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俺がラスボス?  作者: いぬちく


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136 俺がラスボス

この話含めあと4話で完結となります。

水晶に映し出された俺の本当の役割。


【ラスボス】


俺もハルも思わず絶句する。


「えっと…ラスボスって最後のボスって事…だよね?」

「俺の知ってるものであればそうだな」


確かに俺は1度ハルにとってのラスボスになろうとしたよ?

まさか、俺のその行動自体が、この役割のせいだったって…ことか?


「ルーナさんこれはどう捉えればいいと思う?」

「これは…流石になんと言うか…」


ルーナさんも反応に困っている。


この世界に来て、

俺が【世界を滅ぼすモノ】

ハルが【世界を破滅から救う者】

ってわかった。


俺は世界を滅ぼす気もなくて、

ハルを元の世界に帰らせるためハルにとっての【ラスボス】になろうとした。


その後ハルと共にこの世界で生きていくと決めた。


【世界を滅ぼすモノ】は俺の役割ではなく、

俺の中にいた悪意の集合体の役割だった。


そして俺の身体からソイツが抜けた今改めて役割を調べたら【ラスボス】と。


「創造神がこれ決めてるんだよな?」

「そのはずです。ですがこれは…何に対してのものなのか…?」


ラスボス…。

この世界にとってのラスボス?

誰に対して?


「んー。ユウキは良い魔王なんだし、良いラスボスでいいんじゃない?悪い人達からすればユウキがラスボス…みたいな?」


「ハル…。それでいくなら世界を救う者のハルこそ悪い奴らからすればラスボスだろ?」


「あ、そっか。じゃあ私もラスボス!」


ハルが元気よく答える。


「おいおい。ハルもラスボスって…。でも、まぁいいか。【世界を滅ぼすモノ】だと思ってたんだ。今更【ラスボス】とか言われても大したことないか」


何のラスボスかもわからないしな。

これがハルに対してのラスボスだったなら俺は役割なんぞ無視してハルと過ごす。

世界に対してだとしても俺はこの世界で生きる。


今更創造神の決めた役割なんぞ知らねぇって。


「うん。決めた。ハルの言う通りだ。俺はラスボスだ。俺の大切な存在に害をなす者達にとってのな」


「それで…その【ラスボス】は剣を合わせるのに事足りる存在なのか??」

ジュリアさんが声を掛けてくる。


あ、そうか。そもそも役割調べ直したのはその為か。


魔剣ルインと聖剣セイブを元の一本にする。

つまり創造神が使っていたとする元の剣に戻す。


…その力に耐えられるかどうか。


「きっと大丈夫だよ!だってラスボスでしょ?ラスボスは最強って決まってるじゃん?」


ラスボスは最強……か。

「でもラスボスって最強だけど結局倒される存在なんだぞ?」

「えー?何で?ラスボスが仲間になったっていいじゃん?」


…この子は。なんて言うか。

本当に純粋でポジティブなんだよな。

きっと初めから全てを話していたとしても何も変わらないんだろうな…いや変わらないどころか俺の事を救ってくれただろう。


「ハル。やっぱりハルは最高だよ」

「え??何?急に??」

「俺にとって最高の女神だって事!」


俺はハルを抱きしめる。


「あー。結局こいつらどこまでもイチャつくわけね」

「いいじゃないか。なんと言っても純情カップルの英雄様だぞ?」

「今はまだ勝てませんね…。何ですかあのピュアさは」


「やはり愛…愛は全てを解決できる…」


なんか後ろで色々言われてんな。

最後のルーナさんのだけは何か違う気がするけども。



俺はハルを抱きしめたまま…

「ハル聖剣を貸してくれ。俺にできるかわからないけど…」

「うん。ユウキならきっと大丈夫。必ず上手くいくよ…ねぇユウキ?」

「うん?」

ハルから呼ばれ身体を離して顔を見る。


すると…


ハルからキスをされる。


「えへへ。上手くいくおまじない。ユウキには私がついてるからね。大好きだよ。ユウキ」

「俺も大好きだハル。…とっとと終わらせてくる!」


ハルから聖剣セイブを受け取り右手に持つ。

左手には魔剣ルイン。


さて…この二本を合わせる…か。


って、どうやるんだ?


とりあえず二本の剣を十字に合わせてみる。


「魔剣ルイン、聖剣セイブ俺に力を貸してくれ!」


魔剣ルインは漆黒の輝きを、


聖剣セイブは純白の輝きを、


二本の剣がそれぞれの光を纏い一つになっていく。


「これが……」


どこからか声が聞こえてくる…

(そう。僕が使っていた剣…ルミナイン。始まりと終わりを司る剣だ)


「…ルミナイン……。お前は…?」


(君達が創造神と呼ぶものさ。しかし…なんて言うか君は…規格外だね)


「どういう意味だ?」


(この世界に来るはずではなかった。僕のルールの外に居て…アレをその身に宿しても心を失わず…今僕の力を手にしても壊れない)


なんかとてつもないこと言われてないか?

この世界の創造神なんだろ?


「…俺はなんなんだ?ラスボスはお前がつけたんだろ?」


(あぁ。それか。君の事を見ていたからね。ラスボスって言ってたじゃないか。その響きが気に入ったから与えてみたよ)


おい。この世界の力ある者たちはみんなそんな感じなのか??


「じゃあこのラスボスに意味は?」


(意味は自分で決めればいいさ。と言うかもうさっき決めていたじゃないか。それも気に入った。僕のルール外の存在が1人ぐらいいた方がこの世界も楽しくなりそうだからね)


あー。そうかそういや創造神はパリピの陽キャだったか。楽しければいいじゃん?的な。


「…なら俺の好き勝手にさせてもらっていいんだな?」


(構わない。その君の力は僕にも届く。神になりたければなればいい)


神になる…か。


「そんなもん興味無いさ。俺はハルが居ればいい」


(好きにすればいい。さぁその力でアレを倒すんだろう?アレは言ってみれば僕の世界の…僕のやらかしだ。後始末を押し付けるようですまないね)


「別にお前の為じゃない。俺がみんなと…ハルと一緒に居る為だ」


俺は剣…ルミナインを手に先程出来た大穴の淵まで進んでいく。


大穴の反対側ではアイツが…【全てを滅ぼすモノ】がその身に黒い炎を纏っていた。


「さぁ終わりにしようか。ラスボスの力見せてやる」

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