シーン2 その翌日。
水上鮎は、自宅で昨夜起きた事を考えていた。
夜中の戦闘で完敗。全員が気を失ったまま学校の屋上で朝を迎えたのだ。
水上は生徒三人を家に送り届け、疲れ果てて帰宅した。休校になっている事が唯一の救いだった。
シャワーを浴び、疲れ切った身体をベッドに横たえても、彼女の頭は眠る事を拒否していた。
水上の頭は考え続ける。
――状況は最悪だった。全滅させられてもおかしくなかった。
いや、むしろ全滅を免れたのが不思議なくらいだ。
何故奴らは我々を見のがしたのだろう……?
どうしてもその一点が理解できなかった。奇跡と片付ける事を、水上は許せなかった。
――しかし、私も保護責任者として、責任を重く感じざるを得ない。
生徒達を守る事も出来ず、全滅させられかねない状況に追いやってしまった。
水上は痛恨の思いだった。教師として絶対に許されない失態だ。
――これからの戦い方も考えなければならない。出来ることなら生徒を戦わせたくはないが……。
それから、気になる事がもう一つ……。
富士宮あかりは焦っていた。焦りはあったが、振る太刀筋は正確そのものだった。
「……イチ! ……ニ! ……イチ! ……ニ!」
水上に送られて帰宅した後、シャワーを浴びてひと眠りした。身体は問題ない。
あかりの脳裏に、昨夜の敗戦が蘇ってくる。
完敗だった。手も足も出なかった。でも、このままにしておくわけにはいかない。
――鍛えなきゃ……! もう負けるわけにはいかないし!
どう戦ったらいいのかまだわかんないけど……。
あたしはあたしに出来ることをやるだけ!
特訓して、鍛えて、鍛えて、鍛えて! 次こそは必ず……!!
那須野美佳は心を痛めていた。昨夜の敗戦もその一因だったが、それよりも美佳の心を大きく占拠していたのは別の問題だった。
――私、何が出来るんだろう……?
ホーキくん、全然喋らなかったけど……。智恵ちゃんが変身したって事は、いたって事だよね……?
ずっとケンカ、してるのかなぁ……。
仲直り、出来ないのかな……。
鷹城智恵は自分を責めていた。自分に言い訳もしていた。自分の無力さに気付いてもいた。
そしてそのどれも、彼女は認めたくなかった。
思い出すのは昨夜の敗戦。完璧だと思っていたXVサーチャーの無力さ。
智恵は机に向かって、必死に知恵を絞っていた。
だが彼女の頭を支配しているのは、自責のこもった焦りだった。
――わかってる……! わかってるのよ……!
あたしが……あたしの力が足りないから……。
必殺技が未完成だから、負けたんだって……!
わかってる。あたしのせいだって……。
でも……でもあたしは……っ!!




