40 魔源草
闇の中にいた。
(ククク。我ノチカラヲ使エバアノ程度ノ魔物ナゾ瞬殺ダッタモノヲ)
声がする。お前か。お前の力は使わない。
(シカシアノ娘恐ロシイチカラヲ秘メテイルナ。貴様ヨリ破壊二適シテイルノデハナイカ?)
ハルはそんな子じゃない。ハルは優しい子なんだ。
(マァイイ。早ク我ヲ求メルノダナ。■■■の■■■ヲ持ツ者ヨ)
なんだ…?何を…?
…キ!
……ウキ!
この…声は…。
「ユウキ!」
目を覚ますと目の前にハルがいた。
「ユウキ!良かった!目を…覚まして…くれたよぉ。」
ハルは目に涙をいっぱいに浮かべていた。
俺はハルに膝枕されている状況だった。
「ハル…。そうか。あのスケルトンはハルが倒してくれたんだよな。ごめん。守るってカッコつけたのにこのザマだ。カッコ悪いな。」
「ううん。そんな事ない。そんな事ないよ!ユウキは…私の大好きなユウキはカッコイイよ!」
「ハル…え?…え?今なんて?」
「んー?ユウキはカッコイイ?」
「あ、いや、そのまえ…何でもないです。はい。」
聞き直して違ったら恥ずかしすぎる。でも今大好きって…。言った?言ったよね?え。聞き間違い?
「ふふふ。変なの。…ユウキ身体はどう?貰ってた回復ポーション使ってみたんだけど…。」
そう言われてみると…
意識を失う前痛くて動かなかった身体が動く。
腕も折れたと思っていたが…動くな。
「あぁ大丈夫だ。ハルありがとう。」
「うん。ポーション飲ませるの大変だったんだからね!」
言われてみると俺の首元が濡れている。
「あぁ意識のないやつに飲ませるの大変だもんな。瓶を口に突っ込んだ感じか?」
「あー。うん。そう。ソウダヨー。」
ハルが赤くなりながら言う。
「…?どうした?」
「ナンデモナイヨー。」
「そうか?…まぁ何にせよ助かったよ。ハルの方が俺より強いな。俺ももっと頑張らなきゃな。」
「これで一緒にいても良いって思ってくれた?」
「何を言ってるんだ?一緒には今までもいるじゃないか。この先も一緒だぞ?」
ハルの質問に答える。
「一緒に戦っていいよね?って事だよ!一緒に居るのは決まってるの!ずっと一緒なの!」
「あぁ。ハルが居なかったら俺やられてたしな。一緒に戦おうな。ハルを守れるぐらい強くなってみせるから。」
「私もユウキを守るからね!」
「そうだな。…さてそろそろ起きるか…。」
そう言って身を起こそうとする。
ちょっと身体が重いが何とか動けそうだ。
「まだゆっくりしてても大丈夫だよ?あのスケルトン以降魔物は現れないし。何か来ても私の魔法で木っ端微塵にしちゃうんだから!」
「いやハルの膝枕の感触をもっと堪能したい所ではあるが…。どれくらい俺気を失ってた?」
「んー。ポーション飲ませて20分ぐらい?まだ帰還しないとマズイ時間でもないよ?…この後どうする?」
予定の時間まで後30分はあるのか。
せっかくここまで来たのだし…。
だけどこういったイレギュラーが起きる可能性もあるのか。
「ユウキが寝てる間にちょっと魔力を感じたの。魔物とかじゃなくて…何か複数の魔力…だと思う。あの通路の先ぐらいでそんなに遠くないと思うんだ。」
ハルが感じた魔力。
魔源草…か?
「近そうなのか?」
「うん。近いと思う。」
んー。どうするか。起き上がって軽く屈伸してみる。
身体は…問題無さそう…だな。
「ハル魔力はどうだ?」
「さっきファイヤーボール使った後はちょっと疲れてたけど今ユウキと一緒に休んだから回復してるよ!」
せっかくここまで来たし、多分あのスケルトン以上の魔物は居ないか。居たらきっとハルがそれを感じてそうだもんな。
「わかった。もうちょっとだけ先を見てみよう。でも長くなりそうならすぐに引き返そう。扉とかあったら…ってそういやここからどうやって出るんだ?あの扉開かなかったよな?」
「あー。そうだねぇ。」
二人で扉まで戻ってみる。
先程アレだけどうにも動かなかった扉が簡単に…開いた。
「開いたねぇ。」
「開いたな。これはさっきのスケルトンのせいだったのかもな。」
よくあるボス戦からは逃げられないってやつか。
こんな初めてのボスでそれはやめてほしいが。
こういうのは大魔王とかそーゆーやつだろう。
「まぁ開いてるならいいか。よし。ハル。先を見てみよう。少しでも嫌な感じがしたらすぐに戻るぞ。」
「はーい!スケルトンとか出たら私が魔法で吹き飛ばすね!近づいてくる魔物はユウキよろしく!」
「わかった。これからは一緒に戦おうな。」
「ふふふん!ふふん!」
ハルのその笑い方も久しぶりな気がするな。
しかし、本当に強くならなきゃ…。
ハルを守れる強さがほしい…。
そのまま二人で広間の奥にある通路を進んで行く。
思ったより短い通路を抜けると…。
「…これは、凄いな。」
「キレイだねぇー。」
壁一面に光り輝く植物が生えていた。
「こんなに光ってるとは聞いていないが…。これが魔源草…かな?」
「きっとそうだよ!早く取っちゃおう!」
そう言って二人で持っていた瓶全てに入れられるだけ採取した。
「瓶の中でも光るんだねぇ。」
「あぁ。キレイだな。さて目当ての物らしきものも手に入ったし戻るとしよう。帰りも魔物は出るかもしれないから気をつけて行こうな。」
「はーい!」
そして二人で地上を目指して歩きだす。
いつもご覧頂きありがとうございます。
40話到達となります。
初のボス戦いかがでしたでしょうか。
基本的にこの俺がラスボス?は戦闘メインよりはユウキとハルの焦れったい関係を見てもらいたくて、なので戦闘シーンを簡潔に…。物足りなさを感じてましたらごめんなさい
評価、ブックマークをして頂けますと、作者のやる気上がります!より一層更新頻度上がるかもです(笑)
今後ともよろしくお願い致します。
次回更新は5月3日1時を予定しています。




