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夢幻戦隊MSガールズ  作者: 硫化鉄
第九話 「迷路」

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シーン7 智恵のサービスシーン。

 バスタブに身を沈め、智恵はほっと息をついた。

 妄想界突入合宿。夢の中に意識を持っていく事で、妄想界に赴き、変身能力を取り戻す作戦だ。

 元々寝付きの悪い智恵は、眠るタイミングを逸してしまったのだった。


「はぁ~ぁ。三人であんなに寝言言われちゃ、眠れるわけないじゃない。

 ……あぁ~、良いお湯~。お風呂上がりなら眠れるかもしれないわね、あたしの計算によれば……!」


 と、その時、窓の外でガタガタという音がした。

 咄嗟にタオルを掴んで、窓に神経を集中した。


「……誰っ!?」


 鋭く叫ぶ智恵の誰何に呼応して、窓の外で機械が作動する音が響く。


「な、なんだなんだっ!?

 なんなんだこれっ!」


 外から響いてくる男の声。続いてザバーッと響く水音。


「うわっぷ!」


 どうやら水流は無事男にヒットしたらしい。

 智恵はタオルを持って立ち上がった。


「ふん! こんな事もあろうかと、覗き痴漢撃退装置・スーパーパニッシュ智恵スペシャルを設置してあるのよ!」


 窓の外にいる誰かに勝ち誇る智恵。外の男は特に敵意を見せるでもなく、ただボヤいていた。


「かー! びっしょ濡れじゃねーか。

 俺様にしては珍しく油断しちまったなー」


 その口調。そして声。

 智恵は腹立たしいような、しかしちょっとホッとしたような複雑な気持ちだった。無論そんなことはおくびにも出さずに怒鳴りつける。


「その声……! バカホーキね!

 ちょっとあんたに話があるから、待ってなさいよね!」


 しかし返ってきた言葉は、声も口調も完全に一致しているのに、それを否定するものだった。


「あ? ホーキ? おいおい人違いはよしてくれよ。

 ほら、顔見せてやろーか?」


 言うなりカラカラと窓を開ける。


「ば、バカ! 窓開けないでよっ!」


 慌てて窓を閉めると同時に、覗き痴漢撃退装置・スーパーパニッシュ智恵スペシャルが、もう一度男にお湯を浴びせた。


「ははー、もうびっしょりだからな、お湯かけられても変わんないっすよ、巨にゅ……ぐはっ」


 覗き痴漢撃退装置・スーパーパニッシュ智恵スペシャルが、マニピュレータをゲンコツにして男の顔面を殴打した。


「……次は目をつぶすわよ」


「……すみません」


 マニピュレータがチョキの形で、うなだれた男を威嚇していた。


「でも、確かに別人みたいね。あんた、誰なのよ!」


 智恵が窓の外に声をかけた。ホーキングに似た声、似た言葉使い。どうにも気にならざるを得ない。

 男は、またホーキングの如く返事を返した。


「あ? 俺様か?

 ふふん。聞いて驚け!

 俺様は究極の大魔法使い、超ウルトラスーパーグレートワンダフリャエリートウィザード、アキラ・ユーマ様だ!」


 智恵は、どこかでその名前を聞いた事があるような気がしていた。


「アキラ……ユーマ……?」

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