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俺がラスボス?  作者: いぬちく


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117 仲間

唇を離しハルの顔を見る。

頬を赤く染め恥ずかしさと嬉しさが入混ざった表情をしている。


「ハル…。俺はやはりハルと一緒に居たいよ。…それは元の世界に戻れないかもしれない。この世界でずっと生きていく事になるかもしれない」


「うん。私は初めからそれでもいいよって言ってるじゃん?ユウキさえ居てくれるなら、他は何も求めないよ」


そう言いハルは俺の胸に顔を埋めてくる。

俺もハルの事を抱きしめ応える。


「1度覚悟を決めたんだけどな…。やっぱり俺の覚悟よりハルの方が大事みたいだ」


やはり俺はハルのラスボスになりたくない…。


「えへへ。私は今めちゃ幸せだよ。ユウキが私の事を一番に想ってくれてるってことでしょ?ユウキの背負ってるもの…すぐに話せなくてもいいから…いつか話してね?私が一緒に背負っていくから。…ふぁぁぁ…なんか安心しちゃったのか眠くなってきちゃった…」


「じゃあそろそろ寝ようか…はい」


ベッドに倒れ込み左手を伸ばしてハルを呼ぶ。


「腕枕してくれるの?…嬉しい。えへへ…もうユウキにくっつくの我慢しなくていいんだね!」


ハルが俺の腕の中に収まる。

くっつくの我慢って…これまでも十分くっついて来ていたと思うんだけどな。


「おやすみハル」

「うん。おやすみユウキ…大好きだよ」


ハルはすぐに寝息を立て始める。

しかし……これで良かったんだろうか。

ハルと一緒に居たいって気持ちはもちろんある。


でも災いの塊みたいな存在になりつつある俺がこの世界で暮らし続けていいのかな…。


……わからない……。


今は…この寝顔が見れるだけでいいか…。


~~~翌朝


「ふぁぁぁ。おはよーユウキー。なんか凄くぐっすり寝れたよー」

「おはようハル。そうか?それは良かった」

「うん。ユウキの気持ちをハッキリ聞けて腕枕してもらえたからかな!……ユウキ?昨日の夢じゃないよね?」


ハルが上目遣いで聞いてくる。

本当にその顔やめような?もう可愛すぎて…。

あー。やっぱり俺この子と離れるなんてできないな…。


「夢じゃないよ。ハルずっと一緒にいような。……大好きだよ」


あー。これ改めて言うとめっちゃくちゃ照れるやつだ。


「えへへ。うん!私もユウキの事大好きだよ!!ずっと一緒にいる!」


ハルも顔を赤くしながら応えてくれる。

……幸せってこういう事を言うんだな。


その後もハルと話をしていると…

部屋をノックする音が聞こえてくる。


「おーい。ユウキーハルー。開けて大丈夫かー?」


ゼノンが呼びかけてくる。


「あぁ。大丈夫だ。おはようゼノン朝からどうした?」

「おはよう。ルーナから二人を呼んできてくれくって頼まれてな。……なんかお前ら顔赤くね?」


おっと。まだ赤面が治まってなかったか…。


「あー。そうか?ちょっと部屋が暑かったかな?

なぁハル?」

「う、うん!そうだね。ちょっと暑かったかも」


「ほー。……まぁいい方向にいったならいいんじゃねーか?」


ゼノンが何かを察したようにこちらを見てくる。

バレたか?…って別に隠す必要もないか。


「…まぁそんな所だ。ちゃんと気持ちを伝えあったよ」

「ユウキ!?」

「別に皆に隠す必要も無いだろ?仲間なんだ。この先もずっと…な」


驚きの声を上げるハルにそう言う。

そうだよ。この世界で生きていくなら、皆との繋がりも続くんだ。

この素晴らしい仲間達とも。


「仲間…か。ハルちょっとユウキと話したい事がある。先にルーナの所へ行っててもらえるか?」

「え?うん。わかった先に行ってるね?」


そう言いハルが部屋から出ていく。

残ったのは俺とゼノン。

話?なんだろう?


「ユウキ…。ハルに気持ちを伝えたってことはこの世界で二人で生きていく事を決めたってことか?何となくでしかなかったが、お前ハルを1人だけ帰らせるつもりだったんだろ?」


「…ああ。そのつもりだった。と言うよりハルを一人だけ帰らせるしか無かった…だな」

「…その為に自分を犠牲にするつもりだっただろ?」


おっと。そこまでバレてるのか?

いやゼノンは俺の役割は知らない。


「…なんの事だ?」

「ただの勘だがな。魔王の事もある。役割は知らんが…何となくな。まぁハルに気持ちをちゃんと伝えたってことはもう自分を犠牲にするようなつもりはないんだろう?」


ゼノンの勘凄いな。

ほとんど読み切られてる。


「…正直これで良いのかって気持ちはあるよ。全てを話せなくて申し訳ないけど…」

「話せないのは何故だ?信頼できないか?」


「違う。ゼノンもジュリアさんも、もちろんハルも俺にとっては出来すぎなぐらいの仲間だ。信頼しかしていない。だけど…いやだからまだ話せない…俺の問題だ」


俺が【世界を滅ぼすモノ】だと知った時どう思われるか…。

いやわかってる皆それがどうしたと言うに決まっている。


「俺が迷ってる…いや俺に覚悟が足りないんだろうな。すまない…」


結局ラスボスになるって事もラスボスになりたくないってことも自分の中の覚悟が足りてないんだ…。

中途半端なんだろうな。


「はっ。いいじゃねーか悩めよ。ユウキは大人ぶるけどな俺やジュリアからしたらまだ子供みたいなもんだ。いっぱい悩めばいいさ」


200年以上生きている二人からすれば確かに俺は子供みたいなものか…。


「ありがとうゼノン」

「おう。さぁ、俺たちもルーナの所へ行こう」


本当にこの世界に来て人に恵まれているな俺は。


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