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俺がラスボス?  作者: いぬちく


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131 私のモノ

ルーナさんがユウキ?を縛り上げていた光が四散する。


「…グ…我ヲ縛り上げルとハナ。流石は原初の精霊と言うところカ。……だガ我を倒すことはできナイ」


身体が自由になったユウキ?は改めて闇の力を纏った。


あの黒い力をどうにか防がないといけないんだよね。


「さァ今度こそ滅ぼしてヤル」


そう言って右手に持っている魔剣をこちらに向ける。


「来るぞ!!俺は物理しか防げねぇ!魔剣での攻撃は任せろ!魔法とあの黒いやつは二人に任せるからな!」

「私の炎で魔法は防いでみせる!」


ゼノンとジュリアさんが前に出る。


…炎…か。

ミナトに放った私の白い炎…。

あれなら…何か効果ある?

ミナトの魔王の魂?を消し飛ばしたんだよね。

ユウキに使ったらどうなるの?

…傷つけちゃう?


「……えーい!考えたってわかんない!!とりあえずやっちゃえ!!」


「ハル?何を!?」


私は聖剣に力を込める。

聖剣が真っ白な炎を纏う。

出来た!これで……


「ユウキ!!熱かったらごめんね!!…いっけェェェ!!」


私の放った真っ白な炎はユウキに向かって一直線に迫る。


「こんなモノ!魔剣ヨ!力を示セ!」


ユウキ?が魔剣を構えてる。

魔剣の力で相殺するつもり?


だけど……


…魔剣は何も反応しなかった。


そのままユウキ?は白い炎に飲み込まれる。


「ガァァァァ!何故ダ!我は魔王の魂モ取り込んダ!何故……何故魔剣が反応しなイ!?…グゥゥ…こんなモノ……ウガァァァァッ!」

ユウキ?は魔剣を投げ捨て自分の黒い力で白い炎を吹き飛ばす。


「効果は…あるみたい!」


さっきまでとは違い感じる力が弱まった気がする。

纏っていた黒い力も減っているよね。


「…グゥゥ。やはり貴様の存在ガ邪魔ヲするカ。この男ガ初めテ我の力に触れタあの日貴様ガ居なけバ…あの日全てガ終わっテいたのダ」


「ふふん!私はなんたって世界を救う者だからね!…私が救うのは…世界だけじゃない!全てを救う!ユウキも救うの!!」


「黙レ!!この世界二救いナド必要ナイ!!…滅ベ!滅ぶのダ!!」


ユウキ?の放つ黒い力は私の白い炎で。

時折放ってくる魔法はジュリアさんの紅い炎で防ぐ。


「……魔剣ガ使い物にならないのならバ!」

黒い力が集まっていき…剣の形になる。


「使い物にならヌ魔王の武器ナド要らヌ!この剣デ!!」

「…ならばコレは頂きますね?」


「アクアちゃん!?」

アクアちゃんが捨てられた魔剣を手にしていた。


「魔剣よ!!貴方はユウキ様の事を認めたのでしょう!…貴方の主を救うのに力を貸しなさい!!」


アクアちゃんの言葉に…魔剣が反応する。

闇に染まった右半身からユウキと同じ黒い力が発せられる。

あの今のユウキ?とは違う。黒いけど禍々しくない力。


「アクアちゃんその力は?」

「はい!ユウキ様と同じ…魔王の力です!この半身を染めているのは魔王の力。あの滅ぼすモノとは同じだけど違う力!そして今、魔剣が教えてくれました!ユウキ様が魔剣に望んだのは…災いを滅ぼす事!そして魔剣もそれを認めた。この魔剣は世界を滅ぼすための力ではなくなっているのです!」


「つまりこの世界を守る力になってくれてるってことだね!」


ユウキはやっぱり凄いんだ!

世界を滅ぼそうとした魔王が使っていた魔剣すら味方にしちゃうんだから!


「…何ヲ言っていル?闇の力が世界ヲ守るだト?魔王はこの世界ノ災いダ。そしテ魔剣ハその為ノ武器ダ」

「過去はそうだったとしても今は違うということです!!貴方に魔剣が力を貸さなかったことが証拠です!」


「ユウキは良い魔王なんだよ!その魔王を認めた魔剣も……良い魔剣ってことだよ!!」


「クク。良い魔剣ってなんだよ?…だが悪くねぇ。ユウキを助けて…この世界初の良い魔王として君臨してもらおうじゃねぇか!!」


ゼノンが笑っている。

ジュリアさんもそれに続き、


「そうだな。人、エルフ、精霊、女神。そこに魔王も加わるなんて…素晴らし過ぎるじゃないか!全ての種族が手を取り合える世界だ!」


そうだよ。皆で仲良く暮らせばいいんだよ。

滅ぼすとか支配するとかそんなの無ければいいんだよ

ね。


「…もしかしたらこれまでの私達の行いが間違っていたのかもしれません。災いになりうる可能性がある者を封じてきた…。それがあの存在を生んでしまった…」

「ルーナ様。それは違います。少なくともこの世界に害をなさないと約束した方々は封印してきていないではないですか」


「アクア…」


「全てノ種族ガ手を取り合うダト?そんな事ハ有り得ナイ!!全てノ種族ヲ平等にト言うならバ、それハ全て滅びル事ダ!!我ガ!この身体デ!全てヲ滅ぼス!!」


ユウキ?が自身の力を剣にしたものをこちらに向けてくる。

どんなに言っても通じないんだね。


「そんなこと……そんなことにユウキの身体を使わないで!!ユウキは滅ぼすことなんて望んでない!!」


「黙レ!!最早この男ノ魂ナド消えタ!!この身体ハ我の物ダ!」


…あれ?この人何言ってるの?

ユウキの魂は消えてない。さっきちゃんと話できたのに。身体の中にまだユウキの魂が残っていることに気づいていない?

もしかしてユウキの全てを使えてるわけじゃない?


「…ハル様。もしかしたらですが…」

「うん。多分同じこと私も考えてるよ。きっとユウキ自身の力は使えてないんだよね。魔剣を使えなかった事もそれかな?って」


「そうだと思います。ユウキ様の身体を無理矢理使っているだけなのであれば、やはり切り離すことも出来るはずです」


ユウキは魔王と同じ力を使えていた。

アイツの力はルーナさんが封印していたから使ってない。

それでもユウキは強かった。カッコよかった。


いつも周りを助けて…私のことを大事にしてくれた。


そんなユウキの身体を世界を滅ぼす道具になんかさせない。


ユウキは……


「ユウキは私のモノなんだから!!」


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