60 漆黒〜前編〜
翌日俺とハルは、ジュリアさん、ルーナさんと共に魔力のダンジョンへ来ていた。
「なんかそんな前じゃないのに久しぶり感凄いな。」
「そーだねー。」
「まぁそれだけこの短時間でお2人の関係が大きく変わったということですね。」
だからなんでニマニマしながらそういう事言う?
「2人の関係かぁ。青春してるようで羨ましいな。」
ギルド長でしょ。あなた?
ニマニマやめようね。
「…さぁ。中へ入ろう。…ハル何か変な感じはないな?」
「うん!あの時の重たい感じはないよ!ってあの時も下まで行ってからだったかな。」
「確かにそうだったかもな。アレからジュリアさん達は入ってるんだっけか?」
2人に聞く。調査自体はしてるはずだよな。
「あぁ。最深部まで行ってはいる。残留魔力などの調査もしたが。今日は魔源草の状態が変わっているかの確認だな。後は扉がまだ機能するかどうか。」
と言うことは最深部まで行くってことだな。
まあ俺達だけでも行けるだろうし、
ジュリアさん達いるのだから問題は無いか。
「よし。行くぞ。」
そして4人でダンジョンの中へ入っていく。
地下1階
まぁ何も問題も無かった。
出てくる魔物を俺が1人で倒したぐらいか。
闘気の使い方をジュリアさんに指導してもらった。
この人闘気で戦っても普通に強いのね。
地下2階
複数の魔物が出たが今度はハルが戦った。
中級にあたる、フレイムランス、フレイムウィンをジュリアさんに教わったので試した感じだな。
結果は…完全にオーバーキルでした。
この子また強くなっちゃうのね。
地下3階
以前のように魔物が出ないと言うことはなく、
スケルトンが単体で現れた。
俺の剣でも十分戦えたが、ハルの魔法だと瞬殺。
弱点属性って効果凄いのね。
…ハルの魔法がすごいって話でもあるようだけど。
地下4階
スケルトンが複数で出ました。
ハルのフレイムランスで消し炭になりました。
魔物が出なかった時とかかる時間は変わりませんでした。
そして地下5階
「いやぁサクサク進めてるなぁ。ハルの魔法は素晴らしい!」
ジュリアさんがめちゃくちゃハルを褒めてる。
「ジュリアさんが戦ったって同じ結果じゃないのか?SSランクだろ?」
「それはそうだけどな。それは私が200年以上戦ってきたからこそだよ。こちらに来て1、2週間のハルがここまで戦えるのは純粋に素晴らしい。」
まぁ、そう言われるとそうなんだけどな。
「ユウキも闘気の使い方が身になってるじゃないか。例のスケルトンに効かなかったのはユウキの力が足りないからではないと思うぞ。恐らく物理無効などの効果持ちだったのだろう。今度魔石の調査をさせてもらえればその辺もわかるかもな。」
なるほど。あの時全く俺の攻撃が通らなかったのはその可能性もあるのか。
ってことはあの時魔法を使ってれば効果はあったのかもしれないと。
うーん。魔法なんか苦手なんだよなぁ。
「さて。着いたぞ。まずは扉だな。」
そう言ってジュリアさんとルーナさんが扉を調べ始める。
「開け閉めは問題なくできる。と言うことはやはり魔封印の機能は無くなっていると見るべきか。」
「ですが、紋様含め壊れてるわけでは無いので、何かの拍子にまた作動するとあまり良くない事になりそうですね。」
「ふむ。どうにか撤去したい所ではあるか…。奥の魔源草の様子を見に行くか。」
4人で奥へ進んでいく。
そこには光り輝く魔源草はなく、少量の光らない魔源草がいくつかあるだけだった。
「んー。私達来て採った時はまだ壁一面残ってたよねー?」
「あぁそうだな。瓶4つ分だけだからな。」
