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俺がラスボス?  作者: いぬちく


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109 女神

「…全てを?」


「はい。女神は己の力を全て人に与え…自分自身も人に転生するようにして…消えました」


「もう女神様は居ないってこと?」


ルーナさんの言葉にハルが質問をする。


「そうですね。人として転生してますのでどこかにはいるのかもしれません。そして女神の力を強く受け継いだ者が使えるのが、女神の光です」


それをハルが受け継いでいると…。


「ユウキ様が力を暴走させたあの日…。ハル様の力を見て正直震えました。女神の光を発動させた人は前回最後の魔王と戦った以来でしたし、その時の者より遥かに強い力でしたので。それこそ…」


「それこそ?」


「女神ルーナかと見間違えるほどに…」


あ。そういう事か。

原初の精霊だったルーナさんが人の女性へ転生し、ルーナと名乗っているのは…


「今でも女神様の事を愛しているんだね?」

ハルがルーナさんに声をかける。


「そうなのかもしれませんね…。でも最初は人を恨みましたよ。私から女神を奪った存在だと。ですが今私が人として…女性として居るのは…少しでも女神の気持ちがわかるかなと思ったからですかね」


そこでルーナさんが俺の方へ向き直り…


(残される者の気持ちも考えてあげてくださいね?)


…ここで念話か。

俺がやろうとしてる事について…だな。


「しかし、ちょっと待ってくれ。ハルは俺と一緒に召喚されたんだぞ?何故女神の力を受け継いでるんだ?」


「それは私にもわかりません。召喚前から受け継いでいたのか、召喚された際なのか…。まぁ魔王の因子を持ってるユウキ様も同じくですけどね」


あ、そうか。俺の魔王も一緒か。

女神の力を受け継いだ【世界を破滅から救う者】

魔王の力を受け継いだ【世界を滅ぼすモノ】


どこまでも正反対なんだよな。


「ルーナさんは…女神様がいない世界で…いいの?」

「そうですね…辛くないと言えば嘘になります。もう何万年経ったか分かりませんが…。それでも女神が愛したこの世界を見守り続けるのが私の役目かと」


ハルの質問にルーナさんが答える。


(その結果ユウキ様に押し付けてしまったものがあるようですね。…後ほど二人でお話させて下さい)

(…わかった)


俺に押し付けたもの…

リクの事かな。


「さて昔話はこれぐらいにしまして、神器の元へ行きましょう!」

パンッ!と手を叩いて扉を開け皆を部屋の中へ通すルーナさん。


部屋の中に入るとクリスタルに封印された武器があった。


「色々ありますが…3本ですかね。今の皆様に必要なものは」


そう言ってルーナさんが手をかざす。

するとクリスタルの中から2本の剣と短めの杖が現れる。


「まずは…ゼノンさん。こちらをお返ししますね」

ルーナさんが1本の剣をゼノンに渡す。


「あぁ。この剣を手にする時が来るとは…な」


ゼノンが剣を鞘から抜く。多少無骨だけど力強い輝きを放つ刀身が現れる。


「その剣は?」

「コイツはフィング。竜人族にしか使えない神器だ」


竜人族専用の神器ってことか。


「俺がこの神殿に居たのもフィングをここに預けていたからってのも理由だな。これを手にして戦う日が来るとは思わなかった…。しかも相手がミナトか…」


ゼノンが考え込んでいる。

そりゃそうだよな。

一族に伝わる神器を使って元仲間と戦う…。

あー。そうか。そういう事になっちまうのか…。

…俺のやろうとしてる事も。


「そしてジュリアさんにはこちらを…」

短めの杖…ロッドと言うべきなのかな。

それがジュリアさんの元へ。


「これは…?」

「…イグニスと言います。最後に魔王と戦った際のエルフが使っていたロッドです。ジュリアさん貴女によく似て真紅の髪に炎の使い手でした」


古代のエルフが魔王と戦う際に使ってた神器ってことか。

先端の宝石は炎のように真っ赤に染まっている。

ロッドそのものから俺でも感知できる魔力の力を感じるな。


「ユウキ。あのロッド……凄い。力強くて…それでいて安心する魔力って感じだよ」


ハルもロッドの力を感じてるようだ。

流石に魔力関係は俺よりハルの方が感じ方が強い。


「流石はハル様ですね。その感じ方が素晴らしいです!…ジュリアさん。炎と言うのは焼き尽くすものではあります。ですが人々暖め安らぎを与え護ることもできるのです。そのイグニスを使い守るための炎を…」


「倒すためでは無く…護る為の炎……」


ジュリアさんがロッドを見つめ呟く。

その声に応えるかのようにイグニスが光を発する。


「どうやらイグニスもジュリアさんのことを認めたようですね」

「私が神器に認められる日が来るとは…」


これでゼノンとジュリアさんは神器を手に入れた。

元々普通に強い二人。

となると…。


「これで二人はSSSランクって言っても過言じゃないんじゃないか?」

「そうですね!間違いなくこの世界において最強クラスと言って間違いないでしょう」


俺の言葉にルーナさんが続ける。

元々SSランクとランク上げてなかっただけのSランクだからな。


「俺はランクとかもう興味無いんだけどなぁ」

「私もギルド長辞めてきたからな…。まぁこの戦いが終わったら一冒険者として旅をするつもりではあったが…」


この二人強いのに強さをひけらかしたり、力を誇示することないんだよなぁ。

一人は神殿に隠居して、一人はギルド長。

ってジュリアさんやっぱり辞めてたのか。


「さぁ。それでは本日のメインイベントです!」


だからさぁ…


「ルーナさんはもうちょっと威厳を出してもいいと思うんだ…」


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