57 大神官
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翌朝朝食を食べた2人は冒険者ギルドに来ていた。
「おはようございまーす。」
「…あ!ユウキさん!ハルさん!」
レナさんが迎えてくれる。
「今ジュリアさん呼んできますね!…そちらの部屋でお待ちください。多分カウンター前だと周りの声が気になると思うので。」
めっちゃシゴデキだった。
確かにギルドに入ってからというより街中歩いてるだけで視線を感じていた。
ギルドに入ってからは視線ってより、
「おい…あれ」
「あの二人が本当に?」
「幸せそうだな」
「…羨ましい」
「リア充爆発しろ」
といった声が実際聞こえてくる。
…最後のやつ絶対来訪者だろ。
促されるまま部屋に入り、ジュリアさんを待つ。
しばらくすると…
「待たせたな!我らが英雄よ!」
…絶対この人が元凶なんだよなぁ。
「その英雄っていうの本当に勘弁して欲しいんですよね。」
「なぜだ?実際Sランクの魔物をたった2人で倒して、街を救ったんだ。英雄以外の何者でもないだろう?」
「いや、まぁ。結果はそうでもそのつもりでやった訳でもないし…。それにあのスケルトンがもし外に出てきてもジュリアさんなら倒せたでしょう?」
そう。このジュリアさんだが、初めて会った時は知らなかったが後日聞いたら世界に数名しかいないSSランク認定されている凄腕だった。
ちなみにSSSはまだ存在していないとの事。
「当然!と言いたい所なんだがな。あの後の調査で色々わかってな。正直倒せる!とは言えなくなったのだよ。」
「え?どうゆう事ですか?」
「それにつきまして私がご説明させていただきますね。」
知った声が聞こえて部屋へ入ってくる。
そこには神殿にいるはずの大神官がいた。
「あ!ルーナさん!久しぶり!!」
「はい!ハル様お久しぶりです!…進展あったようですね?」
ルーナさんが2人の指輪を見てニマニマしてくる。
相変わらずだなこの人も。
「お久しぶり。で、ルーナさんがなぜここに?」
「ユウキ様もお元気そうで。はい。魔力のダンジョンの調査をジュリアさんに頼まれたもので。」
「ルーナさんが出てくるほどの事なのか?」
「それについても合わせてご説明しますね。」
ルーナさんの説明はこうだった。
1.ダンジョンの構造がそもそも変わっていた。
そんな事を出来るのは来訪者の力の可能性が高い。
2.ダンジョン地下5階にあった扉の件
あの扉は魔封印の扉と言われるもの。
扉の中へ魔力などを封じ込める力を持っている。
あの日ダンジョン内の魔物地下1.2階は外から入り込んだ魔物がいただけ。3.4階はこの扉のせいで魔物が居なかったと考えられる。
3.スケルトンの件
地下5階最奥に最大まで魔力を蓄えた魔源草が大量に生えており、魔封印の扉の効果と魔源草の効果でスケルトンが進化していたのではないかという憶測。
もし、そうだった場合あの日俺達が扉を開けなかったら、もっと手が付けられない存在になっていた可能性がある。
4.魔源草
そもそも最大まで蓄えている状態の物が自生するとは考えにくく、ルーナさん達が調査に入った際ほとんど魔源草は残っていなかったとの事。
俺達は瓶に入る分しか採っていない。
「それはつまり、俺達が出てから調査に入るまでの間に誰かがあそこに入って回収したと?」
「はい。その可能性が高いかと。」
「つまりまとめると、何者かがあのダンジョンを改造して、スケルトンを魔改造していたと。」
「簡単に言えばそうですね。そして、そのスケルトンで何をしようとしていたのかですね。」
「…ちょっとしたイタズラってことは…ありえないな。」
「そうですね。ユウキ様ちょっとお話したいことがございまして。…ハル様。ユウキ様をお借りしてもよろしいでしょうか?」
2人きりってのは…と思ったら
「うん。大丈夫だよー。大事な話なんでしょ?」
あ。大丈夫なのね。まぁここにはジュリアさんもいるし、1人になる訳じゃないからな。
「では、ジュリアさんお隣の部屋お借りしますね。」
「あぁ自由に使ってくれ。防音の魔法もかけてあるからな。」
それはありがたいな。
ルーナさんと2人で隣の部屋へ移る。
「それで話ってのは?」
「はい。まずあの魔封印の扉についてですが、開けられたのはユウキ様だからということです。」
「俺だから?」
「はい。あの扉に施されていた術式を調べたのですが、外から封印を解けるのは…その…」
ルーナさんが言いにくそうに言葉を濁す。
「大丈夫だ。気にしないで言ってくれ。」
「はい…。では…、外から解けるのは闇の者、またはそれに近しい者なんです。」
なるほど。普通の人には解くことも、ましてや中に入ることも出来ないと。
「つまり俺の役割の力ってことか?」
「恐らくは…。ですが結果扉を開けられ災いを滅ぼしたので。」
「倒したのはハルだけどな。まぁ俺の望み通りの結果ではあるな。」
「…望み通りですか。やはりユウキ様は…。」
「あぁ。俺はハルを元の世界に戻す。その為だけに戦う。俺が滅ぼすのは世界じゃなくてハルの敵だ。」
「…ユウキ様。でも!それでは…!」
「あぁ。ハルの最後の敵は俺かもな。」
「…その時はどうするのですか?先程のお二人を拝見させてもらいましたが、関係は進んでいるのでしょう?」
よく見てるなこの人は…。
「だから…いや言い訳なんだろうけどな。俺達の関係は付き合ったりはしていないし、お互い好きだとも言ってない。まぁほとんど付き合ってるのと変わらんけどな。…その時が来たら俺は…覚悟はできてるよ。」
「ユウキ様…。」
「まぁまだハルの役割だってどこまでやったらとかわかんないしな。今はあんまり深く考えないようにしてるよ。…辛くなっちゃうからな。」
「…それにつきましても、今回の件と合わせて、ハル様の役割の目指すところが分かったかもしれません。」
次回更新予定5月10日1時となります。




