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俺がラスボス?  作者: いぬちく


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119 明かす

「いいの!」


「ハル?」


「ユウキの迷いとか不安とか…それが何なのかは聞かなくていいの。この世界で私と一緒に居てくれるって決めたユウキが話すのを躊躇うことなら無理しなくていい」


「…ハル。いいのか?」


「いいの。ユウキの不安も迷いも全部まとめて私が救う。救ってみせるよ」


俺の問に笑顔で答えるハル。


「救うって言うなら全て知ってた方がいいんじゃねーのか?何をどうすればいいのかもわからないだろ?」


「…ゼノンの言うこともわかるんだけどね。でも…なんて言えばいいかな。んーとねぇ…」

「…ハル様はユウキ様が何を考えてどんな選択をしたとしても傍にいるということですよね?だから聞いても聞かなくても何も変わらないと」


アクアがフォローをいれる。


「そう!そうだよ!アクアちゃんありがとう!…ちょっと付け足すと聞いちゃって気持ちが変わるのは嫌だなって……あ!ユウキの事好きな気持ちは何も変わらないよ?でもなんて言うか…」


サラッと皆の前で好きって言っちゃうのねこの子。


「ハル様には勝てませんね。こんな真っ直ぐな人なんて。…ユウキ様。ハル様を泣かせるようなことは許しませんよ?」


アクアに釘を刺される。


しかし本当に真っ直ぐなんだよな。

出会った時からずっと変わらない。

こっちに来てからもこの子は全くブレることも無い。


一人で悩んで、覚悟を決めたつもりでも、また悩み結果覚悟を曲げた俺なんかとは大違いだ。


いやその覚悟を曲げるのですらハルの真っ直ぐさの力なのか。


「まぁハルがそう言うなら俺も聞かなくていいか。別に聞こうが聞くまいが力を貸すことに変わりはねぇしな」

「そうだな。そもそも二人には借りがある。それを返すのに理由なんていらないな」


ゼノンとジュリアさんも続けてくる。


「私は…全てを知っていますが…。知らなかったとしてもきっとユウキ様を慕う気持ちには変わりはないです」


アクアもか…


「本当に皆良い奴過ぎるんだよな…。俺は最初からずっと隠し事をしてるんだぞ?そんなやつを信じていいのか?」


「関係ないよ!ユウキは…ユウキ!」

「はっ。人に言えない事なんて誰にだってあんだろ?関係ねぇよ」


ジュリアさんもアクアもみなゼノンの言葉に頷いている。


この素晴らしい仲間達に隠したまま戦うのは…違うな。全てを話してどう思われるのか怖いけど……だけど、皆のことを信じよう。


「…ありがとう。俺が一人で抱え込みすぎてるのかな。………ハル。皆。俺の事を話させてくれ。…聞いてくれるか?」


「…いいの?無理してない?」


「あぁ。むしろ話さないことの方が皆に…ハルに対して申し訳ないって言うか…」


「気にしなくていいんだよ?でも…ユウキが話してくれるなら私は聞くよ」

見るとゼノン達もそのつもりのようだ。


「俺の話せなかったこと…俺の役割(ジョブ)の事だ」

「やっぱりそうか。お前がハルだけを帰られそうよしてたのはそれだな?つまりハルと両立することが無いってわけか」


ゼノンが合点が言ったと話す。


「そういう事だ。俺がこの世界において与えられた役割…。アクア曰く本来は俺の役割じゃ無かったみたいだけどな」


「そうなのアクアちゃん?」

「はい。私が1度堕とされた際に魔王の力の繋がりかユウキ様の深層を見ることができました。ユウキ様も知らない事を…」


それからアクアが皆に説明してくれる。


俺が本来召喚される存在では無かったこと。

俺の役割はそもそもが俺の中にいるリクのものだと言うことを。


「それで……ユウキの…リクのって言うべきなのかな?…その役割って?」


ハルが緊張した面持ちで聞いてくる。

…ある種告白するより緊張するな。

だけど信じるんだこの仲間達を…。

何も伝えずにもしもがあった場合何も知らない上で俺と戦わなきゃいけないんだ。そんなの…そんな裏切るような真似は出来ない!


「俺の役割(ジョブ)は…【世界を滅ぼすモノ】だ」


「…世界を…滅ぼす……」

「マジか……」


ハルとゼノンが絶句している。

まぁそりゃそうなるよな。


「ルーナは知っていたのだな?」

「はい。知っていました。本来は封印するべきだったのでしょうが…」


「でも!それはユウキじゃなくてリクの役割なんだよね?ユウキは…違うんだよね?」


「正直わからない。リクが俺の中にいる理由もわからないし、俺がこの世界に召喚された理由もな」


そうなんだ。俺の役割がリクのものだとすると…

1つの世界から1人のルールから外れており、

召喚された者は役割を持つってルールからも外れることになる。


「そりゃハルと一緒に帰るってのが無理なわけだな。ハルが役割を果たすにはユウキが、ユウキが役割を果たすにはハルが……って事か」


「そうだ。だから俺はハルのラスボスになる事を決めていんだよ。俺以外の災いを全部倒して……最後に俺が…」


「……そんなのってないよ。なんでユウキが…。嫌だよ私ユウキを倒すなんてできないよ…」


ハルが泣き出してしまう。

そうだよな。こうなるよな。


「でも…もう決めた。俺はハルと共に生きるよ。この世界にとっては俺はいない方がいいんだと思う。だけど…」


「まぁもしもがあったらその時は……俺達でどうにかしてやるさ。今だってルーナの腕輪で封じてあるんだろ?」

「精霊王としての力で作った腕輪ですので。そう簡単には。ユウキ様がご自身で外すことがなければ…」


「大丈夫だ。もう俺にその気は無いよ」

「ちょっと前まではあったってことだよね?…ユウキ?本当にもうそんな事考えてない?」

「あぁ。だからこうして話してるだろ?俺はハルと皆とこの世界で生きていくと決めたよ」


心配そうなハルを撫でながら答える。


「その為には…この世界を平和にしなきゃな。ミナトを倒して……」

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