シーン1 @常世の国
常世の国、神託の間。
卑弥呼の前に、アラジンと悟空が出頭していた。前回の作戦失敗についての報告である。
アラジンは恐縮しきった顔でかしこまっていた。
「申し訳ございませんでした、卑弥呼様。鵺という強力無比な凶魔獣を用いながら、MSガールズを葬ることも出来ず……」
報告を受ける卑弥呼は、その頬を膨らませていた。
アラジンの報告も耳に入っていないという顔だ。
「……ふんっ」
卑弥呼はそっぽを向いた。
「あれ? 姉ちゃ……いや卑弥呼様……?」
悟空は今までに見た事もない卑弥呼の顔に戸惑って、その顔を見つめた。
アラジンはさらに畏まって、反省の弁を続けた。
「今回の敗因を分析し、もう同じ轍は二度と踏まぬように……」
「確かに、連中の力を甘く見すぎていたかもな、俺達。……つうか、おっさんが。
俺はそんな油断はしねえしな。作戦はきっちり成功させてるし~」
悟空はからかうようにアラジンを肘で突っついた。
「くっ……!」
うつむいたまま悔し気に歯噛みするアラジンを横目に、悟空は現在進行中の新しい作戦の報告を始めた。
「俺の方は次の作戦はもう始めてるぜ、卑弥呼様。
俺のペットたちを使って、もうでっかい精霊をあっちに送ってっからさ」
だが、卑弥呼の表情は変わらない。
「……ふんっ」
普段とはあまりにも違う卑弥呼の態度。悟空は再びアラジンを肘でつついた。
「……なぁおっさん、卑弥呼様、なんか不機嫌そうじゃね?」
「私の失敗に対してのお怒りなのだとは思うが……。
確かに、少々普段と様子が違うな……」
小声で返すアラジン。
卑弥呼はそっぽを向いたまま、小さい声で愚痴を吐いた。
「新キャラばっかり出てきて、前回とうとう我の出番がなかったではないか……。
……ふんっ」
その愚痴が聞こえてしまった二人は呆気にとられてしまう。
「そ、そこ……?」
「ひ、卑弥呼様……」
気を取り直して、というか少し慌てて、悟空は卑弥呼に断りを入れた。
これ以上機嫌を損ねられて、お仕置きが飛んできてはたまらない。
「あ、あの、卑弥呼様、俺、ペットたちの様子見てくるわ。
ちゃんと作戦が順調か、確認しねえとな!」
急いで境界の穴へと飛ぶ悟空を見送って、アラジンは卑弥呼に深く一礼した。
「では、私もこれにて。
お見送りは……あ、いえ、何でもございませぬ……」
くるりと踵を返して歩き去るアラジン。
卑弥呼は悟空の去った境界の穴と、アラジンの背中をジト目で睨んだ。
「……ふんっ、だ。いつも我を一人にして……っ」




