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俺がラスボス?  作者: いぬちく


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97悪霊退治

「えへ…えへへー」


どうやら機嫌は治ったみたいだ。

いやしかしアクアにヤキモチ妬くのかぁ。


「さて。そろそろおふざけも終わりだぞ。もう森に入るからな。この先さいつ悪霊が現れてもおかしくないからな」


ジュリアさんに注意される。

いやふざけてる訳ではないんだけどね。

まぁ周りから見たらそう見えるか…。


そして森に入る。

…んー。なんだろこの感じ。


「何か気持ち悪いね…。んーこの感じあのダンジョンの時に…近い?」

「最初のスケルトンの時か?」


魔力のダンジョンにてスケルトンと初めて戦う前ハルは何かを感じていた。

あの時は重い感じだったか?


「うん。あの時ほど重たさを感じないんだけど…。でももっと嫌な感じかも」

「恐らく悪霊の気配でしょう。あれは生きるものの天敵です。魔族の負の部分だけが残ってると思ってください」


アクアが教えてくれる。

生きるものの天敵か…。

なかなかヤバそうだな。


そのまま森の奥へ進んでいく。



「だいぶ進んだが…どうだ?」

「気配は濃くなって来たな……気をつけろ!来るぞ!」


ゼノンが声を上げ武器を構える。

森の奥から三体の魔物が現れる。


「あれが…悪霊?」

「いや…あれはブラックウルフだな…だが…」

俺の問にジュリアさんが答える。

悪霊じゃないのか?


「違います!あの魔物は悪霊が取り憑いています!普通の魔物と思ってはいけません!」

アクアが叫ぶ。


「ハル…。気をつけろ!」

「うん!ユウキもね!」


「俺とジュリアで一体ずつ抑える!ユウキとハルで一体ずつ確実に倒せ!」

「…大丈夫なのか?」

「恐らく悪霊に効果があるのはお前たちのちからだけだ!…抑えるぐらいはなんとかなるさ!なぁ?ジュリア!?」


剣を手に取りゼノンが魔物へ向かいながらジュリアさんに声をかける。


「勿論だ!SSランクを舐めるんじゃない!」

ジュリアさんも魔力を身にまとい魔物へ向かっていく。


これは俺とハルで確実に倒さないとだな。

「ハル!俺が抑える!あの力いけるか!?」

「え!わかんないけどやってみる!」


ハルが魔力を高める。

とりあえず俺は…闘気でやってみるか。

魔力と合わせるのは…って。ん?なんだこの感じ。


闘気を剣に纏わせようとしたら…剣が黒く染まる。

あれ?これって…。魔力と合わせたあの力だよな。


「ユウキ!?それって?」

ハルに気づかれて声をかけられる。


「とりあえずこれで行く!ハル準備しろ!」


ハルに声をかけ剣を握って走り出す。

この力も悪霊には効果あるはずだ。


「はぁぁぁっ!」

気合を入れて迫ってくるブラックウルフに剣を振るう。


ザシュッッ!


ブラックウルフが真っ二つになる。


あれ?


そのまま塵となってブラックウルフが消える。


「ユウキ!すごいじゃん!一撃だね!」

ハルが感嘆の声を上げる。


「あ、あぁ。こんな簡単に?」

正直肩透かしだけどこれはいける!


「よーし!私も!」


ハルがそう言うと溜めていた光をゼノンと切り結んでいたブラックウルフに放つ。


「えーい!」


ハルの放った光はブラックウルフを貫く。

やはりハルの力も効果ありだ!


「よし!あと一体!ジュリアさん下がってくれ!」


ジュリアさんが後ろに大きく飛んで間合いをはかる。

そこに突っ込んで切りつける!


「おぉぉぉ!」


渾身の一撃!…はブラックウルフに避けられ前足を薙ぐだけに終わる。


「くっ!浅いか!」

「私もいるよ!」


前足を切り裂かれ動きの止まった残り一体をハルの光が貫く。


オォォォンッ…!


ラスト一体も断末魔の声を残し塵となって消える。


「ハァ…ハァ…やったか?」


三体のブラックウルフは残らず消え去った。


「終わったようだな。やはりユウキとハルの力はかなり有効なようだな」


ゼノンが剣を納めながらこちらに歩いてくる。


「そのようだな。恥ずかしながら私の魔法は効果が薄かった。2人がいなければなかなか厳しいことになっていたな」

「俺もそうさ。…悪霊か…かなり厄介だな」


ジュリアさんとゼノンが言葉を揃える。


「ふふん!私達最強!…ってユウキ!あの力使わないでって言ったのに!」


ハルが俺を責め立てる。

そう言われても使うつもりは無かったんだよなぁ。

闘気を込めただけなのよ。


「うーん?魔力を混ぜたつもりはなかったんだけどなぁ」

「恐らくですが…ユウキ様の中で闘気と魔力が混ざってきているのかもしれませんね。本来であれぱ合わせることのできないものですが…。」


滅ぼす力が俺の中で自動的に生成されていると…


「でも、これまでみたく意識が遠くなったり、暴走するような感じなかったのは…?」

「どちかと言えばこれまでのは身体がその力に耐えられなかったのではないでしょうか」


あー。なるほどね。

それが身体が力に慣れたと。


「本当に問題ないの?…ユウキ魔王になっちゃったの?」

ハルが心配そうに声をかけてくる。

まぁこの力を使いこなせたのは魔王と呼ばれた存在だもんなぁ。


「大丈夫だ。身体も何ともないよ。別に魔王になった訳でもない…って魔王になったら何か変わるのかな?」

「…角とか尻尾とか生えてきたり?羽も生えちゃうかも?」

「…それは困るな」


そう言ってハルと二人で笑い合う。

とりあえず今は戦える力が欲しいからな。

この力にリスクが無いならありがたい。いちいち意識を失ってても困る。


(アクア。この力、リスクはありそうかな?)

(正直…魔王の力に詳しくは無いので…。アイツにだけは気をつけてくださいね。その水晶の腕輪の力で勝手に出てくることはないと思いますが)


そういえばアイツの力と同質と言ってたか。

滅ぼす為の力…。

使い方間違える訳にはいかないな。


「ユウキ。もう森の中に嫌な感じはしないよ」

「悪霊は倒しきったってことで良いのかな?」


「恐らくな…。一旦里へ戻ろうか。これで終わりかどうかはわからんが。ここにいるより戻って情報集めよう」


ジュリアさんの言う通りエルフの里へ戻るのであった。

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