そう。俺達がきたときは眩しいくらいだった魔源草だが、全くと言っていいほど無かった。
「むしろこの状態がいつも通りって感じなのだがな。2人が来た時が異常だったと。」
「となると、やはり誰かが用意して、回収したということか。…何のために?」
4人で頭を悩ましていると突然後ろから声がする。
「それについてお答えしましょうか?」
バッ!と4人で振り返り、俺はハルを守るように前に出る。
そこにはフードを深く被った人物がいた。
そしてジュリアさんが問う。
「…誰だ?今日このダンジョンに入ることを許してるのはこの4人だけだ。…しかも私の気配察知にかからないだと?」
ジュリアさんの全身から魔力が漲っていくのがわかる。
「ははは。まぁそう固くならないでくださいよ。こんな所で紅蓮の魔女や水晶を宿す者とやり合うつもりはないですよ?」
この2人の事を知っているのか。
ジュリアさん紅蓮の魔女って異名なのか。
…カッコイイな。
「貴方は来訪者…ですね。確か名前は…ミナトさんでしたか。」
「よく覚えてるね。流石は大神官様って所かな?」
そう言ってミナトがフードを外す。
その瞬間ブワッと嫌な感じがした。
「ユウキィ。あの人から、あの時の嫌なのと同じのを感じるよぉ。」
ハルが俺にしがみつきながら泣きそうになっている。
ジュリアさんが1歩前に出ながらルーナさんに小声で聞く。
「ルーナよ。あいつの役割は戦闘用か?」
「…いえあの方は…。」
ルーナさんが答えようとすると、
「僕の役割は錬成する者だよ。」
ミナトが自ら答える。
「…ふむ。貴様から感じる魔力はやけに禍々しいな。その役割には似つかわしくない程に。」
「フフ。流石は紅蓮の魔女だね。僕は錬成したのさ。魔王の魂をね。」
「なっ!あれは御伽噺の中だけのもの…。」
「まぁまだ完全ではないよ。足りないのさ。人の魂がね。だからあのスケルトンを利用して人々を殺して回収しようと思ったのだけれど…」
そう言って俺達を見る。
「その2人に邪魔されたみたいだね。…しかしあの扉を開けられるなんて…。開けたのはどっちだい?」
「…俺だ。」
「ふーん。君は…不思議な力を感じるね?まるで2人いるような…。」
コイツ…。まさか俺の中のアイツを感じていると言うのか?
「ユウキィ。」
ハルが不安そうな声を出す。
「大丈夫だ。俺がいる。ジュリアさんもルーナさんもな。」
「…うん。」
「さて。今日はね扉を回収し忘れたから取りに来たんだよ。」
そう言ってミナトは扉に触り、
「収納」
そう言うと扉はキレイに消えてしまった。
「さて、用は済んだんだけれど…このまま帰っていいかな?」
不敵に笑いながらこちらへ向く。
「わかった。と見逃すとでも?」
ブワッと、ルーナさんの身体から、あの時のハル以上の魔力が発せられる。
「だよねー。じゃあコレを置いていこう。…【錬成】来たれスケルトン!」
ミナトがそう言うと地面からあの時のスケルトンと同じぐらいの大きさのものが現れる。
ただし、色は漆黒の。
「これは…!?」
「ユウキ!あの時と同じ!嫌!この感じ!」
「ハハハ。こいつはこの間の奴の改良型だよ?まぁ楽しんでいってね。こいつを倒せたら…また会えるかもね。では。バイバーイ。」
そう言ってミナトの姿が消える。
残されたのは俺達と漆黒のスケルトン。
ジュリアさんが声を上げる。
「待て!…くそ!仕方ないやるぞ!ルーナ2人のサポートを!」
「わかりました!」
「ユウキ!ハルをしっかり守れよ!?」
「おう!」
漆黒のスケルトンがゆっくりとこちらに迫ってくる…
長くなってしまったので続きます。




