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夢幻戦隊MSガールズ  作者: 硫化鉄
第六話 「必殺……??」

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シーン4 ついに激突

 境界の穴の前で、ジニーはうつむいていた。

 今度こそ負けられない。負けるわけにはいかない。なぜなら……。


「……そろそろ時間だな」


 アラジンの大きな手がジニーの肩を優しく叩いた。


「……はい。今度こそあのMSガールズを葬ってご覧にいれます。

 ……おとたまの仇を討つためにも……!」


 アラジンとジニーは境界の穴を通り、現世界に向かった。

 今度こそ、MSガールズにとどめを刺すために。




 あかり達は、ディスペアーを迎え撃つべく学校の屋上で待ち構えていた。

 黄昏時、空はオレンジ色に染まっている。


「陽が沈んだら……来るよ!」


 あかりは空を見上げて言った。屋上には、不審なものは、ない。


「……うん」


 美佳は少し不安気に頷いた。これからの戦いのことはもちろん、智恵とホーキングの事が、美佳は気になっていた。


「今度こそ……!!」


 その言葉は、ぐらついていた。

 智恵は、自分がどうしたら良いのか、自分に何ができるのか、皆目見当がつかなかった。

 結局新しい必殺技はアイデアのカケラすら見つからなかったのだ。


「負けられない……! 真っ向勝負!!」


 あかりの声が、オレンジから濃紺へ移り変わっていく空に響いた。


「お嬢様方、来ます!」


 ウォルフの声に緊張がみなぎる。上空に、アラジンとジニーを乗せた魔法の絨毯が見えたのだ。

 同時に、屋上の端にぼんやりと、鵺の姿が浮かび上がってきた。

 アラジン達は屋上に降り立つと、あかり達を見回し、重々しく口を開いた。


「よく来たな、M Sガールズ。今日という日を、お前達の命日にしてくれる」


「アラジン様、鵺の結界は解きました。戦闘準備、完了です」


 ジニーの口調は、何かを堪えているかのように低く重かった。

 秘めるものは、明確な、殺意。

 アラジンはジニーの殺意を鼓舞するように、その小さな肩に手を置いて言った。


「うむ、任せる。今のお前なら、必ず奴らを葬る事が出来るだろうからな」


「……承知しました。必ず」


 魔法の絨毯で妄想界へ帰還するアラジンに目を向けることなく、ジニーはあかり達を見据えながら言った。


 水上はジニーの殺意を秘めた表情に、また一つ違和感を感じていた。

 昨夜はこちらが一方的に敗北したというのに、あの恨みの目は何なのだ。

 水上は危険な空気を感じ、即教え子達に声をかけた。

 もう二度と、あんな目に合わせまいと強く誓って。


「お前達、無茶だけはするな!

 敵を討ち倒しても、自分の身を守れていなかったら意味がない。

 よく言うだろ? 『家に帰るまでが、戦闘だ』って!」


 水上の心が、あかり達の心を打った。


「わかりました!

 いや、了解ですっ! 長官!」


「確か……遠足の時に習いました!」


 美佳が右手を上げて水上に答えた時、鵺は結界の残滓を乗り越え、咆哮した。


「ぎゃあああああああ~す!

 今度こそ息の根止めたるさかいな! 覚悟しいや!」


 完全にブチ切れている。

 あかりはむしろ笑顔になって、鵺に言い返した。


「出たわね、鵺! 今日は負けないよ!」


「それはこちらの台詞です!」


 あかりに言い返したのはジニーだ。その目は殺意に燃え、あかり達を睨みつけていた。

 堪えていた感情が爆発したように、ジニーは泣き叫ぶ。


「今度こそ……おとたまの仇……!

 あんた達を倒すんだからぁぁ~~~っ!!」


 あかり達は驚愕の声を上げた。一体何のことなのか、全くわからない。


「仇……?」


 あかりがぽつりとつぶやく。仇討ちは燃えるシチュエーションだが、自分が仇の側になる事など想像した事もなかったのだ。しかも、全く身に覚えがない。

 水上は少し考えながら、ジニーに問いかけた。


「どういう事だ?

 あの時は、こちらが完全に負けていた……。

 むしろ、何故お前達はとどめを刺さなかったんだ?」


 ジニーはキッと鋭い視線を水上に向けて叫ぶ。


「とぼけないで! あんなホウキ使って不意打ちした癖に!」


「え……っ!?」


 智恵の顔色が変わった。


「何!? ホウキ……?」


 弧次郎の声に戸惑いが混じる。

 鵺はブチ切れ声をぶちまけた。


「せや。あの卑怯なホーキ、はよ出せや!」


「なるほど……。何故とどめを刺されずにすんだのかわかった」


 水上は納得して智恵の方を向いた。


「鷹城、我々を守ったのは、ホーキングだという事だ」


 息を呑む智恵。そしてジニーが目に涙を溜めて叫んだ。


「守ったんじゃない!

 あのホウキは! 卑怯な手を使って、おとたまに酷いことしたんだから!」


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