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夢幻戦隊MSガールズ  作者: 硫化鉄
第七話 「どきっ☆女だらけの水泳大会♪・前編」

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シーン7 @水上先生の自宅

 その夜、水上は考え込んでいた。三人の技が通用しないという敵。だが情報が少なすぎて、対応を考えるには無理があった。水上の思考は自然、富士宮あかりに傾いていく。


 技が通用しなかった。それは鷹城も那須野も同じだ。なのに様子がおかしいのは富士宮だけだ。

 何が原因でそうなるのか――。


 その時、水上の携帯が鳴った。


「ん? 誰だ……?」


 携帯を取り上げる。画面を見て、水上は小さくうなずいた。


「……ふむ」


 思っていた通りの名前が表示されている携帯。水上は通話ボタンを押した。


「はい、もしもし?」


 電話の主は沈黙していた。だが微かに息づかいが聞こえている。

 水上は重ねて、電話口の相手に声をかけた。


「もしもし? かけてきたんなら何か話せ?」


 すると消え入るような声が、携帯から漏れる。


「長官……」


「どうした富士宮、お前らしくもない声を出して」


 水上は敢えていつも通りの態度で言った。

 電話を向こうであかりは驚いていた。


「え……どうしてあたしだってわかったんですか……?」


 水上は軽くため息をついた。


「あのなぁ。私の事を長官って呼ぶのはお前だけだし、着信の時点で相手は表示されるんだぞ?」


「あ、そっか……」


 やはり元気のないあかりの声。理由は想像がついているが、水上は敢えてそれを聞いた。


「どうしたんだ? 富士宮。何かあったのか……?」


「長官……あたし……弧次郎さんに……」


 あかりは声を詰まらせた。思っていた以上に深刻そうだ。


「わかった。とりあえず家に来い。場所はわかるな?」


 水上は、虚ろになったあかりの心に押し込むように言った。


「え……? あ、はい……」


「じゃあ、待ってるから、道がわからなくなったら連絡入れるんだぞ?」


 魂の抜けたようなあかりに、水上は念を押して電話を切った。


「……ふう。やはり、尋常じゃないな、富士宮は。

 お前達の言うとおり、か」


 水上が視線を向けた先には智恵と美佳が、不安気に水上を見ていた。

 水上はふっと息を吐いて顔を引き締めた。


「ここは、大人の出番だな……」

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