25 魔力、魔法とは
資料室で丸一日調べ物をした次の日。
「さて今日は闘気だな。正直ワクワクしてる。」
「え?そうなの??私はよくわからないなぁ。」
やはりこれは男の夢。いやロマンと言ってもいいのだろう。女にはわからんのだよ!
「まぁ旅をする上で必要になるだろうし頑張ろうな。」
「それはそうだね!」
「こちらの部屋になります。」
今回ももれなくルーナさんに案内してもらった。
本当に色々助かってるよな。
良い人だよ。
たまにニマニマしてくるけど。
ルーナさんが扉を開け声をかける。
「ゼノンさんいらっしゃいますか?」
「おー。ルーナの嬢ちゃんいらっしゃい。」
部屋の中から返事が聞こえてくる。
「お。その二人が今回の異世界人だな?私はゼノン。よろしく!」
部屋の中から出てきたのは…額から角の生えた人?だった。
「よろしく頼む。俺はユウキだ。」
「私はハルです!…角生えてるー!すごーい!」
こういう時ハルはすごいと思う。
思ったこと口に出せるって言うか出ちゃうって言うか。
「ハッハッハ。元気なお嬢ちゃんだな!この角は本物だぞ?俺は竜人族だ。」
おっ。新しい異世界ファンタジー要素来た!
昨日調べ物した中でこの世界の人種は調べていたが…。いきなり会えるとは。
てっきり闘気についても精霊が対応してくれると思ってた。
「竜人族…ってことは竜…ドラゴンもやはりこの世界には存在するのか?」
「かなり数は少ないがな。俺たち竜人族は古代に竜から血を分け与えてもらった者たちの末裔だ。」
おー。ファンタジーだ!
「さて闘気を学ぶって事で良かったんだよな?」
「はい!ちなみに闘気ってなーに?」
ハルの質問が飛ぶ。
「よし。じゃあ闘気が何なのかから説明しよう。まずは見せてみるか。…ハッ!」
ゼノンさんが気合いを入れると身体からオーラが立ち上る。
「おー。なんかよく分からないけどすごーい!」
感想がバカっぽいぞハル…。
「このオーラが闘気そのものだな。これで何が出来るかって言うと、大きく分けて3つある。何だかわかるか?」
「えーわかんないよー。」
3つか…。
「そうだな…身体強化は何となくわかる。あと2つか。」
「おー。そうだな。身体強化はその通りだ。根本的な肉体の強化だな。ちなみにその場合今の俺のようにオーラを纏う必要はない。この纏っている状態が2つ目。オーラその物が武器にも防具にもなる。」
「なるほど。身体強化は身体の中で闘気を使うって感じか?」
「その通り!ユウキなかなかスジがいいな!」
「ユウキすごーい!」
まぁ昔から漫画とかゲームとか大好きだったからな。子供の頃からこういうの憧れてたからこそ…だな。
ちょっとオタクっぽいから大きい声で言えないけど…。
「それで3つ目は何なんだ?」
「あぁ。まぁ2つ目に近いっちゃー近いんだが、この纏ったオーラを放つんだ。こんな感じで…はっ!」
ゼノンさんがかざした手から闘気の塊が放たれる。
部屋の奥にある的に当たり爆発を起こす。
「すごーい!!ねぇ?ユウキ?凄いよ!!あれ!」
「あぁそうだな。」
「さて闘気で出来ることはこんな所だが、じゃあ闘気ってのは何なんだって話だな。ちなみに魔力はもう学んだんだよな?魔力って何か学んだか?」
おっと。ゼノンさん見た目はなかなかごっついThe戦士って感じだけど意外と論理的というか知的な感じなのか。
「いやそれは学んでいないな。」
「そうなのか。マリクの奴ちゃんとそこから教えないから時間かかるってアレだけ言ってやったのに…。」
「時間かかる?」
「あぁ。感覚だけで教えようとするから1週間、1ヶ月とかかってしまう奴が多いんだよ。魔力とか存在しない世界から来てる奴にいきなり魔力を感じてみよう!って言ったって出来るわけないだろうに。」
へー。感覚だと時間かかるものなのかぁ。
「私できたよ!」
そうなんです。ここに感覚派の天才が居るのです。
「お、そうなのか?1日2日ぐらいか?」
「15分ぐらいだ…。でそこからすぐに属性付けるところまでできていたよ。」
「…え?…嘘だろ?2人の世界は魔力あったのか?」
「いや無いな。」
「となるとその嬢ちゃんがセンスの塊だったってことか。」
「嬢ちゃんじゃないよー!ハルだよー!」
「悪い悪いハル。まぁハルには理論的な説明いらないかもしれんが闘気と魔力が何なのかってのは知ってても損はないからな。」
それは確かにそうだな。昨日の調べ物ではそこは調べなかったしな。
「じゃあよろしく頼む。」
「おう。まずは魔力。これは人の体内にもあるがどちらかと言うと世界中に充満しているものだ。空気中とか、後は魔力を宿した武具とかもあるな。魔物も魔力は持っている。。元々どこから来たかはわからん。そして体内の魔力と空気中や、魔力を宿した武具の魔力と掛け合わせて魔法を使うってことだ。」
「つまり自身の魔力と他の魔力を掛け合わせることが魔法になるってことか?」
「まぁもっと細かく言うと色々あるが、そんな感じだな。2人適正のある属性がどちらかと言うと自身の中の魔力。でも自身だけの魔力だと魔法にならず、空気中の魔力と掛け合わせることで属性を持たせた魔力つまり魔法になるってことだな。まぁ逆でも出来るのだけどな。」
何となく身体で理解していたものはその逆の方だったんだが…。
まぁもう出来るようになってるし深く考えなくてもいいか。
「そして闘気。これはまず物には宿らない。魔物も持たない。生命力のあるものだけが持っている。」
「魔物には生命力がないのか?」
「いい質問だ。魔物ってのはどちらかって言うと精霊に近い存在だな。つまり魔力生命体ってことだ。だから精霊も闘気は使えない。ただし魔力についてはとても強い。魔物も魔力は強いが殆どの魔物は知能が無いからか、魔力を掛け合わせて魔法にするってのはできないと思っていい。」
「なるほどな。でも思っていいって言うのは何か含みがあるな?」
断言してないってことはそう言うことなんだろうな。
「本当にお前の世界には魔力も無いのか?」
「あぁ。魔物も居ない。闘気もないな。」
「マジかよ…。にしては理解が早すぎるぞ。お前の言う通りだ。基本的にはない。だが知能が高い魔物も中にはいるんだ。そういう魔物は魔法も使う。…いや正確に伝えた方がいいな。魔法とは違うが同じようなことをしてくる。だな。」
魔法と同じようなもの…か。
んー。当てたいなぁ。
「…ブレスか?」
「ユウキー。魔物が腕輪してるの??ユウキとお揃い?」
「ハルそれはブレスレットを言ってるんだな?そうじゃないよ。…そうだな。ドラゴンとかが口から吐く炎とかだな。」
「あー!なるほど!」
ハル…。なるほどじゃないんだよ。この子大丈夫か?
まぁ可愛いしいいか。…いいのか?
「何度も言うのもアレだがお前本当に何なんだ?その通りだ。ブレスとかがそうだな。まぁ口から吐くものだけではないけどな。」
おー。合ってた。まぁゲームとか漫画ではよくある話だからな。
「まぁそういうことを想像できるものが元の世界にもあったんだよ。」
「そうなのか。まぁわかってるならいいか。では次は闘気についてだな。」




