26 闘気について
「では闘気についてだ。魔力と違って闘気は命の無いものには宿らない。魔力生命体にもだ。つまり魔物や精霊は闘気を持たないってわけだな。」
「その言い方だと魔物と精霊は似た者ってことか?」
「本当にお前はいい所ついてくるな。近い存在ってのは否定しない。が全く違う。それについては魔物と精霊の違いについて話さないといけないんだが…。」
「だが?構わないぞ。知らないより知ってるほうがいいだろう?」
「いや、そっちのお嬢ちゃ…ハルは大丈夫か?なんか眠そうだが。」
そう言われてハルの方を向く。
あ。眠そうだな。
「なんか難しい話ばかりで飽きてきたよー。闘気覚えに来たんじゃないのー?」
お姫様は座学は苦手なようだ。
って君大学生だよね?
まだ本業は学生だよね?
勉強しようよ。
「ハル?大丈夫か?…ゼノンさんその辺の話はまた今度でも大丈夫か?今日は闘気の方で頼みたい。」
「その方が良さそうだな。ちなみにさん付けはいらんよ。ゼノンでいい。」
「そうか。わかった。ゼノンと呼ばせてもらうな。」
「おう。じゃあ改めて闘気の話な。生命力のあるものにだけ宿るちからなわけだが。それが何故かって言うと闘気ってのが生命力そのものだからだ。」
「生命力そのもの…。そうすると闘気を使うと寿命が縮むってことか?命を削る的な?」
「あー。ちょっと違うな。難しい話をするとハルが寝ちまいそうだから簡単に言うが、闘気においての生命力は違うんだ。んーなんて言うとわかりやすいか…そうだな。スタミナ…体力と言うとどうだ?」
「…つまり回復するものってことか?」
「おーそうだ!それがしっくりくる!その場では消耗するが休めば回復する生命力だな。もっとも、使い方によっては回復しない生命力…寿命かな?を消費してしまうこともある。まぁそっちの方がとんでもない力を使えたりするんだがな。」
「つまり文字通り命を燃やしてって感じか。」
「その通りだ。だがそれは奥の手ってやつだな。命を燃やすなんて普通はするべきじゃない。だから俺が教えるのは…なんて言うか普段使いのやつだ。命を削るなんていいことはない。生きて生き続けるやつが1番強いやつだ。」
なんて言うか…。ゼノンは本当に良い人なんだろうな。善の人というか。
教えてる相手が破滅させるモノと知ったら…どう思うんだろう?
「で。闘気の覚え方だが…。2人は魔力はすぐに感じ取れたんだよな?」
「うん!すぐだった!」
「俺はハルに助けてもらったから自分の実力じゃないかもだけどな。」
「助けてもらった?魔力で?」
「あぁ。ハルが俺に魔力そのものを流してくれてな。」
「あん?今なんつった?」
あ。これ怒られるやつかな?
「私が属性つける前の魔力、えーと…ん!これをユウキに渡してみたの。」
ハルが魔力を手に灯し説明する。
おーい。多分怒られるやつだぞー。
「なっ!なっんてっ!なんて!あぶねーことをしてんだっ!!!」
ほら怒られたー。
〜〜〜
そこからゼノンにしばらく説教をくらった。
納得いかないのは何故か途中から俺が怒られた。
いや、わかるよ。スタートからハルが泣きそうな顔をしてたし。
だから俺庇ったし。ゼノンも泣きそうなハルに言えなくなってたしな。でも引っ込みつかなくなってたんだろう。
「とにかく!危険な事をやったって事は自覚するんだぞ!」
「わかったよ。知らなかった…では済まないってことだな。」
「まぁそう言う事だ。…ただ本当に知らなかったわけだもんな…ハルすまん。言い過ぎた。」
「んーん。こちらこそごめんなさい。」
「よし。まとまった所で闘気に行こう。」
「わかった。まず…そうだな。この流れだから注意点から話そう。」
「はーい。譲渡はしちゃだめ?」
「いや、ダメってことは無い。魔力のように暴走とか命の危険とかはない。とはいえ難しいとは思う。生命力そのものみたいなものだからな。人によって…波長が違うんだ。波長が合うなら受け取れるだろうが、合わなければ受け取れないだろうな。」
「受け取れなかったらどうなるの?」
「渡し方にもよるが、ただ闘気を渡すだけなら何も起きないで消えるだろうな。」
なるほど。爆発とかそう言う危険はないけど消えてしまうならその分の闘気が無駄になるってことか。
「波長ってどうやったらわかるのー?」
「んー。わからないってのが本音だな。闘気を身につけてから色々試して見るしかないと思うぞ。」
「わかったよー。」
「よし。じゃあ習得方法だな。色々あるんだが、ここで教える時は2つのどちらかだな。1つは自身の肉体との対話。分かりやすく言うと瞑想をし自身の中に流れる闘気に気づくという感じか。魔力を体内で見つけた時と同じような感じだな。ただ、生命力そのものの闘気は魔力と違って違和感で見つけるのは難しい。」
「元々身体の中にあるものだからか。」
「そうだ。で2つ目こっちは確実に闘気に目覚めるというか強制的にって感じだな。何をするかって言うと、俺が2人に闘気を当てる。この闘気はさっき俺が的に放ったものとは違う、攻撃力は全くないオーラだ。」
「危険はないってことだな。」
「このオーラ自体はな。これを受けるとお前らの身体の闘気が強制的に目覚めオーラを纏うように現れるはずだ。でここからが問題でな。そのオーラを自身でその場でコントロール出来ないと垂れ流しになってしまうんだ。」
「垂れ流しのままだとどうなっちゃうの??」
「生命力を流してる訳だからな。間違いなく最後はガス欠になり倒れるな。そうなった時にスタミナでは無く寿命の方にも結びついてしまうと…命の危険も無いとは言えない。」
「なるほどな。んー。どうするかな。」
「まぁ二人でそれぞれでも二人一緒でもどちらでも構わん。相談して決めてみたらいいんじゃないか?」
正直どちらでも俺は構わないんだけれども。どうしようかなぁ。




