128 今行くからね
暗い……。
ここは……。
俺は………。
(貴様の身体は我が貰い受けた)
お前…リク…俺の身体…
(リクか……その名は我のものなのかもわからんな。我は全てを滅ぼすモノ。貴様の魔王の力と融合することで更なる力を得た。最早何者であっても止めることなどできん。貴様の魂もこのまま消えていくだろう)
俺は……俺は……
(もう眠るのだ。貴様が目覚めることはもう…無い)
闇が俺を包んでいく………。
…………ハ……ル………
~~ハルサイド~~
「ユウキ!!しっかりして!」
ユウキが黒いモヤモヤ…闇を纏ってる。
あの時…初めてユウキの力が暴走した時と同じように…ううん。あの時よりもっと強い力…。
「女神の力を持つ者ヨ。ユウキという名の男はもう消えタ。諦めロ。だが案ずるナ。貴様らもすぐに消えル」
ユウキの姿をした何者かが私に話しかけてくる。
…ユウキが消えた?
「貴方は誰なの?リクって存在?ユウキを返して!」
「我は世界を滅ぼすモノ……いや、この男の魔王の力を得たことデ、更なる力を得タ。我は……全てを滅ぼすモノ」
ユウキの魔王の力を得た?
全てを滅ぼすモノ?
そんなの…そんなの……
「そんなのダメ!ユウキは…ユウキは!この世界で生きていくって決めてくれた!私と一緒に生きていくって!!」
「それがどうしタ?…あァそうダ。我の封印を解いタその男に褒美を与えてやらなければナ」
そう言ってミナトに向けて手をかざす。
「…褒美?…それなら!この世界を滅ぼしてくれ!」
「言われるまでもナイ。だがその前二…」
「え?何を…」
「貴様から滅ぶがイイ」
かざした手から闇が放たれてミナトを包む。
最後の断末魔すらなくミナトが消える。
塵一つ残さず…。
「ミナトォォ!!……テメェ!よくも!」
「何を怒っていル?貴様らの敵だろウ?」
「テメェェェェ!!」
ゼノンが怒りに任せて剣を振るう。
剣から放たれた斬撃波がユウキ?を襲う。
「フン。この程度のモノがで我に届くとでモ?」
斬撃波を防ぐこともなく直撃するが傷1つつかない。
「効かないだと?ならばフィング!俺に力を!!」
「ゼノン!だめ!あれはユウキなんだよ!!」
「…くっ!」
更なる攻撃を仕掛けようとするゼノンを止める。
そう。あれはユウキなの。
「ルーナ!何か手はないのか?」
「…あれは最早私の存在より上かもしれません…」
ジュリアさんの問にルーナさんがとんでもない事言ってる。
精霊王って神様の次なんじゃないの?
それより上って…神様なの?
「ククク。精霊王ヨ。貴様が長い年月をかけて処理してきタこの世界の災いとされた者たチ。その全てが我ダ。そしてこの男。本来この世界に召喚されるはずでは無かっタ。その男がこうして我の器になっタ。この世界ガ滅びル運命という事ダ」
「……私達が世界を守るために行った事が、結果貴方を生んだと?」
「そうダと言っていル。つまり貴様が世界を滅ぼすノダ」
「…そんな…そんな事が…」
ユウキ?の言葉でルーナさんが言葉を失ってる。
…違う。それは…きっと違う。
「違う!ルーナさんはこの世界を守ってきた!女神様が居なくなってからのこの世界を!女神様が愛したこの世界の人達を!」
「フン。だが滅ブ。我が滅ぼス」
「そんな事…させない!ユウキの身体を使ってそんな事!」
「ハル!一旦動きを止めるんだ!」
「ユウキ!少しの怪我は許せよ!」
ジュリアさんとゼノンが神器を手にユウキに向かって行く。
「もう話すこともナイ。終わらせてヤル!」
ユウキ?の身体から闇の力が放たれる。
その力はゼノンを、ジュリアさんを吹き飛ばす。
「がぁっ!」
「カハッ!!」
吹き飛ばされた二人はそのまま倒れ込んでしまう。
「ゼノン!ジュリアさん!!」
「ハル様!危ない!!…シルフ!ノーム!二人を!」
私に迫っていた闇の力がルーナさんの水晶で防がれる。
そしてルーナさんの指示でシルフちゃんとノームちゃんが二人を守りに行く。
「どうすればいいの?私ユウキと戦うなんて嫌だよ?」
「…ルーナ様。少しだけ時間を稼いで貰えますか?」
アクアちゃんがルーナさんに声をかける。
その間もユウキ?から放たれる闇の力が襲ってくるのをルーナさんの水晶が防いでくれる。
「アクア…何か手があるのですか?」
「私とユウキ様は繋がりがあります。きっと私の声ではもう届かない程闇に飲まれてしまっています。でもハル様の声なら…」
アクアちゃんが私の方を見てくる。
「……私の声?」
「はい。ハル様。私の手を取ってください。私の魂とハル様の魂をリンクさせます。そしてユウキ様へ呼びかけてください」
「アクア!!それは危険すぎます!!」
「ルーナ様!危険は承知です!…大丈夫です。ハル様に危険はありません。私が二人を繋ぐ媒体になるだけです」
「女神とあの魔王を超えた存在の間に入り込んだら貴方の魂が持ちません!」
「ルーナ様!私はユウキ様に仕えると…ユウキをお慕いすると誓いました!!…でも私だけでは助けられない…。ハル様なら…!」
アクアちゃんが泣いている。
そうか。アクアちゃんもユウキの事…本気で好きなんだ。
「…アクアちゃん。きっと私だけでも助けられないよ。だからアクアちゃん力を貸してくれる?」
「ハル様っ!?」
「…はい。喜んで。あの方の為ならこの魂…命も捧げ…」
「ダメ!!」
「え?」
そんな事したらきっとユウキは悲しむ。自分の為に誰かが犠牲になるとか絶対ユウキは許さない。
「犠牲なっちゃダメ。私の力でアクアちゃんを守る。だから一緒に呼びかけよう?大丈夫。アクアちゃんの声も届く…ううん。私だけじゃなくて一緒じゃないときっと届かない」
「ハル様…。わかりました…」
「ハル様!さすが女神です!…あの時守れなかった
何も出来なかった私ですが…今この時全開で行きます!」
ルーナさんから金色の光が放たれる。
「精霊王の……いえ。原初の精霊の力見せてあげます!」
ルーナさんが放った光がユウキ?の身体を縛り付ける。
「クッ!この力!?…貴様!?」
「ハル様!アクア!今です!あまり長くは持ちません!!」
「アクアちゃん!行くよ!」
そう言いアクアちゃんの手を取る。
「はい!…ハァァァァ!」
アクアちゃんの力が…魂が私に流れ込んでくる。
…ユウキ。今助けに行くからね…




