133 黒と白
皆の声が聞こえている。
俺を助けようと皆頑張ってくれているんだ。
俺も何もせずにただ待っているだけって訳にはいかない。
身体は動かなくても…考えることはできる。
…どうやらコイツは俺の魔王の力を使えていない。
俺の魂…心が消えてないのが理由…かな?
自身の持つ滅びの力だけ…それでも俺の力より強いんだろうが。
少しで良い…コイツの力を…意識をこちらに向けられれば…ハル達が楽になるか?
「俺はまだ!消えてない!!」
魔力も闘気も出せないけど身体の中に感じることは出来る。とにかく高めてやる!!
身体の中が熱くなっていく。
高めた魔力と闘気が混ざりあっていく。
闘魔の融合。
滅ぼす為の力。
俺はこの力を使ってハルを守る。
アイツに身体を支配されてから無くなっていた感覚が戻ってくる。
ハル達の光が消えてから、闇の中に戻っていたけど視界も戻ってきた。とは言え周りは闇だけどな。
俺の言葉に反応したのか闇の中でアイツの声が聞こえてくる。
(貴様!何故消えテいなイ!!)
「お!?ようやく気づいたか!俺の身体返してもらうぞ!」
(貴様ノ魂が消えて無イから魔王ノ力が使えなかっタ!!何故我ノ力に耐えらレル!?)
「知るかよ!俺がしぶといのか、お前の力が大したことないのかどっちかじゃないのか??」
何もない空間に黒い力が集まっていき人の姿になる。
真っ黒な…俺?
「人の姿真似するのやめて貰えるか?ってそうかお前悪意の集合体だったな。自分が誰なのかもわからないだよな」
リクはその中の一人だったんだろう。
「うるさイ!!貴様ハこの場デ消し去っテくれル!!」
真っ暗な空間で何も見えず、何も聞こえず、何も感じられなかったままならきっと俺はそのまま消えていただろう…でも…
「俺は皆の元へ…ハルの元へ…戻るんだ!!お前に身体をくれてやる訳にはいかない!」
「黙レ!黙れ!黙レェェェェ!我ハ全てヲ滅ぼスモノ!貴様モ我ヲ宿しタ時滅ぼスモノになっタ!我ト共二この世界ヲ滅ぼスのダ!」
「お断りだな。俺はこの世界で生きるって決めたんだ!!滅びたいならお前だけ滅んでくれ!!」
アイツがが現れたせいなのか、俺自身の問題なのか、身体から出せなかったが黒い力を全身に纏えるようになった。
アイツの放ってきた力とと俺の黒い力がぶつかり合う。
「グゥ!我ノ力と互角だト!?」
「そんな簡単に消えてやれないからな!」
皆が…ハルが俺を助けようと頑張ってくれてるんだ。
俺も踏ん張らないとな!!
〜〜ハルサイド〜〜
私はユウキに向かって走り出す。
女神ルーナさまの力で黒い力は消滅した。
ユウキの身体はクリスタルの鎖で封じられてる。
後は私が…
ユウキ…。
私の大事な人。
初めて会った時からずっと好き。
この世界に召喚された時一緒で本当に良かったよ。
本来ユウキはその対象じゃ無かった。もしかしたら私のせいで一緒に来ることになったのかも。
でも私はユウキがいてくれて…嬉しかった。
この世界に来て役割があるって言われて、旅をして、色んな人に出会って、魔物と戦って…
私が女神で、ユウキが魔王で…
ユウキの中にユウキじゃない存在がいて…
もう色んなこと起こりすぎだよね。
でも…それでも私はユウキと一緒なら、ユウキさえ居てくれるんだったら大丈夫。
また一緒に旅をしよう?
何が起きても一緒にいれば乗り越えられるって思えるから。
「ユウキッ!!大好きっっ!!!」
私はユウキに向かって飛び込み…
そのままキスをした。
〜〜ユウキサイド〜〜
「くっ!いい加減諦めてくれないか?」
「黙レ!貴様こソさっさト消えロ」
やはり俺1人じゃコイツをどうにかするのは難しい
…。
ハル…。いつもいつも助けてもらっちゃってごめんな。
ハルがいてくれるから俺は頑張れる。
この世界に本来俺は来るはずでは無かったらしい。それが何故ハルと一緒に召喚されたのかはわからない。
でも一緒で良かった。きっと元の世界で目の前でハルだけが消えていたら俺は耐えられなかったと思う。
あの時はただの片想いだと思ってたけどな。
身体を取り戻して…自由になれたら…
ハルを抱きしめたい。
そして改めて伝えたい。
これからもずっと一緒に居よう。
…愛してる。と。
だからこんな所で……
「消えてやる訳にはいかないんだ!!」
その時、闇の世界に光が射し込んだ。
「コ、これハ!!女神ノ力だト!!」
ハルの力が俺の身体に流れ込んでくる。
暖かくて優しい力。
ハルの…女神の力。
「俺の女神が迎えに来てくれたようだ。さぁ!今度こそ俺の身体返してもらうぞ!!」
「や、やめロ!」
ハルの力と俺の力を合わせてアイツに向かって放つ。
白と黒の力が混ざり合いアイツを飲み込み…
全てが光に包まれた。




