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俺がラスボス?  作者: いぬちく


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130 諦めないで

ハル達との繋がりは切れた事で光は無くなり何も見えない暗黒の状態に戻った。

でもさっきまでの何も考えられないって状態ではない。


「さて。助けると言ってくれたハルの為にも俺も何もしない訳にはいかない…が。この状況どうしようか…」


とりあえず魔力、闘気と何か出来ないか試してみるか。


「どうせやるなら強いヤツだな。前は制御できなかったけど………トルネード!」


…術は発動しなかった。というか、見えないから出てるのかもわからないが正解か。

でも身体から魔力が抜ける感じもない。


闘気も試したが同じだった。


「うーん。身体の中に魔力や闘気を感じることはできるんだけどな…」


そもそも今の俺は実体ではないのか。

俺の身体自体はアイツに使われている。


そうなると今の俺は…なんだ?魂?


それでも手足を動かしている感覚は…ある。

自分の顔を右手で触れば顔に触れる事もできる。

と、その時顔に手ではない感触を感じた。


「これは…腕輪…ルーナさんから貰った収納の力がある腕輪………。でもここで何かを出したところで…」


取り出せるのは魔石や金貨…後はハート型のベッドか。

役に立つとは…思えないな。


そもそも実体じゃない俺の着けてるこの腕輪が同じ力を持っているのか?


「とにかく、待ってるだけじゃダメだな。できること全て試してみよう。…必ず…必ずハルの元へ……帰ってみせる!」


~~ハルサイド~~


「…ユウキ!……あ。ここは?」

「ハル様ごめんなさい。限界だったみたいで…」


見るとアクアちゃんが座り込んでいた。

その右半身は黒く染まったまま。

右目は元の綺麗な青い瞳ではなく紅くなっていた。


「アクアちゃん!大丈夫?今私の力で…」

「…このままで大丈夫です」


女神の力を使おうとする私をアクアちゃんが止める。

なんで?こんなに辛そうなのに?


「でも…どう見ても大丈夫そうじゃないよ?」

「いえ…ちょっと慣れてきました。この右半身にはあの者と同質の力。この身体に馴染めば利用できるのではないかと」


「アクア!?その力は危険過ぎます!闇の眷属でないアクアが使うのは…!」


ルーナさんがアクアちゃんに声をかける。


「いえルーナ様。1度闇に堕ちたからでしょうか…今回は暴走することなく使えそうです。…ハル様…ヤキモチ妬かないでくださいね?」


「え?ヤキモチ?…なんで??」

「ふふっ。この力はユウキ様とお揃いですから…」


そう言ってアクアちゃんが微笑む。


「あー!!ってアクアちゃんこんな時に変なこと言わないで!?」

「ふふふっ。それぐらい大丈夫ってことですよ?……身体も落ち着いてきました。これなら動いても大丈夫そうです。さぁハル様…ここからどうしましょうか?」


これからどうするか……

ユウキの意識はまだ残ってるんだよね。

諦めないでいてくれているはず。

きっとユウキも何かをしようとしてくれてる。


ここからユウキを助けるには…


「ユウキの身体からアイツ追い出すか、ユウキが身体を取り戻すか…どちらかかな?」


ユウキが自分で身体を取り戻すこともあるかもしれない。でも自分で無理だとしたら…

それが出来るのはきっと…私の力。


後はどうやってと考えているとルーナさんから声を掛けられる。

「…ハル様そろそろ縛り上げている私の力も切れます…。同じ事をするには力を溜めなおさないといけません。その間皆を護ることが出来なくなるかと…」


「うん。わかったよ!…まずはあの黒い力を少しでもどうにかしなきゃだよね。ルーナさん後でもう一度今の力使って欲しいの。その為の時間は何とかしてみるから!」


ルーナさんの護りが使えなくなる。

あの闇を防げるのは私の力だけ…

私が…何とかしなきゃ…!!


「ハル様?抜け駆けはダメですよ?私も行きますからね?」

「アクアちゃん……」


アクアちゃんが立ち上がる。


「何かユウキを助ける方法が見つかったんだろ?俺達にも手伝わせろよ?」


私の後ろから声がする。


「ゼノン…!ジュリアさん!大丈夫なの?」


先程吹き飛ばされていったゼノン達がそこに居た。


「あぁ精霊に助けて貰ってな。回復もしてもらった。で?何をすればいい?」

「私達の力がアイツに届くかはわからんが…ハルは何をするつもりなんだ?」


「ユウキの意識はまだ消えてなかったの。さっきはアクアちゃんとユウキの繋がりで無理矢理繋がった。だから今度は直接触れて女神の力を流し込めば…」


「今のアイツに近づくってことか!?いくら何でも無茶だぞ!?さっきミナトを消滅させたあの力を喰らったら…いくら女神の力でも…」


「うん。ダメだと思う。だからルーナさんにさっきの力でもう一度止めてもらう。今から、その為の時間を稼ぐの!」


「へっ。それだって十分無茶だけどな…。でもまぁユウキを助けるための時間稼ぎか…」

「倒す訳じゃない…救うためだな。」

「あいつを傷つけるわけではないってことか。とにかくルーナとハルを守れば良いわけだな!」


ゼノンとジュリアさん…。

二人も一緒に戦ってくれる…ううん。戦うじゃないね。

ユウキを助ける!だね!


ユウキ……私だけじゃない。

皆…皆ユウキのこと助けたいって思ってるんだよ?


だから…


諦めないで……

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