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俺がラスボス?  作者: いぬちく


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123 誓う

ジュリアさんの部屋を出てハルの元へ向かう。


「しかし冗談が過ぎるなジュリアさんは…。あんなの下手すりゃ…」


1人つぶやきながら歩いていると…


「あ。この部屋は…」


この世界に来て俺とハルの役割(ジョブ)を知った部屋。


「ここか。ここからこの世界での冒険が始まったんだよな。」


そのまま歩いていくと…


「そしてこの部屋であの日俺の力が初めて発動して…暴走した」


アイツの…リクの力が表に出たのはあの1回きり。

あの日ハルが助けてくれなかったら俺は世界を滅ぼして居たのだろうか。

いやきっとルーナさんが封印してくれてたのかな?


(どうだろうナ)


頭の中に声が聞こえてくる。


お前から話しかけてくるか。

悪いがお前の望み通りになることはないぞ?


(ククク。貴様は我と共に滅びるつもりだったのではないのカ?貴様が生きると言うことは我も存在し続けるということだろウ?)


そうだな。この世界のためになら一緒に滅びる方が絶対良いんだろうな。

でも俺は世界よりハルの笑顔を選ぶ。


(世界より1人の女カ。それで世界が滅んでもいいのカ?)


舐めるなよ?俺の女は世界を破滅から救う者でしかも女神だ。俺が…お前が何をしようと、きっと世界を救うさ。


(どうだろうナ。まぁいい我はもう永久の時を過ごしてきタ。今更時間がかかろうとも変わらン。その機会が来るのを待つだけダ)


なあ。お前は世界を滅ぼす以外には何もないのか?

お前だって元は人なんだろう?


(くだらんナ。我と分かり合うつもりカ?)


そうなれたらいいなと思うよ。

そうすれば世界の滅びなんて気にしなくて済むしな。


(フン…)


そして声は聞こえなくなる。


「まぁそんな簡単にいくわけないよな」


~~


そしてハルの待つ部屋…俺達の部屋に着いた。

「ハル?入るぞー」

「はーい!」


返事を聞いて扉を開けて中に入ると…

勢いよくハルが飛び込んで来た


「うわっ!…と。びっくりした…」

「えへへ。おかえりなさいユウキ!」


俺に飛び込んで抱きついたハルが笑顔で迎えてくれる。

「ハル…ただいま」

「うんっ!…なんか新婚みたいだね?」


この数ヶ月一緒にいた訳だが、どちらかが待つ部屋に帰ってくるって無かったか…。

確かに……新婚っぽいな。


「そうだな。と言ってもこの数ヶ月ずっと一緒にいたじゃないか。その分ただいま、おかえりは確かにしてなかったけど…」

「うん。それはこれからもずっと一緒だよ?」

「あぁ。もちろんだ」

「うん!じゃあこっち来てー」


ハルが笑顔で俺の手を引きベッドへ座る。

この部屋このベッドのせいでソファーが置けなくなったんだよな…


「ハルも言いたいことあるんだろ?」

「んー。そうだね。いっぱいあるよ?」


おっと。いっぱいなのか…


「お手柔らかにな?」

「へへ。まずはねーユウキはいつから私の事好きだったの?」


「そういう質問なのか?…前に指輪を渡した時に言っただろ?元の世界の時からだよ」

「それは知ってるよー。元の世界にいる時のいつ?って話!」


ハルがちょっとムッとしながら続けてくる。

え?具体的に教えろってこと?


「…多分…いやきっと初めて会った時からだな。と言うよりそこで好きになったから声かけたんだと思う…」

「へーー。じゃあ、あの居酒屋ってことだね?」


覚えてやがるかってそりゃそうか。


「そうだよ。まぁ声掛けたらこんなに歳下だとわかって焦ったけどな」

「へへへー。じゃあ私と一緒だね!?」

「一緒?」


「うん!私もあの居酒屋でユウキに声を掛けられた時一目惚れしてた。最初はそんな歳上の友達とか居なかったから…歳上への憧れかなって思ってたけど…」


「そうじゃないのか?俺はずっと歳上だから頼ってくれてるだけだと思ってたぞ。こっちの世界に来てからもな」


頼れる相手が俺しかいなければそりゃ頼るしかないってな。


「ううん。出会った日には好きだったよ。だからこっちの世界に来た時怖かったし不安だったけど…ユウキとずっと一緒に居れるかもって思ったら嬉しくなってた。1人だったらって思うと今でも怖いけどね。私は最初からユウキとこの世界で生きてくって決めてたんだよ?」


この子は最初から俺と一緒にいることを決めてくれてたのか…。


「ハル…俺は…」

「うん。ユウキは違ったんだよね?それをねハッキリと聞きたいの…」


「俺はハルの役割を知って、俺の役割を知った時に一緒に帰ることが出来ないってわかった時、ハルを元の世界に帰らせることが最善だって決めつけてた」


「うん…」


「だから、俺はこの世界の俺以外の災いを全て倒して…最後にハルに倒されて…ハルを元の世界に帰らせようと決めてたんだ」


「だからユウキは私の事を帰すって言ってたんだね。一緒に帰ろうって言ってくれなかった。なんで一緒に帰ろうって言ってくれないの!?って不安だったんだからね?」


「ごめんな。でもハルには元の世界に家族も友人もいて人生これからだって思ってたからさ。…まさかハルが俺の事好きだとは思ってなかったし」


ここでハルが立ち上がり…

「むー。私結構アピールしてたんだけどなぁ。…でもユウキが私の為にっていうのは途中から気づいてたよ。ユウキは優しいから…自分のことより周りのこと気にしてる。だからユウキが自分を犠牲にして私を帰らせようとしてるって何となく気づいちゃった。…まさか私に倒されようとしてるとは思わなかったけど」


「そんなにわかりやすかったか?」


「ふふん!私はどこかの鈍感な人とは違うってことだね!」


ハルがドヤ顔になる。


「でも俺がハルを好きだってのは気づいてなかったんだろ?」

「それは…だってユウキが子供扱いしてくるから…」


ドヤ顔から一気にしゅんとなる。

何だこの可愛い生き物は。


「ハル。ありがとうな。俺はハルのためだと思ってたけどもう少しでハルの事をとんでもなく傷つけて悲しませる所だった」


「本当にそうだよ!もしそうなってたら私立ち直れなかったからね!?……改めて今ユウキが決めた事を教えて?もう私が不安にならなくていいように…」


「わかった…。俺はこの世界でハルと一緒に過ごすことを一番に決めた。俺は魔王の力を持ってて、世界を滅ぼす力を持ってるものが俺の中にいる。本来は世界のためには俺は居てはいけない存在なのかもしれない。…だけどそんな事関係ない。世界とか役割とか…そんなものより俺はハルを選ぶ。それが俺の今の覚悟。今後変わることは無いと誓うよ」


そう言う俺にハルが泣きながら飛び込んでくる。


「ユウキッ!!大好き!!」



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