58 次の目標
「ハルの目指すところ?」
「はい。まず今回の件ですが、自然発生したものではありません。」
まぁそーだろうな。
「恐らくですが闇の者いわゆる魔族と言われる者ですね、そして来訪者が絡んでいるかと。」
「魔族か。それは何となくわかるが、来訪者はなぜだ?災いをもたらすものは…処理してるのだろう?」
まぁここに見逃されてる超ド級の災いはいるけども。
「はい。ですが、役割自体が災いをもたらすもので無ければ特に制限はございませんので。そして今回収納の腕輪が使われたようでして。」
「ルーナさんが作ったものか?」
「恐らく…。アレの収納先は術式を理解してれば変えることも出来てしまいますので。先日ダンジョンに出向いた際に感じた残留魔力からすると間違いないかと。アレを持っているのは来訪者のみですので…。」
まぁ作っている本人が言うのだからそうなんだろう。
「で、ハルの目指すところってのはそいつらを倒すってところか?」
「はい。わかりやすく世界を破滅に向かわせようとしている者たちかと。今回のスケルトンも超進化させてから解き放つ予定だったのではないかと思います。扉の封印が内側から破壊すると出られるようになっていましたので。」
あの時内側から開けられなかったのは破壊しなかったからか。あのスケルトンがあの扉を破壊できるようになるまで成長していたら…。
と考えるとあの時俺達で討伐できたのはラッキーだったか。
「なるほど英雄扱いってのはそういう事なのか。」
「そういう事ですね。扉を開けられるユウキ様とあの時点のスケルトンを倒せるハル様お2人が揃ってあのタイミングでダンジョンに入る。これは奇跡と言っても過言では無いかと。…愛の奇跡です!」
…ん?最後おかしいよな?
「おい…大神官さん?あんたもジュリアさんと一緒になってやってんな?」
「…何のことでしょう?」
「カップルの英雄だったか?」
「違います!純情カップルの英雄です!!」
「…やはりあんたもやってんな??」
「…はっ!しまった!」
おい。この大神官といいギルド長といい…。
世話になってる人じゃなけりゃブチ切れ案件なんだけどな。
「話を戻しまして…ハル様の役割につきまして、この暗躍してる者達が倒すべき相手になるのではないかと。」
「強引に真面目に戻して逃げようとしてんな?」
「…この者たちの行方などは私達も調べております。」
「逃げられると思ってる?…世界滅ぼしちゃおうかな?」
「あー!それはズルいですよ!…ごめんなさい!でもぉ。2人を見てると、こうなんて言うか焦れったくて。周りからこう見えてるんですよ!って言う親切心…とか。」
まぁお互い相手が自分に気があるとは思ってなかったからなぁ。
「でもですね!お2人が戻られたら、手を繋いでるし、ペアリングしてるし!!なんで…なんで!!私の見えないところで関係を進めてしまいますかね!?私の楽しみを返してもらっていいですか!?」
「す、すまん。ってなんでオレ怒られてんの?」
「コホン。失礼取り乱しました。まぁそれは置いておいて、この先ハル様が役割を果たすということは、その者たちと戦うことになるかと。」
「と言ってもそいつらが何処にいるとかわからんしなぁ。魔力のダンジョンに戻ってくる可能性は…あるのか?」
「どうですかね…。ただお2人に接触してくる可能性はあるかと。」
「向こうから?なぜ?」
「まずハル様は未完成とはいえ強化されたスケルトンを倒したわけです。連中からすれば脅威になるかと。そしてユウキ様…どちらかと言うとユウキ様が接触してくる理由になるのではないかと思いますね。」
ハルは連中の目的の邪魔になるからか。
まぁ役割知ったらなおのことだよな。
…しかし俺?
「なんでだ?俺は何もできてないぞ?」
「魔封印の扉開けたじゃないですか。連中からすれば、同族と思われてもおかしくないかと。」
…なるほどな。魔封印の扉を開けられるのは闇の者、つまり魔族か、それに近い力を持つもの…。
俺の【世界を滅ぼすモノ】に気づく可能性があれば…か。
「しかしそれは迷惑な話だが、ちょうどいいかもな。」
「はい。ハル様の役割を果たすには、何処にいるか分からない災いを探すより向こうから来てくれる方が早いかと。なので今回の英雄騒ぎは理にかなってるのですよ?」
半分以上はアンタの趣味だろうがな。
そいつらだけが世界を滅ぼす災いとは限らないがとりあえずは…か。しかし。
「そうすると今のままだとちょっと怖いな。今回のスケルトンに俺の力は通じなかった。それ以上のヤツが現れたらどうしようもないな。」
「はい。ですのでお2人のパワーアップを考えました!お2人には精霊巡りをして頂こうかと。」
「精霊巡り?」
「世界中にいる精霊の元を回っていただき、精霊と契約し、その力を借りるといったところですね。特にハル様は確実に強くなられるかと。」
ハルは精霊に好かれてるっぽいからな。マリクさんもそんな事言ってたしな。
しかしそうすると…
「俺はどうするかな。正直精霊に好かれる自信はないぞ。マリクさんは受け入れてくれたけどな。」
でもマリクさんも俺の魔力が禍々しいって言ってたしなぁ。
「ユウキ様はせめて風の精霊ですかね。適正ある属性であればまだ可能性はあるかと。後は闘気を磨くしか…。こればかりは日頃の鍛練が必要ですね。」
「まぁそれは続けるよ。じゃあとりあえずは風の精霊に会いに行くのが目標かな?」
「そうなりますね。この続きはハル様の元へ戻ってからにしましょう。…その前に改めて確認させてください。」
ルーナさんがこれまでに無い真面目な顔になる。
「ユウキさまはこの世界で何を望まれますか?」
次回更新予定5月10日15時となります。




