53 プリキャリ
リアクション頂きました!ありがとうございます!
翌朝。
目を覚ました2人は朝食を済ませてエストへ向かった。
「指輪楽しみだねぇ!」
「あぁそうだな。」
もう自然と手を繋いで歩くようになった。幸せだ。
エストに着くとあの店員さんが迎えてくれた。
「いらっしゃいませ!...手を繋いでおる...付き合っていないのに...あぁはよ付き合え...」
なんかまたトリップしてらっしゃるね。
まぁこれにも慣れたな。
「...あのー?指輪出来てますか?」
「...あぁもう明日からこの2人を見れないなんて...何を楽しみに生きていけば.....」
「おーい。戻ってきてくださーい。」
「はっ!...コホン。失礼致しました。指輪出来ていますよ!...こちらになります。こちらの黄色い石がダメージ軽減、紫色の石が治癒効果向上のものとなります。」
店員さんが説明してくれる。
説明を受けた指輪をハルが受け取る。
ん?なんでハルが受け取るの?俺のだよね?
「ありがとうございます!...ユウキ。手を出して。」
...え?まさかの?これは?もしや?
言われるがままに手を出す。
「ちーがーうー!なんで右手を出すの?違うでしょ!」
「彼氏さん...それはダメですよ!せっかくの雰囲気を壊してますよ!やり直しです!」
あ。2人からめっちゃ怒られました。
いや左手かなって思ったんだけどね。
そして彼氏じゃないのよ。彼氏じゃ。
「ご、ごめん。」
「...コホン。ユウキ。左手出して。」
「あ、そこからやり直すのね。...ごめん。はい。」
サラッと左手って言われました。
「ユウキいつもありがとう。これからもよろしくね。」
ハルがそう言って俺の左手の薬指に指輪をはめる。
「あー!こんな!こんな幸せな瞬間に立ち会えるなんて!式は!!式はいつですか!!子供!子供は何人ですか!!」
なんか1人おかしなテンションの人いるけど放っておこう...。
「ハル...。こちらこそありがとう。これからもよろしくな。」
「へへ。なんか照れるね。」
「そうだな。」
「キスは!?ここでキスではないのですか!!?」
「...コホン。店員さんもありがとうございました。」
「...はっ!...失礼致しました。尊さが限界値を超えていたようで...。またいらっしゃって頂けることをほんっとうに!心から!お待ちしております。」
力の入り方おかしいですね。
「はい。また来ますね!」
「お待ちーしーてーおーりーますーよー!」
店の外に出ても店員さんの声が響くのであった。
これが1番恥ずかしいぞ。
〜〜
ラキアの街の出口まで来た。
もちろん手は繋いでる。
「さて。帰りの旅だな。のんびりと歩いていこうな。」
「はーい。...抱っこでもいいんだけどなぁ。」
「まだ言うか。ある程度魔物も倒して行きたいからな。まだまだ余裕あるけど結構使ったからな。」
何だかんだラキアの街で散財はしたからな。
無くなる前に稼げるものは稼いでおかないとな。
とは言えまだ900枚以上あるんだけどな。
「はーい。とりあえず休憩施設までだね?半日位かな?」
「そうだな。ハル。身体強化忘れないようにな?」
「使ってるよー。サクサクいこう!」
そうして二人で歩き始めるのであった。
〜〜〜
「ふぅ。ここが休憩施設だな?」
大した魔物も出なかったため予定時間より少し早めに着いた。いや大した魔物ってのがよくわからんのだよなぁ。
あのスケルトンみたいなやつは出ないし、初めて見る魔物もハルの魔法で吹き飛んでくし。
俺も戦ってるけどハルのやる気が凄すぎてなぁ。
「タリスへ向かう方ですね。ギルドカードの提示をお願いします。」
施設の受付の人にギルドカードを渡す。
「はい。あ、タリスの英雄のお2人でしたか!」
タリスの英雄...?なんだそれ??
「え?なんですかその英雄って?」
「今タリスで話題になってるのですよ!魔力の洞窟で起きた天災を未然に防いだ純情カップルの英雄!と。」
...なんかおかしいよね。
純情カップルってなに?
「後は、お姫様抱っこの旅人...通称プリンセスキャリーとか。」
待て。
「略してプリキャリって皆呼んでますね。」
待ってくれ。
横を見るとハルも顔を真っ赤にしていた。
「そんなことになってるのか...。」
「いまタリスで1番熱い話題との事ですよ?」
あかん。タリス戻るのやめようかな...。
「ユウキ...。なんかごめん。」
「いや...こんな事になるとは...な。」
二人で何とも言えない気持ちになる。
「本日はこちらでお休みになられるのですね?...お一部屋で...よろしいですね!」
一人で勝手に納得して決めないでくれ...。
いやもう今更部屋分けるつもりもないのだけれどね。
「はい。それで大丈夫です...。」
なんか疲れた。ここまで歩いてきたことより疲れた。
メンタル攻撃に身体強化は効かないのだね...。
「ではこちらの鍵になります。2階の部屋になります。...両サイドに宿泊者はおりませんので。」
後半は俺にだけ聴こえるように言ってきた。
...もう突っ込むのも疲れた。
鍵を受け取り部屋へ行く。
鍵を開けて固まる。
「...あー。そういう感じ?」
「んー?どうしたの?」
ハルが部屋を覗き込む。
「泊まるだけの部屋って感じだね。...あ。あーそういう感じ?」
部屋の中には大きめのベッドが...1つだけあった。
そう1つだけ。
「部屋替えてもらうのも...疲れたな。」
文句を言いに行くのも疲れ果ててる俺が言うと、
「まぁ、一緒に寝るのも初めてじゃないよ?」
「それは君が勝手に潜り込んできたのでしょ?」
「...嫌だったんだ。」
ハルがむくれて言う。
「そ、そういう事じゃ...」
「嘘だよー!まぁいいじゃん?...特別なんでしょ?」
ハルが少し恥ずかしそうに言う。
だからそれはズルいのよ。
「わかったよ。今日はここな。」
「はーい!」
俺の理性よ。
...頑張るんだぞ。
タイトルのプリキャリはプリンセスキャリーでした。




