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夢幻戦隊MSガールズ  作者: 硫化鉄
第九話 「迷路」

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シーン8 あかりの波乱。

 荒野にあかりの気合が響いていた。

 剣を持たず、拳で、蹴りで、敵を粉砕する特訓だ。

 ポニーテイルが揺れ、汗を散らし、いつ果てるとも知れない型稽古をあかりは必死で続けていた。


「ふっ! せやっ! とぉっ!

 ……弧次郎さんが見つからないなら……。

 特訓あるのみっ!

 弧次郎さんなら……特訓をしているあたしを、必ず見つけてくれるはず……っ!」


 その時。


「へぇぇ~? こんなところで特訓かい?

 一人っきりで寂しいねえ?」


 あかりにかけられた声は、無論弧次郎のものではない。

 振り向いたあかりの前に、妖艶な美女が立っていた。


「あなたは……! 悟空くんの手下……狐仙!

 ……だっけ?」


 狐仙はいきりたって怒鳴り散らした。


「前回も出ているのにうろ覚えって何なんだい!

 物覚え悪すぎだよ!」


 あかりも負けずに怒鳴り返す。


「うるさいわね! ここで会ったが百年目!

 真っ向勝負! 覚悟しなさい!」


「ナマ言ってんじゃないよ! 覚悟するのはそっちの方さね!」


 まさに一触即発。あかりはスマホを取り出した。


「いくよ、弧次郎さんっ!」


 だが弧次郎の返事はない。


「そっか……! 弧次郎さんは……!!」


「あーーーーーっはっはっはっは!

 どうしたんだいお嬢ちゃん? あんたの色男はいないようだねェ。

 さぁ今度こそ! 年貢の納め時だよ!」


 ムチをピシッと鳴らしながら、ゆっくりと間を詰めてくる狐仙。

 しかしあかりの目は輝いていた。


「くー! あたしピンチ! 燃えて……」

「そこまでだ!」


 あかりの声をさえぎる男の声。


「……何っ!?」


 狼狽えて周囲を見回す狐仙。だがあかりにはその声の正体がわかっていた。なぜならば。


「この声……! 弧次郎さんっ!!」


 あかりの前に姿を現した弧次郎は、狐仙に鋭い視線を向けた。


「その娘に手出しはさせん!

 雷牙ァァァ……変身ッ!!」


「え……? え……っ!?」


 信じられない光景に、あかりはただ混乱していた。

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