120 任せておけ
皆に俺の隠していたことを話した。
驚いてはいたけど受け入れてもらえようだ。
本当に良い仲間達に恵まれたな俺は。
「後はいつミナトの所へ攻め込むかだな。ルーナさん何か準備は必要なのか?」
「いえ。行こうと思えば今すぐにでも可能です。後は……皆さん次第ですね」
流石は精霊王ってことか。
俺達次第……。
これが最後の戦いになるのかもしれないもんな…。
「わかった。じゃあ今日しっかり休んで明日にしようか。あまり時間をミナトに与えない方がいい気がする」
「そうだな。ミナトの野郎のことだ。何かしら仕込んでそうだ」
ゼノンが同意してくれる。
後は…
「ジュリアさん、ルーナさんはそれでいいか?」
「問題ない。1日貰えればコンディションは完璧にしてみせるさ」
「私も問題ないです。ハル様は大丈夫ですか?」
ジュリアさん、ルーナさんも問題なし。
ハルは……
「私はユウキが決めたならそれでいいよー!」
「相変わらずだな……。じゃあみんな今日はゆっくりしよう。ルーナさん念の為監視をお願いしても大丈夫か?」
「もちろんです。と言うよりもうしてますね。マリクに現地の監視をしてもらっています。実際突入する際はマリクの魔力を目印に跳びますので」
マリクさん姿を見ないと思ってたらそんなことになってたのか。
大精霊を監視に使う精霊王……。まぁ立場的にはそうなるのか。
「じゃあ改めてそれぞれ過ごそうか」
「あ!それなんだけど1つ提案があるの」
俺の声にハルが反応する、
提案?なんだ?
「どうしたハル?」
「うん。ユウキが全て話してくれたでしょ?それでね……なんて言うか皆多少思うところがあると思うんだ。もちろん私も…ね。だから1度それぞれと話した方がいいんじゃないかなって」
ふむ。皆すんなり受け入れてくれたように見えたけど実は……って事か。
「なるほど。確かにモヤモヤしたものがあるとしたらそれはハッキリさせておいた方がいいか…」
「かなぁ?って思って。あ。私はモヤモヤしてないよ?」
「ハルの言うことも一理あるな。俺は言いたいことあるぞ」
「私は……無くは無いか」
どうやらゼノン達はハルの意見に賛成のようだ。
「では皆様のお部屋をユウキ様が回るということで…」
ルーナさんが提案してくる。
「分かった。そうしよう。順番は…」
「ハル様が最後ですね。どうせイチャイチャするのでしょう?」
「……否定はしない」
「ふふ。正直ですねー最初の頃はそんな感じじゃなかったのに…ではまずは私からですね。皆様お部屋でお待ちください」
まずはルーナさんか。
他のみんなはそれぞれ部屋へ戻っていく。
残ったのはルーナさんとアクア。
精霊組だな。
「さてユウキ様。まずは友人としてお礼を言わせて頂きます」
「お礼?」
「はい。自信を犠牲にして終わらせる以外の選択肢を選んで頂けたことを」
そうか。ルーナさんはそう言っていたな。
「あぁ。それか。うん。まだ不安な面は正直あるけどな。本当にこれでいいのかと。この力を持つ俺がこのまま存在してていいのかと。ハルを元の世界に帰らせなくていいのかと。な。」
「全てに対して良いと言うことは出来ないのかもしれません。ですが、私個人としては良いと思いますし、精霊王としては…責任をもってユウキ様の力を封じるお手伝いを致します」
封印の腕輪…。これがある限りリクは自分の意思では出てこれない。俺が自ら外したりしない限りは…。
「そしてここからは精霊王としてユウキ様にお話させて頂きます」
突然ルーナさんが真剣な表情になる。
「精霊王として…?」
「はい。先程精霊王として封印のお手伝いをさせて頂きますとお伝えしましたが、本来精霊王としてであればユウキ様を自由にしてはいけなかったと思います」
「まぁそりゃ世界を滅ぼすモノだもんな」
「そうですね。そしてアクアから報告を受けましたが、ユウキ様は本来この世界に召喚されるべき存在ではなかった…証拠としてユウキ様ご自身に役割が無いと言うことです」
この世界に召喚される者は何かしらの役割を持つ。一番最初にルーナさんに教えてもらったことだな。
「それを踏まえて……ユウキ様がこの世界に居ていいのか…」
「…イレギュラー過ぎるか」
「はい。正直今でも封印するべきなのではないかと葛藤はあります。ですが以前もお伝えした通りハル様との愛を信じさせてもらいます」
愛か…。
この人も思えば最初から何もブレてないんだよな。迷い葛藤はありながら…それでも人を人の感情を信じるのか。
「何故そこまで信じてくれるんだ?ハルは女神の力を受け継ぐものとして…」
「……そうですね。後悔があるからでしょうか。…むかし女神と共に魔王と戦った際。女神は当初魔王すら救おうとしていました」
「魔王を?」
「はい。魔王とて話し合えば…心が通じれば…と。結果戦うことになり倒すことになりましたが、女神はその事を悔やんでいました。その後色々あり人に全てを渡す事になったのですが…。もしあの時女神の意志を尊重して魔王と手を取ることを選んでいたら…この世界がどうなっていたのだろうと」
「それを俺で確かめる…ってことか?」
「そこまでは言いません。魔王も違いますし、女神も違います。そもそも今代の魔王と女神はラブラブですから」
ラブラブって…真面目な話しててもその感じなのな。
「魔王と女神が手を取り合う世界を見たいという気持ちがあることは本当です。ですが、今思えばあの時私は嫉妬の心があったのかと…だから女神の願いに賛同できなかったのでは…と」
「精霊王とて個人の感情ぐらいあっていいだろ?それに魔王と女神が手を取る世界なんて奇跡みたいなもんじゃないのか?」
「そうですね。……ありがとうございます。お礼ついでにお願いです。私にその奇跡を見せてください。お二人の愛が起こす奇跡を……」
「……善処する...とは言わない」
「...そうですよね」
「任せておけ」
気づけば120話。ここまで書けたのも読んでくださる皆様のおかげです。
ブックマーク、評価、感想いただけてる方本当に嬉しいです!
ここからクライマックスの予定…。果たしてちゃんと終われるのか…。




