シーン10 @妄想界某所
常世の国、アラジンの宮殿。
アラジンのもとへ、ジニーが訪れていた。緊急に、秘密裏に呼び出されたのである。
アラジンからの命令を受け、ジニーは緊張していた。
「偵察……ですか? アラジンさま」
偵察という事は、現世界へ赴くという事だ。敵地を探るという危険な任務である。
だが、何を探れと言うのだろう。
「そうだ。小僧の手下どもがどのような連中で、どのような戦い方をするのか……それを偵察してくるのだ」
偵察の対象は敵ではなく味方側だった。それがジニーには不思議だった。
「かしこまりました。
もし、何かあったら手助けをするとか……?」
「いや……」
手助けの必要もないのなら、偵察する理由は何なのだろう。
ジニーはやっぱり不思議だった。
だが手助けしなくて良いのはありがたかった。
「ですよね! あんなサルの手下を助ける必要なんてありませんよね!
という事は、隙をついて邪魔を……?」
ジニーは、むしろ邪魔してやりたいという気持ちの方が強かった。
あのサルに手柄を立てさせるのは癪だったし、いたずらするのが大好きだったからだ。
だがアラジンは手のひらを向けて、ジニーを止めた。
「いや、余計な事はするな。お前はただ、偵察をして来れば良い」
「でしたら、何故……?」
ジニーの問いに、アラジンは少し目を泳がせた。
「それはっ、小僧の手下どもについて、色々と……知っておきたいからな……。
ガキの癖に、あんな女達をペットなどと……あ、ゴホン。
味方の戦力を知っておくのは、指揮官の心得だからな」
「……そ、そうですね……」
アラジンの心を知ってか知らずか、ジニーは少し引いている。アラジンは慌てて別の理由を口走った。
「それに、今回のサブタイトルからして、女性キャラは全員出るべきだろう?」
言ってはいけない類の理由だったが、ジニーはそれを聞いて、跳びあがって喜んだ。
「あっ! あたしも女性キャラとして出番をいただけるんですねっ!
えへへ~、ありがとうございますっ!」
ジニーは不適切な言葉を吐いて、早速現世界に向かった。
「……ここでも卑弥呼様の出番はない……。またご機嫌を損ねてしまいそうだな……」
アラジンのアウト発言が、ひとり残された宮殿内に、そっと響いた。




