は突然の脱力感に襲われ…
そのまま倒れ込んでしまった。
「ユウキッ!!」
慌ててジュリアさんが倒れ込んだ俺を受け止める。
「ユウキ!どうしたの!!?」
ハルも俺に駆け寄ってくる。
「今回復するからね!…火の癒し!」
ハルの両手から暖かい光が発しられ俺を包み込む。
…暖かい。
「ハ…ル…ありが…とう」
その暖かさで安心したのか俺は意識を手放してしまった…。
「ユウキ!!ユウキィ!!しっかりして!!」
「これは…ルーナ転移だ!神殿なら跳べるのだろう?」
「はい!」
ルーナさんの作り出した魔法陣でその場から4人で転移する。
その後少しして…
「…へぇ。アレを切るのか。あの力…。まさか…ね。フフフ。もしかしたらあの彼が鍵になるのかな?」
居なくなったはずのフードの男ミナトが4人の消えた場所を見ながら呟いていた。
「フフフ。ユウキと言ってたかな。ちょっと楽しみになったね。」
そう言うと改めて姿を消すのであった。
漆黒なのはスケルトンだけでは無かったということですね。
前半後半を初めて使ってみました笑
本当は前回で書きたかったんですが、
流れ切りたくなかったのでコチラに。
60話達成となります。
生まれて初めて書いてるのでどこまで続けられるか不安はありますが、とりあえずここまでこれた!
いつもお読み頂きありがとうございます!
もし面白いと思って頂けましたら、
星1つでも評価頂けると嬉しいです!
今後も【俺がラスボス?】をよろしくお願いいたします!




